4 車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、政令で定めるところにより、第49条第1項のパーキング・メーターを直ちに作動させ、又は同項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間(当該パーキング・チケットの発給を受けた時から道路標識等により表示されている時間を経過する時までの間に限る。)、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない。
(罰則 第2項については第119条の3第1項第1号、同条第2項 第3項については第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項 第4項については第119条の3第1項第3号、同条第2項)
第49条の4 高齢運転者等専用時間制限駐車区間においては、高齢運転者等標章自動車以外の車両は、駐車をしてはならない。
(罰則 第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項)
第49条の5 警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所及び駐車の方法並びに駐車を開始することができる時刻及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両及びその運転者については、前2条(第49条の3第1項を除く。)の規定は、適用しない。この場合において、当該車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。
(罰則 後段については第119条の3第1項第1号、同条第2項)
第49条の6 車両は、第49条の3第3項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の
第44条各号に掲げる道路の部分においては、同条の規定にかかわらず、停車することができる。
第49条の7 時間制限駐車区間に駐車場法(昭和32年法律第106号)
第5条第1項の規定により同法
第2条第1号に規定する路上駐車場(以下この条及び
第110条の2において「路上駐車場」という。)か設置されている場合における当該路上駐車場に係る道路の部分については、
第49条の規定は適用しない。
2 時間制限駐車区間に改正されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、駐車場法
第6条第1項に規定する路上駐車場管理者によりパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されているものについては、当該パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備を
第49条第1項のパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備とみなして、第49条の3の規定を適用する。
3 時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されていないものについては、第49条の3から第49条の5までの規定は適用しない。
第50条 交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。
2 車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。
(罰則
第120条第1項第5号、同条第2項)
第50条の2 車両(トロリーバスを除く。以下
第51条の2まで及び
第51条の4において同じ。)が
第44条、
第47条第1項若しくは第3項又は
第48条の規定に違反して停車していると認められるときは、警察官等は、当該車両の運転者に対し、当該車両の停車の方法を変更し、又は当該車両を当該停車が禁止されている場所から移動すべきことを命ずることができる。
(罰則
第119条第1項第3号)
第51条 車両が
第44条、
第45条第1項若しくは第2項、
第47条第2項若しくは第3項、
第48条、第49条の3第2項若しくは第3項、第49条の4若しくは第49条の5後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は
第49条第1項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第49条の3第4項の規定に違反していると認められるとき(次条第1項及び第51条の4第1項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両か駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
2 車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
3 第1項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置をとり、又は当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
4 前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
5 前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第3項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
6 警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
7 警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の使用者に対し、保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
8 警察署長は、前項の場合において、当該車両の使用者の氏名及び住所を知ることができないとき、その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは、当該車両の所有者に対し、同項に規定する旨を告知しなければならない。
9 警察署長は、前項の場合において、当該車両の所有者の氏名及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、当該車両の保管の場所その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
10 警察署長は、前項の規定による公示をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該公示の日付及び内容をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
11 第7項から前項までに定めるもののほか、第6項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は、政令で定める。
12 警察署長は、第6項の規定により保管した車両につき、第8項の規定による告知の日又は第9項の規定による公示の日から起算して1月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。
13 警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる。
14 第12項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
15 第2項、第3項又は第5項から第11項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第51条の2の2までにおいて「使用者等」という。)の負担とする。
16 警察署長は、前項の規定により運転者等又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。
17 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年14.5パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
18 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
19 納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
20 第8項の規定による告知の日又は第9項の規定による公示の日から起算して3月を経過してもなお第6項の規定により保管した車両(第12項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
21 警察署長は、第12項の規定による車両(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却、第13項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を国土交通大臣又は同法
第105条第1項若しくは第2項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
22 第6項、第7項及び第9項から第20項までの規定は、第6項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において、第7項中「使用者」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と、第9項中「前項」とあるのは「第22項において読み替えて準用する第7項」と、「知ることができない」とあるのは「知ることができず、かつ、当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と、第11項中「第7項から前項まで」とあるのは「第22項において読み替えて準用する第7項及び前2項」と、第12項中「第8項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第22項において読み替えて準用する第7項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日若しくは」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、第15項中「第2項、第3項又は第5項から第11項までの規定による車両の移動、」とあるのは「第22項において準用する第6項、第7項又は第9項から第11項までの規定による」と、「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第51条の2の2までにおいて「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と、第16項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と、第19項中「第8項の規定による」とあるのは「第22項において読み替えて準用する第7項の規定による当該積載物の所有者に対する」と読み替えるものとする。
(罰則 第1項については
第119条第1項第3号)
第51条の2 公安委員会は、違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為(以下この条及び第51条の4において「違法駐車行為」という。)が常態として行われている道路の区間であつて、次項の規定による車輪止め装置の取付けの措置によつて違法駐車行為の防止を図ることが適当なものを、車輪止め装置取付け区間として指定することができる。この場合において、公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、当該指定に係る道路の区間に、当該区間が車輪止め装置取付け区間である旨の表示をしなければならない。
2 警察署長は、道路又は交通の状況から判断して車輪止め装置取付け区間における違法駐車行為を防止するためやむを得ないと認めるときは、当該区間における違法駐車行為に係る車両に車輪止め装置を取り付けることができる。
3 次に掲げる車両には、前項の規定にかかわらず、車輪止め装置を取り付けてはならない。
1.前条第1項の規定による命令をすることができる場合における当該命令に係る車両
2.第7項の規定により警察署長が車輪止め装置を取り除いた車両であつて、取り除いた時から4時間を経過していないもの(当該取り除いた時から当該車両について同一の違法駐車行為が継続しているものに限る。)
4 警察署長は、第2項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けるときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、車両に車輪止め装置を取り付ける旨の広報をするように努めるものとする。
5 警察署長は、第2項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けたときは、当該車両の見やすい箇所に、当該車両を移動しようとする者はその旨を当該警察署長に申告して当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除く措置を受けることができることその他の内閣府令で定める事項を記載した標章を取り付けなければならない。
6 警察署長は、第2項の規定により車輪止め装置を取り付けた車両の使用者等その他の関係者であつて当該車両を移動しようとするものからその旨の申告を受けたときは、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
7 前項に定めるもののほか、警察署長は、第2項の規定による車両への車輪止め装置の取付けを開始した時から24時間を経過するまでに、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
8 第6項に定めるもののほか、警察署長は、第2項のやむを得ないと認める事情がなくなつたと認めるとき又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要が生じたときは、同項の規定により車両に取り付けた車輪止め装置を取り除くものとする。
9 警察署長は、第2項の規定により取り付けた車輪止め装置を取り除くときは、第5項の規定により当該車両に取り付けた標章を取り除かなければならない。
10 何人も、第2項の規定により車両に取り付けられた車輪止め装置を破損し、第5項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又は警察署長が取り除く場合を除き、これらを取り除いてはならない。
11 第5項の標章の様式その他同項の標章に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第10項については
第117条の5第2号、
第121条第1項第9号)
第51条の2の2 警察署長は、
第51条の規定の施行のため必要があると認めるときは、同条第6項の規定により保管した車両の使用者等その他の関係者又は同条第22項において準用する同条第6項の規定により保管した積載物の所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者その他の関係者に対し、当該車両又は積載物に関し必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
2 警察署長は、
第51条の規定の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
第51条の3 警察署長は、
第51条第5項及び第6項(同条第22項において準用する場合を含む。)の規定による車両(積載物を含む。以下この項において同じ。)の移動及び保管に関する事務(当該車両の移動、返還、売却及び廃棄の決定、同条第16項の規定による命令、滞納処分その他の政令で定めるものを除く。)の全部又は一部を内閣府令で定める法人に委託することができる。
2 前項の規定により警察署長から事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則 第2項については
第117条の4第1号)
第51条の4 警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第40条第3号の車両総重量をいう。)が750キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨及び当該車両に係る違法駐車行為をした者について第4項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。
2 何人も、前項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又はこれを取り除いてはならない。ただし、当該車両の使用者、運転者その他当該車両の管理について責任がある者が取り除く場合は、この限りでない。
3 警察署長は、第1項の規定により車両に標章を取り付けさせたときは、当該車両の駐車に関する状況を公安委員会に報告しなければならない。
4 前項の規定による報告を受けた公安委員会は、当該報告に係る車両を放置車両と認めるときは、当該車両の使用者に対し、放置違反金の納付を命ずることができる。ただし、第1項の規定により当該車両に標章が取り付けられた日の翌日から起算して30日以内に、当該車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第128条第1項の規定による反則金の納付をした場合又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付された場合は、この限りでない。
5 前項本文の規定による命令(以下「納付命令」という。)は、放置違反金の額並びに納付の期限及び場所を記載した文書により行うものとする。
6 公安委員会は、納付命令をしようとするときは、当該車両の使用者に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を書面で通知し、相当の期間を指定して、当該事案について弁明を記載した書面(以下この項及び第9項において「弁明書」という。)及び有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
1.当該納付命令の原因となる事実
2.弁明書の提出先及び提出期限
7 公安委員会は、納付命令を受けるべき者の所在が判明しないときは、前項の規定による通知を、その者の氏名及び同項第2号に掲げる事項並びに公安委員会が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該公安委員会の掲示板に掲示することによつて行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。
8 放置違反金の額は、別表第1に定める金額の範囲内において、政令で定める。
9 第6項の規定による通知を受けた者は、弁明書の提出期限までに、政令で定めるところにより、放置違反金に相当する金額を仮に納付することができる。
10 納付命令は、前項の規定による仮納付をした者については、政令で定めるところにより、公示して行うことができる。
11 第9項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令があつたときは、当該放置違反金に相当する金額の仮納付は、当該納付命令による放置違反金の納付とみなす。
12 公安委員会は、第9項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令をしないこととしたときは、速やかに、その者に対し、理由を明示してその旨を書面で通知し、当該仮納付に係る金額を返還しなければならない。
13 公安委員会は、納付命令を受けた者が納付の期限を経過しても放置違反金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、公安委員会は、放置違反金につき年14.5パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
14 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに放置違反金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条及び第51条の7において「放置違反金等」という。)を納付しないときは、公安委員会は、地方税の滞納処分の例により、放置違反金等を徴収することができる。この場合における放置違反金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
15 納付され、又は徴収された放置違反金等は、当該公安委員会が置かれている都道府県の収入とする。
16 公安委員会は、納付命令をした場合において、当該納付命令の原因となつた車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第128条第1項の規定による反則金の納付をしたとき、又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付されたときは、当該納付命令を取り消さなければならない。
17 公安委員会は、前項の規定により納付命令を取り消したときは、速やかに、理由を明示してその旨を当該納付命令を受けた者に通知しなければならない。この場合において、既に当該納付命令に係る放置違反金等が納付され、又は徴収されているときは、公安委員会は、当該放置違反金等に相当する金額を還付しなければならない。
18 放置違反金等の徴収又は還付に関する書類の送達及び公示送達については、地方税の例による。
(罰則 第2項については第121条第1項第9号)
第51条の5 公安委員会は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、同条第1項の規定により標章を取り付けられた車両の使用者、所有者その他の関係者に対し、当該車両の使用に関し必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
2 公安委員会は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
第51条の6 公安委員会は、納付命令をしたとき、
第51条の4第13項の規定による督促をしたとき、又は同条第16項の規定により納付命令を取り消したときその他当該納付命令の原因となつた車両の使用者について内閣府令で定める事由が生じたときは、その旨、当該使用者の氏名及び住所、当該車両の番号標の番号その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。この場合において、国家公安委員会は、放置車両に関する措置の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
2 国家公安委員会は、前項前段の規定により、督促をした旨の報告を受けたときは、当該報告に係る事項(内閣府令で定めるものに限る。)を国土交通大臣等(国土交通大臣若しくはその権限の委任を受けた地方運輸局長、運輸監理部長若しくは運輸支局長又は軽自動車検査協会(道路運送車両法第5章の2の規定により設立された軽自動車検査協会をいう。)をいう。次条において同じ。)に通知するものとする。当該督促に係る納付命令を取り消した旨の報告を受けたときも、同様とする。
第51条の7 自動車検査証の返付(道路運送車両法
第62条第2項(同法
第67条第4項において準用する場合を含む。)の規定による自動車検査証の返付をいう。以下この条において同じ。)を受けようとする者は、その自動車(同法
第58条第1項に規定する自動車をいう。)が最後に同法
第60条第1項若しくは
第71条第4項の規定による自動車検査証の交付又は自動車検査証の返付を受けた後に
第51条の4第13項の規定による督促(当該自動車が原因となつた納付命令(同条第16項の規定により取り消されたものを除く。)に係るものに限る。)を受けたことがあるときは、国土交通大臣等に対して、当該督促に係る放置違反金等を納付したこと又はこれを徴収されたことを証する書面を提示しなければならない。
2 国土交通大臣等は、前項の規定により同項の書面を提示しなければならないこととされる者(前条第2項前段の通知に係る者に限る。)による当該書面の提示がないときは、自動車検査証の返付をしないものとする。
第51条の8 警察署長は、
第51条の4第1項に規定する放置車両の確認及び標章の取付け(以下「放置車両の確認等」という。)に関する事務(以下「確認事務」という。)の全部又は一部を、公安委員会の登録を受けた法人に委託することができる。
2 前項の登録(以下この条から
第51条の11までにおいて「登録」という。)は、委託を受けて確認事務を行おうとする法人の申請により行う。
3 次の各号のいずれかに該当する法人は、登録を受けることができない。
1.
