中日−横浜 9回表途中から登板し、セーブを挙げて谷繁と喜ぶ岩瀬(左)=浜松球場で(榎戸直紀撮影)
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鉄腕がまた一つ高みに登った。9回、リードを3点に縮められなお無死一塁での登板だったが、岩瀬は落ち着き払っていた。「自分がランナーを出したと思って投げた」。代打武山を遊ゴロ併殺、カスティーヨを遊ゴロに打ち取り、難なくゲームセット。これで通算252セーブ。歴代2位の佐々木主浩氏(元横浜)に肩を並べた。
「歴代2位? まあ、それは別に」と岩瀬。通算250セーブの金字塔を達成したばかりだけに、「プラス2セーブ」は既定路線。当然とばかりに涼しい顔を見せた。
記録は同じ「歴代2位」でも、投手としては好対照だ。直球とフォークで三振を量産した佐々木氏が「力」なら、スライダーと制球力で打ち取る岩瀬は「技」か。
佐々木氏と歴代1位の記録を持つ高津臣吾(現台湾・興農)との比較が話題になった際、岩瀬は「投手としてのタイプが全く違います」と迷いなく答えた。独自の哲学でセーブを積み上げてきた。
次はいよいよ高津の286セーブが視界に入る。岩瀬は「また、一つ一つです」とサラリ。前人未到の領域へ、突っ走るだけだ。 (木村尚公)
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