第51条の10の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない法人
2.役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、又は
第119条の2第1項第3号の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
ハ 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)
第12条若しくは
第12条の6の規定による命令又は同法
第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して2年を経過しないもの
ホ アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
ヘ 心身の障害により確認事務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
4 公安委員会は、第2項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
1.車両、携帯電話用装置その他の携帯用の無線通話装置、地図、写真機及び電子計算機を用いて確認事務を行うものであること。
2.
第51条の12第3項の駐車監視員が放置車両の確認等を行うものであること。
3.当該公安委員会が置かれている都道府県の区域内に事務所を有するものであること。
5 登録は、登録簿に登録を受ける法人の名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地、登録の年月日及び登録番号を記載してするものとする。
6 登録は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
7 第2項から第5項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
第51条の9 公安委員会は、登録を受けた法人が前条第4項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その法人に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第51条の10 公安委員会は、登録を受けた法人が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
2.前条の規定による命令に違反したとき。
3.次条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
5.偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
第51条の11 公安委員会は、
第51条の8から前条までの規定の施行に必要な限度において、登録を受けた法人に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせ、又は警察職員に、登録を受けた法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第51条の12 警察署長は、
第51条の8第1項の規定により確認事務を委託したときは、その受託者(以下「放置車両確認機関」という。)の名称及び主たる事務所の所在地その他政令で定める事項を公示しなければならない。
2 放置車両確認機関は、公正に、かつ、
第51条の8第4項第1号及び第2号に掲げる要件に適合する方法により確認事務を行わなければならない。
3 放置車両確認機関は、次条第1項の駐車監視員資格者証の交付を受けている者のうちから選任した駐車監視員以外の者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
4 放置車両確認機関は、駐車監視員に制服を着用させ、又はその他の方法によりその者が駐車監視員であることを表示させ、かつ、国家公安委員会規則でその制式を定める記章を着用させなければ、その者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
5 駐車監視員は、放置車両の確認等を行うときは、次条第1項の駐車監視員資格者証を携帯し、警察官等から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
6 放置車両確認機関の役員若しくは職員(駐車監視員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、確認事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
7 確認事務に従事する放置車両確認機関の役員又は職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
8 第51条の8第1項の規定により確認事務を委託した場合における
第51条の4第1項の規定の適用については、同項中「警察官等」とあるのは、「警察官等又は第51条の12第1項の放置車両確認機関」とする。
(罰則 第6項については第117条の4第1号)
第51条の13 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、駐車監視員資格者証を交付する。
1.次のいずれかに該当する者
イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者
ロ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関しイに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
2.次のいずれにも該当しない者
イ 18歳未満の者
ロ
第51条の8第3項第2号イからヘまでのいずれかに該当する者
ハ 次項第2号又は第3号に該当して同項の規定により駐車監視員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して2年を経過しない者
2 公安委員会は、駐車監視員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に係る駐車監視員資格者証の返納を命ずることができる。
1.
第51条の8第3項第2号イからヘまでのいずれかに該当するに至つたとき。
2.偽りその他不正の手段により駐車監視員資格者証の交付を受けたとき。
3.前条第5項の規定に違反し、又は放置車両の確認等に関し不正な行為をし、その情状が駐車監視員として不適当であると認められるとき。
第51条の14 第51条の8から前条までに定めるもののほか、確認事務の委託の手続及び駐車監視員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第51条の15 公安委員会は、
第51条の4に規定する放置違反金に関する事務(確認事務、納付命令、督促及び滞納処分を除く。)の全部又は一部を会社その他の法人に委託することができる。
2 前項の規定により公安委員会から事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則 第2項については第117条の4第1号)
第52条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び
第63条の9第2項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
(罰則 第1項については
第120条第1項第5号、同条第2項第2項については
第120条第1項第8号、同条第2項)
第53条 車両(自転車以外の軽車両を除く。第3項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
2 前項の合図を行なう時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
3 車両の運転者は、第1項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、同項に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。
(罰則 第1項及び第3項については
第120条第1項第8号、同条第2項)
第54条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
1.左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
2.山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
(罰則 第1項については
第120条第1項第8号、同条第2項 第2項については
第121条第1項第6号)
第55条 車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。ただし、もつぱら貨物を運搬する構造の自動車(以下次条及び
第57条において「貨物自動車」という。)で貨物を積載しているものにあつては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。
2 車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
3 車両に乗車する者は、当該車両の運転者が前2項の規定に違反することとなるような方法で乗車をしてはならない。(罰則 第1項及び第2項については
第120条第1項第10号、
第123条第3項については
第121条第1項第6号)
第56条 車両の運転者は、当該車両の出発地を管轄する警察署長(以下
第58条までにおいて「出発地警察署長」という。)か当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載の場所を指定して許可をしたときは、前条第1項の規定にかかわらず、当該車両の乗車又は積載のために設備された場所以外の場所で指定された場所に積載して車両を運転することができる。
2 貨物自動車の運転者は、出発地警察署長か道路又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限つて許可をしたときは、前条第1項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。
第57条 車両(軽車両を除く。以下この項及び
第58条の2から
第58条の5までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。ただし、
第55条第1項ただし書の規定により、又は前条第2項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあつては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
2 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることができる。
3 貨物が分割できないものであるため第1項の政令で定める積載重量等の制限又は前項の規定に基づき公安委員会が定める積載重量等を超えることとなる場合において、出発地警察署長が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載量等を限つて許可をしたときは、車両の運転者は、第1項又は前項の規定にかかわらず、当該許可に係る積載重量等の範囲内で当該制限を超える積載をして車両を運転することができる。
(罰則 第1項については
第118条第1項第2号、
第119条第1項第3号の2、
第120条第1項第10号の2、
第123条第2項については
第121条第1項第7号、
第123条)
第58条 出発地警察署長は、
第56条又は前条第3項の規定による許可(以下この条において「制限外許可」という。)をしたときは、許可証を交付しなければならない。
2 前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る車両の運転中、当該許可証を携帯していなければならない。
3 制限外許可を与える場合において、必要があると認めるときは、出発地警察署長は、政令で定めるところにより、当該許可に危険を防止するため必要な条件を付することができる。
4 第1項の許可証の様式その他制限外許可の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第3項については
第121条第1項第8号、
第123条)
第58条の2 警察官は、
第57条第1項の積載物の重量の制限を超える積載をしていると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証(道路運送車両法
第60条の自動車検査証をいう。
第63条第1項において同じ。)その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の積載物の重量を測定することができる。
(罰則
第119条第1項第3号の3)
第58条の3 警察官は、過積載(車両に積載をする積載物の重量が
第57条第1項の制限に係る重量(同条第3項の規定による許可に係る積載物については、当該許可に係る重量)を超える場合における当該積載をいう。以下同じ。)をしている車両の運転者に対し、当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
2 警察官は、前項の規定による命令によつては車両に係る積載が過積載とならないようにすることができないと認められる場合において、当該車両に係る過積載の程度及び道路又は交通の状況を勘案して当該車両を警察官が指示した事項を遵守して運転させることに支障がないと認めるときは、当該車両の運転者に対し、
第57条第1項の規定にかかわらず、車両の通行の区間及び経路、道路における危険を防止するためにとるべき必要な措置その他の事項であつて警察官が指示したものを遵守して当該車両を運転し、及び当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な措置をとることを命ずることができる。この場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、通行指示書を交付しなければならない。
3 前項の規定により通行指示書の交付を受けた車両の運転者は、同項の規定による命令に係る運転に当たつては、当該通行指示書を携帯していなければならない。
4 第2項の通行指示書の様式その他同項の通行指示書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第1項及び第2項については
第119条第1項第3号の4)
第58条の4 前条第1項又は第2項の規定による命令がされた場合において、当該命令に係る車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)が当該車両に係る過積載を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ車両の積載物の重量を確認することを運転者に指導し又は助言することその他車両に係る過積載を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
第58条の5 第75条第1項に規定する使用者等以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。
1.車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。
2.車両の運転者に対し、当該車両への積載が過積載となるとの情を知りながら、
第57条第1項の制限に係る重量を超える積載物を当該車両に積載をさせるため売り渡し、又は当該積載物を引き渡すこと。
2 警察署長は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該行為をした者に対し、同項の規定に違反する行為をしてはならない旨を命ずることができる。
(罰則 第2項については
第118条第1項第3号、
第123条)
第59条 自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
2 自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車によつて牽引するときは1台を超える車両を、その他の自動車によつて牽引するときは2台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が2台のときは2台目の車両の後端)までの長さが25メートルを超えることとなるときは、牽引をしてはならない。ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限つて牽引の許可をしたときは、この限りでない。
3 前項ただし書の規定による許可をしたときは、公安委員会は、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定により許可証の交付を受けた自動車の運転者は、当該許可に係る牽引中、当該許可証を携帯していなければならない。
5 第3項の許可証の様式その他第2項ただし書の許可の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第1項及び第2項については
第120条第1項第10号、
第123条)
第60条 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、自動車以外の車両によつてする牽引の制限について定めることができる。
(罰則
第121条第1項第7号、
第123条)
第61条 警察官は、
第58条の3第1項及び第2項の規定による場合のほか、車両等の乗車、積載又は牽引について危険を防止するため特に必要があると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、危険を防止するため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
(罰則
第119条第1項第4号)
第62条 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法
第3章若しくはこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和29年法律第165号)
第114条第2項の規定による防衛大臣の定め。以下同じ。)又は軌道法
第14条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第1項において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。
(罰則
第119条第1項第5号、同条第2項、
第120条第1項第8号の2、同条第2項、
第123条)
第63条 警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の装置について検査をすることができる。
2 前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
3 前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度及び道路又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間及び通行の経路を指定し、その他道路における危険又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
4 警察官は、第2項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章をはりつけなければならない。
5 警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
6 警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、内閣府令・国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
7 第4項の規定により貼りつけられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、内閣府令・国土交通省令で定める手続により、最寄りの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
8 第3項の許可証の様式、第4項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、内閣府令・国土交通省令で定める。
(罰則 第1項については
第119条第1項第6号 第2項については
第119条第1項第7号 第7項については
第121条第1項第9号)
第63条の2 自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、道路運送車両法
第3章又はこれに基づく命令の規定により運行記録計を備えなければならないこととされている自動車で、これらの規定により定められた運行記録計を備えていないか、又は当該運行記録計についての調整がされていないためこれらの規定により定められた事項を記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
2 前項の運行記録計を備えなければならないこととされている自動車の使用者は、運行記録計により記録された当該自動車に係る記録を、内閣府令で定めるところにより1年間保存しなければならない。
(罰則
第121条第1項第9号の2、
第123条)
第63条の3 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する二輪又は三輪の自転車で、他の車両を牽引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
(罰則
第121条第1項第5号)
第63条の4 普通自転車は、次に掲げるときは、第17条第1項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
1.道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
2.当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
3.前2号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
(罰則 第2項については
第121条第1項第5号)
第63条の5 普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、
第19条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。ただし、普通自転車が3台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。
第63条の6 自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
第63条の7 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、
第17条第4項並びに
第34条第1項及び第3項の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
2 普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
第63条の8 警察官等は、
第63条の6若しくは前条第1項の規定に違反して通行している自転車の運転者に対し、これらの規定に定める通行方法により当該自転車を通行させ、又は同条第2項の規定に違反して通行している普通自転車の運転者に対し、当該普通自転車を歩道により通行させるべきことを指示することができる。
(罰則
第121条第1項第4号)
第63条の9 自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
2 自転車の運転者は、夜間(
第52条第1項後段の場合を含む。)、内閣府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。ただし、
第52条第1項前段の規定により尾灯をつけている場合は、この限りでない。
(罰則 第1項については
第120条第1項第8号の2、同条第2項)
第63条の10 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第1項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
4 何人も、車両(トロリーバス及び道路運送法第2条第3項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第117条の2の2第4号及び第117条の3の2第2号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第1項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
第66条 何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
第66条の2 車両の運転者が前条の規定に違反して過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車両を運転する行為(以下この条及び
第75条の2第1項において「過労運転」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該過労運転に係る車両の使用者が当該車両につき過労運転を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、過労運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他過労運転を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
2 第22条の2第2項の規定は、前項の規定による指示について準用する。
第67条 警察官は、車両等の運転者が
第64条、
第65条第1項、
第66条、
第71条の4第3項から第6項まで又は
第85条第5項若しくは第6項の規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、
第92条第1項の運転免許証又は
第107条の2の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
2 前項に定めるもののほか、警察官は、車両等の運転者が車両等の運転に関しこの法律(
第64条、
第65条第1項、
第66条、
第71条の4第3項から第6項まで並びに
第85条第5項及び第6項を除く。)若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反し、又は車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)を起こした場合において、当該車両等の運転者に引き続き当該車両等を運転させることができるかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該車両等の運転者に対し、
第92条第1項の運転免許証又は
第107条の2の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
3 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が
第65条第1項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
4 前3項の場合において、当該車両等の運転者が
第64条、
第65条第1項、
第66条、
第71条の4第3項から第6項まで又は
第85条第5項若しくは第6項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあるときは、警察官は、その者が正常な運転ができる状態になるまで車両等の運転をしてはならない旨を指示する等道路における交通の危険を防止するため必要な応急の措置をとることができる。
第68条 2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
(罰則
第117条の3)
第70条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
(罰則
第119条第1項第9号、同条第2項)
第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1.ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
2.身体障害者用の車いすが通行しているとき、目が見えない者が
第14条第1項の規定に基づく政令で定めるつえを携え、若しくは同項の規定に基づく政令で定める盲導犬を連れて通行しているとき、耳が聞こえない者若しくは同条第2項の規定に基づく政令で定める程度の身体の障害のある者が同項の規定に基づく政令で定めるつえを携えて通行しているとき、又は監護者が付き添わない児童若しくは幼児が歩行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行又は歩行を妨げないようにすること。
2の2.前号に掲げるもののほか、高齢の歩行者、身体の障害のある歩行者その他の歩行者でその通行に支障のあるものが通行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行を妨げないようにすること。
2の3.児童、幼児等の乗降のため、政令で定めるところにより停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること。
3.道路の左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合において、当該安全地帯に歩行者がいるときは、徐行すること。
4.乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。
4の2.車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講ずること。
4の3.安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること。
5.車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。
5の2.自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。
5の3.正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと。
5の4.自動車を運転する場合において、
第71条の5第1項から第3項まで若しくは第71条の6第1項若しくは第2項に規定する者又は
第84条第2項に規定する仮運転免許を受けた者が表示自動車(
第71条の5第1項から第3項まで、第71条の6第1項若しくは第2項又は
第87条第3項に規定する標識を付けた普通自動車をいう。以下この号において同じ。)を運転しているときは、危険防止のためやむを得ない場合を除き、進行している当該表示自動車の側方に幅寄せをし、又は当該自動車が進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる表示自動車が当該自動車との間に
第26条に規定する必要な距離を保つことができないこととなるときは進路を変更しないこと。
5の5.自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第120条第1項第11号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第120条第1項第11号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法
第41条第16号若しくは第17号又は
第44条第11号に規定する装置であるものを除く。)に表示された画像を注視しないこと。
6.前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項
(罰則 第1号、第4号から第5号まで、第5号の3、第5号の4及び第6号については
第120条第1項第9号 第2号、第2号の3及び第3号については
第119条第1項第9号の2 第5号の5については同項第9号の3、第120条第1項第11号)
第71条の2 自動車又は原動機付自転車(これらのうち内閣府令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法
第41条第11号又は
第44条第8号に規定する消音器を備えていない自動車又は原動機付自転車(当該消音器を切断したものその他の消音器の機能に著しい支障を及ぼす改造等で内閣府令で定めるものを加えた当該消音器を備えている自動車又は原動機付自転車を含む。)を運転してはならない。
(罰則
第120条第1項第9号)
第71条の3 自動車(大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第3章及びこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルト(以下「座席ベルト」という。)を装着しないで自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため座席ベルトを装着することが療養上適当でない者が自動車を運転するとき、緊急自動車の運転者が当該緊急自動車を運転するとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
2 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る。以下この項において同じ。)に乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く。以下この項において同じ。)を当該乗車装置に乗車させるとき、疾病のため座席ベルトを装着させることが療養上適当でない者を当該乗車装置に乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
3 自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第3章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
第71条の4 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。
2 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。
3 第84条第3項の大型自動二輪車免許を受けた者で、20歳に満たないもの又は当該大型自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年に達しないもの(同項の普通自動二輪車免許を現に受けており、かつ、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年以上である者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)又は普通自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)を運転してはならない。
4 第84条第3項の普通自動二輪車免許を受けた者(同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く。)で、20歳に満たないもの又は当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年に達しないもの(当該免許を受けた日前6月以内に普通自動二輪車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならない。
5 第84条第3項の大型自動二輪車免許を受けた者で、当該大型自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年に達しないもの(同項の普通自動二輪車免許を現に受けており、かつ、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年以上である者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転してはならない。
6 第84条第3項の普通自動二輪車免許を受けた者(同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く。)で、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年に達しないもの(当該免許を受けた日前6月以内に普通自動二輪車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならない。
7 第1項及び第2項の乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。
(罰則 第3項から第6項までについては第119条の3第1項第6号)
第71条の5 第84条第3項の普通自動車免許を受けた者で、当該普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年に達しないもの(当該免許を受けた日前6月以内に普通自動車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
(罰則 第1項及び第2項については
第121条第1項第9号の3、同条第2項)
2 第85条第1項若しくは第2項又は
第86条第1項若しくは第2項の規定により普通自動車を運転することができる免許(以下この条及び次条において「普通自動車対応免許」という。)を受けた者で75歳以上のものは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
3 普通自動車対応免許を受けた者で70歳以上75歳未満のものは、加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
第71条の6 普通自動車対応免許を受けた者で政令で定める程度の聴覚障害のあることを理由に当該普通自動車対応免許に条件を付されているものは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。
2 普通自動車対応免許を受けた者で肢体不自由であることを理由に当該普通自動車対応免許に条件を付されているものは、当該肢体不自由が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
(罰則 第1項については
第121条第1項第9号の3、同条第2項)
第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官か現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
2 前項後段の規定により報告を受けたもよりの警察署の警察官は、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止するため必要があると認めるときは、当該報告をした運転者に対し、警察官が現場に到着するまで現場を去つてはならない旨を命ずることができる。
3 前2項の場合において、現場にある警察官は、当該車両等の運転者等に対し、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な指示をすることができる。
4 緊急自動車若しくは傷病者を運搬中の車両又は乗合自動車、トロリーバス若しくは路面電車で当該業務に従事中のものの運転者は、当該業務のため引き続き当該車両等を運転する必要があるときは、第1項の規定にかかわらず、その他の乗務員に第1項前段に規定する措置を講じさせ、又は同項後段に規定する報告をさせて、当該車両等の運転を継続することができる。
(罰則 第1項前段については
第117条第1項、同条第2項、
第117条の5第1号 第1項後段については
第119条第1項第10号 第2項については
第120条第1項第11号の2)
第72条の2 前条第3項の場合において、当該車両等の運転者等が負傷その他の理由により直ちに同項の規定による指示に従うことが困難であると認められるときは、現場にある警察官は、道路における交通の危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該交通事故において損壊した物及び当該交通事故に係る車両等の積載物(以下この条において「損壊物等」という。)の移動その他応急の措置をとることができる。
2 前項の規定による措置をとつた場合において、当該損壊物等を移動したときは、警察官は、当該損壊物等を当該損壊物等の在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。この場合において、警察署長は、当該損壊物等を保管しなければならない。
3 第51条第7項及び第9項から第21項まで並びに第51条の2の2の規定は、前2項の規定による措置に係る損壊物等について準用する。この場合において、第51条第7項中「使用者」とあるのは「所有者、占有者その他当該損壊物等について権原を有する者(以下この条及び第51条の2の2において「所有者等」という。)」と、同条第9項中「前項」とあるのは「第72条の2第3項において読み替えて準用する第7項」と、「知ることができない」とあるのは「知ることができず、かつ、当該損壊物等の所有者以外の者に当該損壊物等を返還することが困難であると認められる」と、同条第11項中「第7項から前項まで」とあるのは「第72条の2第3項において読み替えて準用する第7項及び前2項」と、同条第12項中「第8項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第72条の2第3項において読み替えて準用する第7項の規定による当該損壊物等の所有者に対する告知の日若しくは」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、同条第15項中「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第51条の2の2までにおいて「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と、同条第16項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と、同条第20項中「第8項の規定による」とあるのは「第72条の2第3項において読み替えて準用する第7項の規定による当該損壊物等の所有者に対する」と、第51条の2の2第1項中「同条第6項の規定により保管した車両の使用者等その他の関係者又は同条第22項において準用する同条第6項の規定により保管した積載物の所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者」とあるのは「第72条の2第2項後段の規定により保管した損壊物等の所有者等」と読み替えるものとする。
第73条 交通事故があつた場合において、当該交通事故に係る車両等の運転者等以外の者で当該車両等に乗車しているものがあるときは、その者は、当該車両等の運転者等が
第72条第1項前段に規定する措置を講じ、又は同項後段に規定する報告をするのを妨げてはならない。
(罰則
第120条第1項第9号)
第74条 車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者及び安全運転管理者、副安全運転管理者その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。
2 車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両を運転するに当たつて車両の速度、駐車及び積載並びに運転者の心身の状態に関しこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。
3 消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車の使用者(第74条の3第1項の規定により安全運転管理者を選任したものを除く。)は、当該自動車の運転者に対し、当該自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。
第74条の2 車両の使用者は、当該車両を適正に駐車する場所を確保することその他駐車に関しての車両の適正な使用のために必要な措置を講じなければならない。
第74条の3 自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)及び貨物利用運送事業法の規定による第2種貨物利用運送事業を経営する者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。
2 安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く。
第75条の2の2第1項において同じ。)で内閣府令で定めるものを行わなければならない。
3 前項の交通安全教育は、
第108条の28第1項の交通安全教育指針に従つて行わなければならない。
4 自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、内閣府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに、年齢、自動車の運転の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、内閣府令で定めるところにより、副安全運転管理者を選任しなければならない。
5 自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から15日以内に、内閣府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
6 公安委員会は、安全運転管理者等が第1項若しくは第4項の内閣府令で定める要件を備えないこととなつたとき、又は安全運転管理者が第2項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、当該安全運転管理者等の解任を命ずることができる。
7 自動車の使用者は、安全運転管理者に対し、第2項の業務を行うため必要な権限を与えなければならない。
8 自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者等について
第108条の2第1項第1号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。
(罰則 第1項、第4項及び第6項については
第120条第1項第11号の3、
第123条 第5項については
第121条第1項第9号の2、
第123条)
第75条 自動車(重被牽引車を含む。以下この条、次条第1項及び
第75条の2の2第2項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
1.
第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(
第107条の2の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(
第90条第5項、
第103条第1項若しくは第4項、
第103条の2第1項、
第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する
第103条第4項の規定により当該運転免許の効力か停止されている者を含む。)が運転すること。
2.
第22条第1項の規定に違反して自動車を運転すること。
3.
第65条第1項の規定に違反して自動車を運転すること。
4.
第66条の規定に違反して自動車を運転すること。
5.
第85条第5項の規定に違反して大型自動車若しくは中型自動車を運転し、同条第6項の規定に違反して中型自動車を運転し、同条第7項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第8項の規定に違反して大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第9項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。
6.
第57条第1項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。
7.自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第44条、第45条第1項若しくは第2項、第47条第2項若しくは第3項、第48条、第49条の3第3項、第49条の4若しくは第75条の8第1項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)
2 自動車の使用者等が前項の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が同項各号のいずれかに掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該自動車の使用者に対し、6月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
3 公安委員会は、前項の規定による命令をしようとする場合において、当該命令に係る自動車の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者又は貨物利用運送事業法の規定による第2種貨物利用運送事業を経営する者であるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。
4 公安委員会は、第2項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成5年法律第88号)
第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
5 公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の1週間前までに、行政手続法
第15条第1項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
6 前項の通知を行政手続法
第15条第3項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第1項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、2週間を下回つてはならない。
7 第4項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
8 第4項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事実の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
9 公安委員会は、第2項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号その他の内閣府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標章をはり付けるものとする。
10 前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。
11 何人も、第9項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。
(罰則 第1項第1号については
第117条の4第3号、
第123条
第1項第2号及び第5号については
第118条第1項第4号、
第123条
第1項第3号については第117条の2第4号、第117条の2の2第6号、
第123条
第1項第4号については第117条の2第5号、第117条の2の2第7号、
第123条
第1項第6号については
第118条第1項第5号、
第119条第1項第11号、
第123条
第1項第7号については第119条の2第1項第3号、
第123条
第2項については
第119条第1項第12号、
第123条
第11項については
第121条第1項第9号)
第75条の2 公安委員会が自動車の使用者に対し次の表の上欄に掲げる指示をした場合において、当該使用者に係る当該自動車につきその指示を受けた後1年以内にその指示の区分ごとに同表の下欄に掲げる違反行為が行われ、かつ、当該使用者が当該自動車を使用することについて著しく交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、3月を超えない範囲内で期間を定めて、当該自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
第66条の2第1項の規定による指示 | 第58条の4の規定による指示 | 第22条の2第1項の規定による指示 | 自動車の使用者に対する指示 |
過労運転 | 過積載をして自動車を運転する行為 | 最高速度違反行為 | 違反行為 |
2 公安委員会が
第51条の4第1項の規定により標章が取り付けられた車両の使用者に対し納付命令をした場合において、当該使用者が当該標章が取り付けられた日前6月以内に当該車両が原因となつた納付命令(同条第16項の規定により取り消されたものを除く。)を受けたことがあり、かつ、当該使用者が当該車両を使用することについて著しく交通の危険を生じさせ又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、3月を超えない範囲内で期間を定めて、当該車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
3 前2条第3項から第11項までの規定は、前項の規定による命令について準用する。
(罰則 第1項及び第2項については
第119条第1項第12号、
第123条
第3項については
第121条第1項第9号)
第75条の2の2 公安委員会は、安全運転管理者が選任されている自動車の使用の本拠について、自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務の推進を図るため必要があると認めるときは、当該安全運転管理者を選任している自動車の使用者又は当該安全運転管理者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
2 公安委員会は、速度、駐車若しくは積載又は運転者の心身の状態に関しての自動車の適正な使用の推進を図るため必要があると認めるときは、自動車の使用者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
第75条の2の3 高速自動車国道及び自動車専用道路における自動車の交通方法等については、前4章に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
第75条の3 警察官は、道路の損壊、交通事故の発生その他の事情により高速自動車国道又は自動車専用道路(以下「高速自動車国道等」という。)において交通の危険が生じ、又は交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るためやむを得ないと認めるときは、必要な限度において、その現場に進行してくる自動車の通行を禁止し、若しくは制限し、又はその現場にある自動車の運転者に対し、
第17条第1項及び道路法
第47条第4項の規定に基づく政令の規定にかかわらず路肩又は路側帯を通行すべきことを命じ、若しくは
第8条第1項、第3章第1節、同章第6節若しくはこの章に規定する自動車の通行方法と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。
(罰則
第119条第1項第12号の2)
第75条の4 自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。
(罰則
第120条第1項第12号)
第75条の5 自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない。
(罰則
第119条第1項第2号の2)
第75条の6 自動車(緊急自動車を除く。)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。ただし、当該交差点において、交通整理が行なわれているときは、この限りでない。
2 緊急自動車以外の自動車は、緊急自動車が本線車道に入ろうとしている場合又はその通行している本線車道から出ようとしている場合においては、当該緊急自動車の通行を妨げてはならない。
(罰則
第120条第1項第2号)
第75条の7 自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない。
2 自動車は、その通行している本線車道から出ようとする場合においては、あらかじめその前から出口に接続する車両通行帯を通行しなければならない。この場合において、減速車線が設けられているときは、その減速車線を通行しなければならない。
(罰則
第121条第1項第5号)
第75条の8 自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
1.駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
2.故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
3.乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
4.料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
2 第50条の2、第51条及び第51条の2の2の規定は、自動車が前項の規定に違反して停車し、又は駐車していると認められる場合について準用する。この場合において、第51条第3項中「当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない道路上の場所」とあるのは「政令で定める場所」と、同条第4項中「当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないとき」とあるのは「前項の政令で定める場所に当該車両を移動することができないとき」と、同条第5項中「駐車場、空地、第3項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所」とあるのは「第3項に規定する場所以外の場所」と読み替えるものとする。
3 高速自動車国道等において第1項の規定に違反して駐車していると認められる自動車であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるものは、
第51条の4第1項に規定する放置車両とみなして、同条の規定を適用する。
(罰則 第1項については第119条の2第1項第2号、第119条の3第1項第4号 第2項については
第119条第1項第3号)
第75条の8の2 牽引するための構造及び装置を有する大型自動車、中型自動車、普通自動車又は大型特殊自動車(以下「牽引自動車」という。)で重被牽引車を牽引しているものが車両通行帯の設けられた自動車専用道路(次項に規定するものに限る。)又は高速自動車国道の本線車道を通行する場合における当該牽引自動車の通行の区分については、
第20条の規定は、適用しない。この場合においては、次項から第4項までの規定に定めるところによる。
2 前項の牽引自動車は、車両通行帯の設けられた自動車専用道路(道路標識等により指定された区間に限る。)の本線車道においては、当該本線車道の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。
3 第1項の牽引自動車は、車両通行帯の設けられた高速自動車国道の本線車道においては、当該本線車道の左側端から数えて一番目の車両通行帯(道路標識等により通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に係る車両通行帯)を通行しなければならない。
4 第1項の牽引自動車は、
第23条若しくは
第75条の4の規定による自動車の最低速度に達しない速度で進行している自動車を追い越すとき、
第26条の2第3項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、
第40条第2項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前2項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。
(罰則 第2項から第4項までについては
第120条第1項第3号、同条第2項)
第75条の9 緊急自動車又は
第41条第3項の内閣府令で定める専ら交通の取締りに従事する自動車については、
第75条の5、
第75条の7及び前条の規定は、適用しない。
2 政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車については、
第75条の4、
第75条の5及び前条の規定は、適用しない。
第75条の10 自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。
(罰則
第119条第1項第12号の3、同条第2項)
第75条の11 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
2 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道等において運転することができなくなつたときは、速やかに当該自動車を本線車道等以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
(罰則 第1項については
第120条第1項第12号の2)
第76条 何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
1.道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
2.道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
3.交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
4.石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
5.前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
6.道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
7.前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
第77条 次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する2以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない。
1.道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
2.道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
3.場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
4.前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーションをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者
2 前項の許可の申請があつた場合において、当該申請に係る行為が次の各号のいずれかに該当するときは、所轄警察署長は、許可をしなければならない。
1.当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。
2.当該申請に係る行為が許可に付された条件に従つて行なわれることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。
3.当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき。
3 第1項の規定による許可をする場合において、必要があると認めるときは、所轄警察署長は、当該許可に係る行為が前項第1号に該当する場合を除き、当該許可に道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な条件を付することができる。
4 所轄警察署長は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、前項の規定により付した条件を変更し、又は新たに条件を付することができる。
5 所轄警察署長は、第1項の規定による許可を受けた者が前2項の規定による条件に違反したとき、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、その許可を取り消し、又はその許可の効力を停止することができる。
6 所轄警察署長は、第3項又は第4項の規定による条件に違反した者について前項の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知して、当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。ただし、交通の危険を防止するため緊急やむを得ないときは、この限りでない。
7 第1項の規定による許可を受けた者は、当該許可の期間が満了したとき、又は第5項の規定により当該許可が取り消されたときは、すみやかに当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなければならない。
(罰則 第1項については
第119条第1項第12号の4、
第123条
第3項及び第4項については
第119条第1項第13号、
第123条
第7項については
第120条第1項第13号、
第123条)
第78条 前条第1項の規定による許可を受けようとする者は、内閣府令で定める事項を記載した申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。
2 前条第1項の規定による許可に係る行為が道路法
第32条第1項又は第3項の規定の適用を受けるものであるときは、前項の規定による申請書の提出は、当該道路の管理者を経由して行なうことができる。この場合において、道路の管理者は、すみやかに当該申請書を所轄警察署長に送付しなければならない。
3 所轄警察署長は、前条第1項の規定による許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証の記載事項に変更を生じたときは、所轄警察署長に届け出て、許可証に変更に係る事項の記載を受けなければならない。
5 第3項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、所轄警察署長に許可証の再交付を申請することができる。
6 第1項の申請書の様式、第3項の許可証の様式その他前条第1項の許可の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第4項については
第121条第1項第9号)
第79条 所轄警察署長は、
第77条第1項の規定による許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が道路法
第32条第1項又は第3項の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ、当該道路の管理者に協議しなければならない。
第80条 道路法による道路の管理者が道路の維持、修繕その他の管理のため工事又は作業を行なおうとするときは、当該道路の管理者は、
第77条第1項の規定にかかわらず、所轄警察署長に協議すれば足りる。
2 前項の協議について必要な事項は、内閣府令・国土交通省令で定める。
第81条 警察署長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、当該違反行為に係る工作物又は物件(以下この節において「工作物等」という。)の除去、移転又は改修、当該違反行為に係る工事又は作業(以下この節において「工事等」という。)の中止その他当該違反行為に係る工作物等又は工事等について、道路における危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な措置をとることを命ずることができる。
1.
第76条第1項又は第2項の規定に違反して工作物等を設置した者
3.
第77条第1項の規定に違反して工作物等を改置し、又は工事等を行なつた者
4.
第77条第3項又は第4項の規定による所轄警察署長が付した条件に違反した者
5.
第77条第7項の規定に違反して当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなかつた者
2 警察署長は、前項第1号、第2号又は第3号に掲げる者の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、自ら当該措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3 警察署長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条及び
第82条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより政令で定める事項を公示し、その他政令で定める必要な措置を講じなければならない。
4 警察署長は、第2項の規定により保管した工作物等か滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して3月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。
5 警察署長は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。
6 第4項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
7 第2項から第4項までに規定する工作物等の除去、移転、改修、保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とする。
8 警察署長は、前項の規定により占有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。
9 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年14.5パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
10 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
11 納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
12 第3項に規定する公示の日から起算して6月を経過してもなお第2項の規定により保管した工作物等(第4項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
(罰則 第1項については
第119条第1項第14号、
第123条)
第81条の2 警察署長は、道路に転落し、又は飛散した車両等の積載物(以下この条及び
第83条において「転落積載物等」という。)が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあるときは、当該転落積載物等の占有者、所有者その他当該転落積載物等について権原を有する者(次項において「転落積載物等の占有者等」という。)に対し、当該転落積載物等の除去その他当該転落積載物等について道路における危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 前項の場合において、当該転落積載物等の占有者等の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、同項の規定による措置を採ることを命ずることができないときは、警察署長は、自ら当該措置を採ることができる。この場合において、転落積載物等を除去したときは、警察署長は、当該転落積載物等を保管しなければならない。
3 前条第3項から第12項までの規定は、前項の規定による措置に係る転落積載物等について準用する。
(罰則 第1項については
第119条第1項第14号、
第123条)
第82条 警察署長は、沿道の土地に設置されている工作物等が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあるときは、当該工作物等の占有者等に対し、当該工作物等の除去その他当該工作物等について道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 前項の場合において、当該工作物等の占有者等の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、警察署長は、自ら当該措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3 第81条第3項から第12項までの規定は、前項後段の規定による保管について準用する。
(罰則 第1項については
第119条第1項第14号、
第123条)
第83条 警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要すると認めるときは、道路における交通の危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な限度において、当該工作物等又は転落積載物等の除去、移転その他応急の措置を採ることができる。
2 前項に規定する措置を採つた場合において、工作物等又は転落積載物等を除去したときは、警察官は、当該工作物等又は転落積載物等を、当該工作物等が設置されていた場所又は当該転落積載物等が在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。この場合において、警察署長は、当該工作物等又は転落積載物等を保管しなければならない。
3 第81条第3項から第12項までの規定は、前項の規定による保管について準用する。
第84条 自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。
2 免許は、第1種運転免許(以下「第1種免許」という。)、第2種運転免許(以下「第2種免許」という。)及び仮運転免許(以下「仮免許」という。)に区分する。
3 第1種免許を分けて、大型自動車免許(以下「大型免許」という。)、中型自動車免許(以下「中型免許」という。)、普通自動車免許(以下「普通免許」という。)、大型特殊自動車免許(以下「大型特殊免許」という。)、大型自動二輪車免許(以下「大型二輪免許」という。)、普通自動二輪車免許(以下「普通二輪免許」という。)、小型特殊自動車免許(以下「小型特殊免許」という。)、原動機付自転車免許(以下「原付免許」という。)及び牽引免許の9種類とする。
4 第2種免許を分けて、大型自動車第2種免許(以下「大型第2種免許」という。)、中型自動車第2種免許(以下「中型第2種免許」という。)、普通自動車第2種免許(以下「普通第2種免許」という。)、大型特殊自動車第2種免許(以下「大型特殊第2種免許」という。)及び牽引第2種免許の5種類とする。
5 仮免許を分けて、大型自動車仮免許(以下「大型仮免許」という。)、中型自動車仮免許(以下「中型仮免許」という。)及び普通自動車仮免許(以下「普通仮免許」という。)の3種類とする。
第85条 次の表の上欄に掲げる自動車等を運転しようとする者は、当該自動車等の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第1種免許を受けなければならない。
自動車等の種類 | 第1種免許 |
大型自動車 | 大型免許 |
中型自動車 | 中型免許 |
大型特殊自動車 | 大型特殊免許 |
大型自動二輪車 | 大型二輪免許 |
普通自動二輪車 | 普通二輪免許 |
小型特殊自動車 | 小型特殊免許 |
原動機付自転車 | 原付免許 |
2 前項の表の下欄に掲げる第1種免許を受けた者は、同表の区分に従い当該自動車等を運転することができるほか、次の表の上欄に掲げる免許の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の自動車等を運転することができる。
第1種免許の種類 | 運転することができる自動車等の種類 |
大型免許 | 中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
中型免許 | 普通自動車、小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
普通免許 | 小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
大型特殊免許 | 小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
大型二輪免許 | 普通自動二輪車、小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
普通二輪免許 | 小型特殊自動車及び原動機付自転車 |
3 牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引免許を受けなければならない。
4 牽引免許を受けた者で、大型免許、中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第2種免許、中型第2種免許、普通第2種免許又は大型特殊第2種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる。
5 大型免許を受けた者で、21歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年に達しないものは、第2項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動車又は中型自動車を運転することはできない。
6 中型免許を受けた者(大型免許を現に受けている者を除く。)で、21歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年に達しないものは、第2項の規定にかかわらず、政令で定める中型自動車を運転することはできない。
7 普通免許を受けた者で、大型免許、中型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して2年に達しないものは、第2項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動車を運転することはできない。
8 大型二輪免許を受けた者で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)か通算して2年に達しないものは、第2項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動二輪車又は普通自動二輪を運転することはできない。
9 普通二輪免許を受けた者(大型二輪免許を現に受けている者を除く。)で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して2年に達しないものは、第2項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動二輪車を運転することはできない。
10 第1種免許を受けた者は、第2項の規定により運転することができる自動車又は第4項の規定により牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる場合における当該重被牽引車が旅客自動車運送事業の用に供される自動車(以下「旅客自動車」という。)又は旅客自動車運送事業の用に供される重被牽引車(以下「旅客用車両」という。)であるときは、第2項及び第4項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、当該旅客自動車を運転し、又は牽引自動車によつて当該旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転することはできない。
11 大型免許、中型免許又は普通免許を受けた者は、第2項の規定にかかわらず、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成13年法律第57号)
第2条第6項に規定する代行運転自動車(普通自動車に限る。以下「代行運転普通自動車」という。)を運転することはできない。
(罰則 第5項から第9項までについては
第118条第1項第7号)
第86条 次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第2種免許を受けなければならない。
自動車の種類 | 第2種免許の種類 |
大型自動車 | 大型第2種免許 |
中型自動車 | 中型第2種免許 |
普通自動車 | 普通第2種免許 |
大型特殊自動車 | 大型特殊第2種免許 |
2 前項の表の下欄に掲げる第2種免許を受けた者は、同表の区分に従い当該自動車を当該目的で運転することができるほか、当該第2種免許に対応する第1種免許を受けた者が前条第2項の規定により運転することができる自動車等を運転すること(大型第2種免許を受けた者にあつては旅客自動車である中型自動車又は普通自動車を、中型第2種免許を受けた者にあつては旅客自動車である普通自動車を当該目的で運転することを含む。)ができる。
3 牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引第2種免許を受けなければならない。
4 牽引第2種免許を受けた者で、大型免許、中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第2種免許、中型第2種免許、普通第2種免許又は大型特殊第2種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転することができるほか、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して牽引自動車を運転することができる。
5 代行運転普通自動車を運転しようとする者は、普通第2種免許を受けなければならない。
6 大型第2種免許又は中型第2種免許を受けた者は、第2項に規定するもののほか、代行運転普通自動車を運転することができる。
第87条 大型自動車、中型自動車又は普通自動車を当該自動車を運転することができる第1種免許又は第2種免許を受けないで練習のため又は
第97条第1項第2号に掲げる事項について行う運転免許試験若しくは
第99条第1項に規定する指定自動車教習所における自動車の運転に関する技能についての技能検定(次項において「試験等」という。)において運転しようとする者は、その運転しようとする自動車が大型自動車であるときは大型仮免許を、中型自動車であるときは中型仮免許を、普通自動車であるときは普通仮免許を受けなければならない。
2 大型仮免許、中型自動車又は普通自動車を、中型仮免許を受けた者は中型自動車を受けた者は大型自動車又は普通自動車を、普通仮免許を受けた者は普通自動車を、練習のため又は試験等において運転することができる。この場合において、仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、その運転者席の横の乗車装置に、当該自動車を運転することができる第1種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)で当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年以上のもの、当該自動車を運転することができる第2種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)その他政令で定める者を同乗させ、かつ、その指導の下に、当該自動車を運転しなければならない。
3 仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、内閣府令で定めるところにより当該自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて当該自動車を運転しなければならない。
4 仮免許を受けた者は、第2項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で旅客自動車を運転することはできない。
5 仮免許を受けた者は、第2項の規定にかかわらず、代行運転普通自動車を運転することはできない。
6 仮免許の有効期間は、当該仮免許に係る
第97条第1項第1号に掲げる事項について行う運転免許試験(
第90条及び
第92条の2において「適性試験」という。)を受けた日から起算して6月とする。ただし、当該期間が満了するまでの間に、大型仮免許を受けた者が大型免許若しくは大型第2種免許を受け、中型仮免許を受けた者が大型自動車若しくは中型自動車を運転することができる第1種免許若しくは第2種免許を受け、又は普通仮免許を受けた者が大型自動車、中型自動車若しくは普通自動車を運転することができる第1種免許若しくは第2種免許を受けたときは、当該仮免許は、その効力を失う。
(罰則 第2項後段については
第118条第1項第8号
第3項については
第120条第1項第14号、同条第2項)
第88条 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第1種免許又は第2種免許を与えない。
1.大型免許にあつては21歳(政令で定める者にあつては、19歳)に、中型免許にあつては20歳(政令で定める者にあつては、19歳)に、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許及び牽引免許にあつては18歳に、普通二輪免許、小型特殊免許及び原付免許にあつては16歳に、それぞれ満たない者
2.
第90条第1項ただし書の規定による免許の拒否(同項第3号又は第7号に該当することを理由とするものを除く。)をされた日から起算して同条第9項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許を保留されている者若しくは同条第2項の規定による免許の拒否をされた日から起算して同条第10項の規定により指定された期間を経過していない者又は同条第5項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第9項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許の効力を停止されている者若しくは同条第6項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第10項の規定により指定された期間を経過していない者
3.第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第1項(第4号を除く。)に係るものに限る。)をされた日から起算して同条第7項の規定により指定された期間(
第103条の2第1項の規定により免許の効力を停止された者が当該事実について免許を取り消された場合にあつては、当該指定された期間から当該免許の効力が停止されていた期間を除いた期間。以下この号において同じ。)を経過していない者若しくは第103条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第4項の規定による免許の取消しにあつては、同条第2項に係るものに限る。)をされた日から起算して同条第8項の規定により指定された期間を経過していない者又は同条第1項若しくは第4項、
第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは同条第3項において準用する第103条第4項の規定により免許の効力が停止されている者
4.
第107条の5第1項若しくは第2項、同条第9項において準用する第103条第4項又は第107条の5第10項において準用する
第103条の2第1項の規定により自動車等の運転を禁止されている者
2 大型仮免許にあつては21歳(政令で定める者にあつては、19歳)に、中型仮免許にあつては20歳(政令で定める者にあつては、19歳)に、普通仮免許にあつては18歳に、それぞれ満たない者に対しては、仮免許を与えない。
3 免許を現に受けている者は、当該免許と同一の種類の免許を重ねて受けることができない。
第89条 免許を受けようとする者は、その者の住所地(仮免許を受けようとする者で現に
第98条第2項の規定による届出をした自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものにあつては、その者の住所地又は当該自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に、内閣府令で定める様式の免許申請書を提出し、かつ、当該公安委員会の行う運転免許試験を受けなければならない。
2 前項の規定により自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会(その者の住所地を管轄する公安委員会を除く。)に仮免許に係る免許申請書を提出し、当該公安委員会の仮免許を受けている者であつて、現に当該自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものは、自動車の運転について必要な技能を有するかどうかについて当該公安委員会が内閣府令で定めるところにより行う検査を受けることができる。この場合において、当該公安委員会は、その者が自動車の運転について必要な技能を有すると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対しその旨を証する書面を交付するものとする。
第90条 公安委員会は、前条第1項の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第1種免許又は第2種免許にあつては1年を、仮免許にあつては3月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第12項までにおいて同じ。)を与えず、又は6月を超えない範囲内において免許を保留することができる。
1.次に掲げる病気にかかつている者
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
1の2.介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第16項に規定する認知症(第103条第1項第1号の2において単に「認知症」という。)である者
2.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
3.第8項の規定による命令に違反した者
4.自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為(次項第1号から第4号までに規定する行為を除く。)をした者
5.自動車等の運転者を唆してこの法律の規定に違反する行為で重大なものとして政令で定めるもの(以下この号において「重大違反」という。)をさせ、又は自動車等の運転者が重大違反をした場合において当該重大違反を助ける行為(以下「重大違反唆し等」という。)をした者
6.道路以外の場所において自動車等をその本来の用い方に従つて用いることにより人を死傷させる行為(以下「道路外致死傷」という。)で次項第5号に規定する行為以外のものをした者
2 前項本文の規定にかかわらず、公安委員会は、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許を与えないことができる。
1.自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをした者
3.自動車等の運転に関し
第117条の2第1号又は第3号の違反行為をした者(前2号のいずれかに該当する者を除く。)
4.自動車等の運転に関し
第117条の違反行為をした者
5.道路外致死傷で故意によるもの又は刑法
第208条の2の罪に当たるものをした者
4 公安委員会は、第1項ただし書の規定により免許を拒否し、若しくは保留しようとするとき又は第2項の規定により免許を拒否しようとするときは、当該運転免許試験に合格した者に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知して、当該事実について弁明及び有利な証拠の届出の機会を与えなければならない。
5 公安委員会は、免許を与えた後において、当該免許を受けた者が当該免許を受ける前に第1項第4号から第6号までのいずれかに該当していたことが判明したときは、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
6 公安委員会は、免許を与えた後において、当該免許を受けた者が当該免許を受ける前に第2項各号のいずれかに該当していたことが判明したときは、その者の免許を取り消すことができる。
7 第3項の規定は第5項の規定による処分について、第4項の規定は前2項の規定による処分について、それぞれ準用する。この場合において、第3項中「第1項ただし書」とあるのは「第5項」と、「同項第4号」とあるのは「第1項第4号」と、第4項中「第1項ただし書」とあるのは「次項」と、「第2項」とあるのは「第6項」と読み替えるものとする。
8 公安委員会は、第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することを理由として同項ただし書の規定により免許を保留する場合において、必要があると認めるときは、当該処分の際に、その者に対し、公安委員会が指定する期日及び場所において適性検査を受け、又は公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。
9 公安委員会は、第1項ただし書の規定により免許の拒否(同項第3号又は第7号に該当することを理由とするものを除く。)をし、又は第5項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、5年を超えない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
10 公安委員会は、第2項の規定により免許の拒否をし、又は第6項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、10年を超えない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
11 第5項の規定により免許を取り消され、若しくは免許の効力の停止を受けた時又は第6項の規定により免許を取り消された時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、速やかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
12 公安委員会は、第1項ただし書の規定により免許の保留(同項第4号から第6号までのいずれかに該当することを理由とするものに限る。)をされ、又は第5項の規定により免許の効力の停止を受けた者が
第108条の2第1項第3号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の保留の期間又は効力の停止の期間を短縮することができる。
13 公安委員会は、仮免許の運転免許試験に合格した者が第1項第1号から第2号までのいずれかに該当するときは、同項本文の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、仮免許を与えないことができる。
14 第3項の規定は、前項の規定により仮免許を拒否しようとする場合について準用する。この場合において、第4項中「第1項ただし書」とあるのは、「第13項」と読み替えるものとする。
第90条の2 次の各号に掲げる種類の免許を受けようとする者は、それぞれ当該各号に定める講習を受けなければならない。ただし、当該講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
1.大型免許、中型免許又は普通免許
第108条の2第1項第4号及び第8号に掲げる講習
2.大型二輪免許又は普通二輪免許
第108条の2第1項第5号及び第8号に掲げる講習
4.大型第2種免許、中型第2種免許又は普通第2種免許 第108条の2第1項第7号及び第8号に掲げる講習
2 公安委員会は、前項各号に掲げる種類の免許に係る運転免許試験に合格した者(同項ただし書の政令で定める者を除く。)がそれぞれ同項各号に定める講習を受けていないときは、その者に対し、免許を与えないことができる。
第91条 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、必要な限度において、免許に、その免許に係る者の身体の状態又は運転の技能に応じ、その者が運転することができる自動車等の種類を限定し、その他自動車等を運転するについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる。
(罰則
第119条第1項第15号)
第92条 免許は、運転免許証(以下「免許証」という。)を交付して行なう。この場合において、同一人に対し、日を同じくして第1種免許又は第2種免許のうち2以上の種類の免許を与えるときは、一の種類の免許に係る免許証に他の種類の免許に係る事項を記載して、当該種類の免許に係る免許証の交付に代えるものとする。
2 免許を現に受けている者に対し、当該免許の種類と異なる種類の免許を与えるときは、その異なる種類の免許に係る免許証にその者が現に受けている免許に係る事項を記載して、その者が現に有する免許証と引き換えに交付するものとする。
第92条の2 第1種免許及び第2種免許に係る免許証(
第107条第2項の規定により交付された免許証を除く。以下この項において同じ。)の有効期間は、次の表の上欄に掲げる区分ごとに、それぞれ、同表の中欄に掲げる年齢に応じ、同表の下欄に定める日が経過するまでの期間とする。
免許証の交付又は更新を受けた者の区分 | 更新日等における年齢 | 有効期間の末日 |
優良運転者及び一般運転者 | 70歳未満 | 満了日等の後のその者の5回目の誕生日から起算して1月を経過する日 |
70歳 | 満了日等の後のその者の4回目の誕生日から起算して1月を経過する日 |
71歳以上 | 満了日等の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日 |
違反運転者等 | | 満了日等の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日 |
備考
一 この表に掲げる用語の意義は、次に定めるとおりとする。
1.更新日等 第101条第5項の規定により更新された免許証にあつては当該更新された日、 第101条の2第3項の規定により更新された免許証にあつては同条第2項の規定による適性検査を受けた日、海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため第101条第1項の免許証の有効期間の更新を受けることができなかつた者(その免許がその結果第105条の規定により効力を失つた日から起算して6月を経過しない者に限る。)に対して第92条第1項の規定により交付された免許証にあつては当該効力を失つた免許に係る免許証の有効期間の末日、その他の免許証にあつては当該免許証に係る適性試験を受けた日
2.優良運転者 更新日等までに継続して免許(仮免許を除く。)を受けている期間が5年以上である者であつて、自動車等の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの
3.一般運転者 優良運転者又は違反運転者等以外の者
4.違反運転者等 更新日等までに継続して免許(仮免許を除く。)を受けている期間が5年以上である者であつて自動車等の運転に関するこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分並びに重大違反唆し等及び道路外致死傷に係る法律の規定の遵守の状況が不良な者として政令で定める基準に該当するもの又は当該期間が5年未満である者
5.満了日 第101条第5項の規定により更新された免許証にあつては更新前の免許証の有効期間が満了した日、 第101条の2第3項の規定により更新された免許証にあつては同条第2項の規定による適性検査を受けた日、その他の免許証にあつては当該免許証に係る適性試験を受けた日
二 更新日等がその者の誕生日である場合におけるこの表の適用については、同表中「更新日等」とあるのは、「更新日等の前日」とする。
三 更新日等が有効期間の末日の直前のその者の誕生日の翌日から当該有効期間の末日までの間である場合におけるこの表の適用については、同表中「更新日等」とあるのは、「更新日等の直前のその者の誕生日の前日」とする。
四 海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため第101条第1項の免許証の有効期間の更新を受けることができなかつた者(その免許がその結果第105条の規定により効力を失つた日から起算して6月を経過する前に次の免許を受けた者に限る。)に対するこの表の備考一の2及び4の規定の適用については、当該効力を失つた免許を受けていた期間及び当該次の免許を受けていた期間は、継続していたものとみなす。
五 その者の誕生日が2月29日である場合におけるこの表の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は2月28日であるものとみなす。 |
2 第104条の4第3項の規定により与えられる免許に係る免許証の有効期間は、同条第2項の規定により取り消される免許に係る免許証の有効期間が満了することとされていた日が経過するまでの期間とする。
3 第107条第2項の規定により交付された免許証(前項に規定するものを除く。)の有効期間は、当該免許証に係る同条第1項の規定により返納された免許証の有効期間が満了することとされていた日が経過するまでの期間とする。
4 前3項に規定する期間の末日が日曜日その他政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日を当該期間の末日とみなす。
第93条 免許証には、次に掲げる事項(次条の規定による記録が行われる場合にあつては、内閣府令で定めるものを除く。)を記載するものとする。
1.免許証の番号
2.免許の年月日並びに免許証の交付年月日及び有効期間の末日
3.免許の種類
4.免許を受けた者の本籍、住所、氏名及び生年月日
5.免許を受けた者が前条第1項の表の備考1の2に規定する優良運転者(第101条第3項及び第101条の2の2第1項において単に「優良運転者」という。)である場合にあつては、その旨
2 公安委員会は、前項に規定するもののほか、免許を受けた者について、
第91条の規定により、免許に条件を付し、又は免許に付されている条件を変更したときは、その者の免許証に当該条件に係る事項を記載しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、免許証の様式、免許証に表示すべきものその他免許証について必要な事項は、内閣府令で定める。
第93条の2 公安委員会は、前条第1項各号に掲げる事項又は同条第2項若しくは第3項の規定により記載され若しくは表示されるものの一部を、内閣府令で定めるところにより、免許証に電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録することができる。
第94条 免許を受けた者は、第93条第1項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、速やかに住所地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の住所地を管轄する公安委員会)に届け出て、免許証に変更に係る事項の記載(前条の規定による記録が行われる場合にあつては、同条の規定による記録)を受けなければならない。
2 免許を受けた者は、免許証を亡失し、滅失し、汚損し、若しくは破損し、又は前条の規定による記録をき損したときは、その者の住所地(仮免許に係る免許証にあつては、その者の住所地又はその者が現に自動車の運転に関する教習を受けている
第98条第2項の規定による届出をした自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に免許証の再交付を申請することができる。
3 第1項の規定による届出の手続及び前項に規定する免許証の再交付の申請の手続は、内閣府令で定める。
(罰則 第1項については
第121条第1項第9号)
第95条 免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。
2 免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から
第67条第1項又は第2項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
(罰則 第1項については
第121条第1項第10号、同条第2項 第2項については
第120条第1項第9号)
第96条 第88条第1項各号のいずれかに該当する者は第1種免許の運転免許試験を、同条第2項に規定する者は仮免許の運転免許試験を受けることができない。
2 大型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年以上の者でなければならない。
3 中型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して2年以上の者でなければならない。
4 大型免許、中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第2種免許、中型第2種免許、普通第2種免許又は大型特殊第2種免許を現に受けている者でなければ、牽引免許の運転免許試験を受けることができない。
5 第2種免許の運転免許試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
1.牽引第2種免許以外の第2種免許の運転免許試験については、21歳以上の者で、大型免許、中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年(政令で定めるものにあつては、2年)以上のもの
2.牽引第2種免許の運転免許試験については、21歳以上の者で、大型免許、中型免許、普通免許又は大型特殊免許及び牽引免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して3年(政令で定めるものにあつては、2年)以上のもの
3.その者が受けようとする第2種免許の種類と異なる種類の第2種免許を現に受けている者
6 第2項から第4項まで及び前項各号に規定する免許を現に受けている者には、
第90条第5項、
第103条第1項若しくは第4項、
第103条の2第1項、
第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する
第103条第4項の規定により当該免許の効力が停止されている者及びこれに準ずるものとして政令で定める者を含まないものとする。
第96条の2 大型免許、中型免許、普通免許、大型第2種免許、中型第2種免許又は普通第2種免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、仮免許(大型免許又は大型第2種免許の運転免許試験を受けようとする者にあつては大型仮免許、中型免許又は中型第2種免許の運転免許試験を受けようとする者にあつては大型仮免許又は中型仮免許)を現に受けている者に該当し、かつ、過去3月以内に5日以上、内閣府令で定めるところにより道路において自動車の運転の練習をした者でなければならない。
第96条の3 第90条第1項ただし書若しくは第2項の規定による免許の拒否、同条第5項若しくは第6項第しくは
第103条第1項、第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し又は
第107条の5第1項若しくは第2項の規定若しくは同条第9項において準用する
第103条第4項の規定による6月を超える期間の自動車等の運転の禁止を受けた者(第90条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号、第103条第1項第1号から第4号まで又は
第107条の5第1項第1号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。)で、運転免許試験(仮免許の運転免許試験を除く。)を受けようとするものは、過去1年以内に
第108条の2第1項第2号に掲げる講習(当該処分前に行われた講習を除く。)を終了した者でなければならない。ただし、当該処分を受けた後免許(仮免許を除く。)を受けたことがある者は、この限りでない。
第97条 運転免許試験は、免許の種類ごとに次の各号(小型特殊免許及び原付免許の運転免許試験にあつては第1号及び第3号、牽引免許の運転免許試験にあつては第1号及び第2号)に掲げる事項について行う。
1.自動車等の運転について必要な適性
2.自動車等の運転について必要な技能
3.自動車等の運転について必要な知識
2 前項第2号に掲げる事項について行う大型免許、中型免許、普通免許、大型第2種免許、中型第2種免許及び普通第2種免許の運転免許試験は、道路において行うものとする。ただし、道路において行うことが交通の妨害となるおそれがあるものとして内閣府令で定める運転免許試験の項目については、この限りでない。
3 第1項第3号に掲げる事項についての運転免許試験は、
第108条の28第4項の規定により国家公安委員会が作成する教則の内容の範囲内で行う。
4 前3項に規定するもののほか、運転免許試験の実施の手続、方法その他運転免許試験について必要な事項は、内閣府令で定める。
第97条の2 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、それぞれ当該各号に定める運転免許試験を免除する。
1.第89条第2項後段に規定する書面を有する者で同項に規定する検査を受けた日から起算して1年を経過しないものその者が当該検査の時に受けていた仮免許の区分に応じ大型免許、中型免許又は普通免許のいずれかに係る前条第1項第2号に掲げる事項についての運転免許試験
2.
第99条の5第5項に規定する卒業証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限るものとし、政令で定めるものを除く。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して1年を経過しないもの又は同項に規定する修了証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して3月を経過しないもの当該卒業証明書又は修了証明書に係る免許に係る前条第1項第2号に掲げる事項についての運転免許試験
3.
第101条第1項の免許証の有効期間の更新を受けなかつた者(政令で定める者を除く。)で、その者の免許が
第105条の規定により効力を失つた日から起算して6月(海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため、その期間内に運転免許試験を受けることができなかつた者にあつては、当該効力を失つた日から起算して3年を経過しない場合に限り、当該事情がやんだ日から起算して1月)を経過しないもの(
第108条の2第1項第11号及び第12号において「特定失効者」という。)のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める検査及び講習を内閣府令で定めるところにより受けたものその者が受けていた免許に係る運転免許試験(前条第1項第1号に掲げる事項についてのものを除く。)
イ 第89条第1項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が75歳以上の者 公安委員会が内閣府令で定めるところにより行う介護保険法第8条第16項に規定する記憶機能及びその他の認知機能(以下単に「認知機能」という。)に関する検査(以下「認知機能検査」という。)及び当該認知機能検査の結果に基づいて行う第108条の2第1項第12号に掲げる講習
ロ
第89条第1項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が70歳以上の者(イに掲げる者を除く。)
第108条の2第1項第12号に掲げる講習
ハ イ及びロに掲げる者以外の者
第108条の2第1項第11号に掲げる講習又は国家公安委員会規制で定める基準に適合する同条第2項の規定による講習
4.大型自動車、中型自動車又は普通自動車を運転することができる免許について第101条第1項の免許証の有効期間の更新を受けなかつた者(前号の政令で定める者を除く。)で、その者の免許が第105条の規定により効力を失つた日から起算して6月を超え1年を経過しないものその者が受けていた免許の区分に応じ大型仮免許、中型仮免許又は普通仮免許のいずれかに係る前条第1項第2号及び第3号に掲げる事項についての運転免許試験
2 前項に定めるもののほか、免許を受けようとする者が自動車等の運転に関する本邦の域外にある国又は地域の行政庁又は権限のある機関の免許を有する者であるときは、公安委員会は、政令で定めるところにより、その者が受けようとする免許に係る自動車等を運転することに支障がないことを確認した上で、運転免許試験の一部を免除することができる。
3 前2項に定めるもののほか、公安委員会は、政令で定める基準に従い、免許を受けようとする者が当該免許に係る自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、運転免許試験の一部を免除することができる。
第97条の3 公安委員会は、不正の手段によつて運転免許試験を受け、又は受けようとした者に対しては、その運転免許試験を停止し、又は合格の決定を取り消すことができる。
2 前項の規定により合格の決定を取り消したときは、公安委員会は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。この場合において、当該運転免許試験に係る免許は、その通知を受けた日に効力を失うものとする。
3 公安委員会は、第1項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、1年以内の期間を定めて、運転免許試験を受けることができないものとすることができる。
第98条 自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。以下同じ。)を設置し、又は管理する者は、当該自動車教習所において行う自動車の運転に関する教習の水準の維持向上に努めなければならない。
2 自動車教習所を設置し、又は管理する者は、内閣府令で定めるところにより、当該自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を届け出ることができる。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
2.自動車教習所の名称及び所在地
3.前2号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 公安委員会は、前項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保するため、当該自動車教習所における教習の態様に応じて、必要な指導又は助言をするものとする。
4 公安委員会は、前項の指導又は助言をした場合において、必要があると認めるときは、自動車安全運転センターに対し、当該指導又は助言に係る自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習を行う職員に対する研修その他当該職員の資質の向上を図るための措置について、必要な配慮を加えるよう求めることができる。
5 公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、第3項の指導又は助言をするため必要な限度において、第2項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
第99条 公安委員会は、前条第2項の規定による届出をした自動車教習所のうち、一定の種類の免許(政令で定めるものに限る。)を受けようとする者に対し自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行うものであつて当該免許に係る教習について職員、設備等に関する次に掲げる基準に適合するものを、当該自動車教習所を設置し、又は管理する者の申請に基づき、指定自動車教習所として指定することができる。
1.政令で定める要件を備えた当該自動車教習所を管理する者が置かれていること。
2.次条第4項の技能検定員資格者証の交付を受けており、同条第1項の規定により技能検定員として選任されることとなる職員が置かれていること。
3.
第99条の3第4項の教習指導員資格者証の交付を受けており、同条第1項の規定により教習指導員として選任されることとなる職員が置かれていること。
4.自動車の運転に関する技能及び知識の教習並びに技能検定(自動車の運転に関する技能についての検定で、内閣府令で定めるところにより行われるものをいう。以下同じ。)のための設備が政令で定める基準に適合していること。
5.当該自動車教習所の運営が政令で定める基準に適合していること。
2 公安委員会は、前項の申請に係る自動車教習所が
第100条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から3年を経過しないものであるときは、同項の規定による指定をしてはならない。
第99条の2 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定を行わせるため、技能検定員を選任しなければならない。
2 第4項の技能検定員資格者証の交付を受けていない者は、技能検定員となることができない。
3 技能検定員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
4 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、技能検定員資格者証を交付する。
1.次のいずれかに該当する者
イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関する技能及び知事に関して行う審査に合格した者
ロ 自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者
ハ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
2.次のいずれにも該当しない者
イ 25歳未満の者
ロ 過去3年以内に
第99条の5第5項に規定する卒業証明書又は修了証明書の発行に関し不正な行為をした者
ハ
第117条の4第4号の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して3年を経過していない者
ニ 自動車等の運転に関し刑法
第208条の2若しくは
第211条第2項の罪又はこの法律に規定する罪(
第117条の4第4号の罪を除く。)を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して3年を経過していない者
ホ 次項第2号又は第3号に該当して同項の規定により技能検定員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して3年を経過していない者
5 公安委員会は、前項の技能検定員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者に係る技能検定員資格者証の返納を命ずることができる。
1.前項第2号ロからニまでに掲げる者のいずれかに該当するに至つたとき。
2.偽りその他不正の手段により技能検定員資格者証の交付を受けたとき。
3.技能検定員の業務に関し不正な行為をし、その情状が技能検定員として不適当であると認められるとき。
6 前2項に定めるもののほか、第4項の技能検定員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第99条の3 指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能及び知識の教習を行わせるため、教習指導員を選任しなければならない。
2 第4項の教習指導員資格者証の交付を受けていない者は、教習指導員となることができない。
3 指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能又は知識の教習を、教習指導員以外の者に行わせてはならない。
4 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、教習指導員資格者証を交付する。
1.次のいずれかに該当する者
イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者
ロ 自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者
ハ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識があると認める者
2.次のいずれにも該当しない者
イ 21歳未満の者
ロ 次項において準用する前条第5項第2号又は第3号に該当して次項において準用する同条第5項の規定により教習指導員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して3年を経過していない者
ハ 前条第4項第2号ロからニまでのいずれかに該当する者
5 前条第5項及び第6項の規定は、教習指導員資格者証について準用する。この場合において、同条第5項第3号中「技能検定員」とあるのは、「教習指導員」と読み替えるものとする。
第99条の4 指定自動車教習所を管理する者は、公安委員会から当該指定自動車教習所の職員について
第108条の2第1項第9号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該職員に当該講習を受けさせなければならない。
第99条の5 指定自動車教習所を管理する者は、第99条第1項に規定する免許の種類ごとに、技能検定員に、内閣府令で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者に対し技能検定を行わせなければならない。
2 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員に、前項に規定する教習を終了した者以外の者に対し技能検定を行わせてはならない。
3 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員以外の者に技能検定を行わせてはならない。
4 技能検定員は、技能検定に合格した者について、その者が技能検定に合格した旨の証明をしなければならない。
5 指定自動車教習所は、技能検定員が前項の証明をしたときは、当該証明に係る者に対し、内閣府令で定めるところにより、内閣府令で定める様式の卒業証明書(指定自動車教習所において教習を終了した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)又は修了証明書(指定自動車教習所において教習を受け、仮免許を受けて運転することができる程度の技能及び知識の水準に達した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)を発行することができる。この場合において、当該卒業証明書又は修了証明書には、内閣府令で定めるところにより、当該卒業証明書又は修了証明書に係る者が技能検定に合格した旨の技能検定員の書面による証明を付さなければならない。
第99条の6 公安委員会は、この節の規定を施行するため必要な限度において、指定自動車教習所を設置し、若しくは管理する者に対し、当該指定自動車教習所の業務に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に当該指定自動車教習所に立ち入り、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第99条の7 公安委員会は、指定自動車教習所が
第99条第1項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所を同項各号に掲げる基準に適合させるため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 前項に定めるもののほか、公安委員会は、この節の規定を施行するため必要な限度において、指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所の事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第100条 公安委員会は、指定自動車教習所を管理する者が
第99条の3第3項、
第99条の4若しくは
第99条の5第2項若しくは第3項の規定に違反したとき、指定自動車教習所が同条第5項の規定に違反して卒業証明書若しくは修了証明書を発行したとき、又は指定自動車教習所を設置し、若しくは管理する者が前条の規定による命令に違反したときは、当該指定自動車教習所に対し、その指定を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて当該指定自動車教習所が当該期間内における教習に基づき卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による卒業証明書又は修了証明書の発行の禁止の処分を受けた指定自動車教習所が当該処分に違反して卒業証明書又は修了証明書を発行したときは、その指定を取り消し、又は6月を超えない範囲内で卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止する期間を延長することができる。
第100条の2 公安委員会は、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許又は原付免許を受けた者で、当該免許を受けた日から当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年に達することとなる日までの間(以下「初心運転者期間」という。)に
第85条第2項の規定により当該免許について同条第1項の表の区分に従い運転することができる自動車等(以下「免許自動車等」という。)の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該免許について政令で定める基準に該当することとなつたもの(以下「基準該当初心運転者」という。)に対し、その者が免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有するかどうかを確認するための試験(以下「再試験」という。)を行うものとする。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
1.当該免許を受けた日前6月以内に当該免許に係る免許自動車等を運転することができる他の種類の免許(仮免許を除く。第3号において「上位免許」という。)を受けていたことがある者
2.当該免許を受けた日前6月以内に当該免許と同一の種類の免許(当該免許と同等の免許として政令で定めるものを含み、
第104条の2の2第1項、第2項又は第4項の規定により取り消された免許及びこれに準ずるものとして政令で定める免許を除く。)を受けていたことがあり、かつ、その免許を受けていた期間(その免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して1年以上である者
3.当該免許を受けた日以後に上位免許を受けた者
4.
第108条の2第1項第10号に掲げる講習を終了した者(当該講習を終了した後初心運転者期間が経過することとなるまでの間に免許自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該講習に係る免許について政令で定める基準に該当することとなる者を除く。)
2 再試験は、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会が、当該期間が経過した後、免許の種類ごとに自動車等の運転について必要な技能及び知識(原付免許にあつては必要な知識に限る。)について行う。
3 第97条第2項から第4項までの規定は、公安委員会が行う再試験について準用する。
4 公安委員会は、第1項の規定に基づき再試験を行おうとする場合には、内閣府令で定めるところにより、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した後速やかに、再試験を行う旨及びその理由その他必要な事項を基準該当初心運転者に書面で通知しなければならない。
5 基準該当初心運転者は、公安委員会から再試験の通知(前項の規定による通知をいう。以下同じ。)を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(再試験を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由のある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通産して1月を超えることとなるまでに、当該公安委員会に内閣府令で定める再試験受験申込書を提出して、再試験を受けなければならない。
第92条の2第4項の規定は、この場合について準用する。
第100条の3 公安委員会は、再試験を行おうとする場合において、基準該当初心運転者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める試験移送通知書を送付しなければならない。
2 前項の試験移送通知書が当該公安委員会に送付されたときは、当該公安委員会は、当該試験移送通知書に係る基準該当初心運転者に対し、再試験を行うものとする。この場合において、前項の試験移送通知書を送付した公安委員会は、当該基準該当初心運転者に対し、再試験を行うことができない。
3 前条第4項及び第1項の規定は、公安委員会か前項の規定により再試験を行おうとする場合について準用する。この場合において、同条第4項中「基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した後」とあるのは、「試験移送通知書の送付を受けた後」と読み替えるものとする。
4 公安委員会が第2項の規定により再試験を行おうとする場合において、第1項の試験移送通知書を送付した公安委員会が当該試験移送通知書に係る基準該当初心運転者に再試験の通知をしているときは、当該通知は、第2項の規定により再試験を行おうとする公安委員会がした再試験の通知とみなす。
第101条 免許証の有効期間の更新(以下「免許証の更新」という。)を受けようとする者は、当該免許証の有効期間が満了する日の直前のその者の誕生日の1月前から当該免許証の有効期間が満了する日までの間(以下「更新期間」という。)に、その者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める様式の更新申請書を提出しなければならない。
2 前項の規定により免許証の更新を受けようとする者の誕生日が2月29日である場合における同項の規定の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は2月28日であるものとみなす。
3 公安委員会は、免許を現に受けている者に対し、更新期間その他免許証の更新の申請に係る事務の円滑な実施を図るため必要な事項(その者が更新を受ける日において優良運転者(第91条の規定により免許に条件を付されている者のうち内閣府令で定めるもの及び第92条の2第1項の表の備考四の規定の適用を受けて優良運転者となる者を除く。)に該当することとなる場合には、その旨を含む。)を記載した書面を送付するものとする。
4 第1項の規定による更新申請書の提出があつたときは、当該公安委員会は、その者について、速やかに自動車等の運転について必要な適性検査(以下「適性検査」という。)を行わなければならない。
5 前項の規定による適性検査の結果又は第101条の2の2第3項に規定する書面の内容(同条第5項の規定による適性検査を行つた場合には、当該書面の内容及び当該適性検査の結果)から判断して、当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、当該免許証の更新をしなければならない。
6 前各項に定めるもののほか、免許証の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
第101条の2 海外旅行その他政令で定めるやむを得ない理由のため更新期間内に適性検査を受けることが困難であると予想される者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に当該更新期間前における免許証の更新を申請することができる。
2 前項の申請があつたときは、当該公安委員会は、その者について、速やかに適性検査を行わなければならない。
3 前項の規定による適性検査の結果から判断して、当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、速やかに当該免許証の更新をしなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、更新期間前における免許証の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
第101条の2の2 免許証の更新を受けようとする者のうち当該更新を受ける日において優良運転者に該当するもの(第101条第3項の規定により当該更新を受ける日において優良運転者に該当することとなる旨を記載した書面の送付を受けた者に限る。)は、当該免許証の有効期間が満了する日の直前のその者の誕生日までに免許証の更新の申請をする場合には、同条第1項の規定による更新申請書の提出を、その者の住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会(以下この条及び次条において「経由地公安委員会」という。)を経由して行うことができる。
2 前項の規定により更新申請書を受理した経由地公安委員会は、その者について、速やかに適性検査を行わなければならない。
3 経由地公安委員会は、前項の規定による適性検査の結果を記載した書面を、第1項の規定により受理した更新申請書とともに、その者の住所地を管轄する公安委員会に送付しなければならない。この場合において、その者の住所地を管轄する公安委員会は、第101条第4項の規定による適性検査を行わないものとする。
4 経由地公安委員会は、当該免許証の更新を受けようとする者が次条第1項の規定により経由地公安委員会が行う第108条の2第1項第11号に掲げる講習を受けたときは、その旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知するものとする。
5 第3項の規定による書面の送付を受けた公安委員会は、当該書面の内容のみによつては当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないかどうかを判断できないときは、その者について適性検査を行うものとする。この場合において、当該公安委員会は、その者に適性検査を受けるべき旨を通知しなければならない。
第101条の3 免許証の更新を受けようとする者は、その者の住所地を管轄する公安委員会(前条第1項の場合にあつては、その者の住所地を管轄する公安委員会又は経由地公安委員会。次条第1項及び第2項において同じ。)が行う
第108条の2第1項第11号に掲げる講習を受けなければならない。ただし、更新期間が満了する日(第101条の2第1項の規定による免許証の更新の申請をしようとする者にあつては、当該申請をする日。次条第1項及び第2項、第102条第2項並びに
第108条の2第1項第12号において同じ。)前6月以内に
第108条の2第1項第12号に掲げる講習を受けた者その他の同項第11号に掲げる講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
2 公安委員会は、第101条第4項若しくは第101条の2第2項の規定による適性検査の結果又は前条第3項に規定する書面の内容(同条第5項の規定による適性検査を行つた場合には、当該書面の内容及び当該適性検査の結果)から判断して自動車等を運転することが支障がないと認めた者(前項ただし書の政令で定める者を除く。)が
第108条の2第1項第11号に掲げる講習を受けていないときは、第101条第5項又は第101条の2第3項の規定にかかわらず、その者に対し、免許証の更新をしないことができる。
第101条の4 免許証の更新を受けようとする者で更新期間が満了する日における年齢が70歳以上のものは、更新期間が満了する日前6月以内にその者の住所地を管轄する公安委員会が行つた
第108条の2第1項第12号に掲げる講習を受けていなければならない。ただし、当該講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
2 前項に定めるもののほか、免許証の更新を受けようとする者で更新期間が満了する日における年齢が75歳以上のものは、更新期間が満了する日前6月以内にその者の住所地を管轄する公安委員会が行つた認知機能検査を受けていなければならない。この場合において、公安委員会は、その者に対する同項の講習を当該認知機能検査の結果に基づいて行うものとする。
3 公安委員会は、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を記載した書面を送付するものとする。
1.免許を現に受けている者で更新期間が満了する日における年齢が70歳以上75歳未満のもの 免許証の更新を受けようとするときは更新期間が満了する日前6月以内に第1項の規定により講習を受けていなければならない旨、当該講習を受けることができる日時及び場所その他当該講習に係る事務の円滑な実施を図るため必要な事項
2.免許を現に受けている者で更新期間が満了する日における年齢が75歳以上のもの 前号に定める事項並びに免許証の更新を受けようとするときは更新期間が満了する日前6月以内に前項の規定により認知機能検査を受けていなければならない旨、当該認知機能検査を受けることができる日時及び場所その他当該認知機能検査に係る事務の円滑な実施を図るため必要な事項
第102条 公安委員会は、第97条の2第1項第3号の規定により認知機能検査を受けた者で当該認知機能検査の結果が認知機能に関し内閣府令で定める基準に該当するもの(以下この条において「基準該当者」という。)が第89条第1項の免許申請書を提出した場合において、その者が当該免許申請書を提出した日の1年前の日(その日以後に次の表の上欄に掲げる場合に該当することとなつたときは、それぞれ同表の下欄に掲げる日)から当該免許申請書を提出した日の前日までの間に、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律の規定に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為のうち認知機能が低下した場合に行われやすいものとして政令で定める行為(以下この条において「基準行為」という。)をしていた者であるときは、その者が当該認知機能検査を受けた日以後に同表の上欄に掲げる場合に該当することとなつたときを除き、その者が第90条第1項第1号の2に該当する者であるかどうかにつき、臨時に適性検査を行うものとする。
一 この条(第5項を除く。)の規定による適性検査(第4項の規定によるものにあつては、その者が第103条第1項第1号の2に該当することとなつた疑いがあることを理由としたものに限る。)を受けたとき。 | 当該適性検査を受けた日の翌日 |
二 第7項ただし書の規定により診断書(その者が第103条第1項第1号の2に該当するかどうかを診断したものに限る。)を提出したとき。 | 当該診断書を提出した日の翌日 |
三 認知機能検査を受け、基準該当者に該当しないこととなつたとき。 | 当該認知機能検査を受けた日の翌日 |
2 公安委員会は、前条第2項の規定により認知機能検査を受けた者で基準該当者であるものが第101条第1項の更新申請書を提出し、又は第101条の2第1項の規定による免許証の更新の申請をした場合において、その者が当該免許証に係る更新期間が満了する日の1年前の日(その日以後に前項の表の上欄に掲げる場合に該当することとなつたときは、それぞれ同表の下欄に掲げる日)から当該更新申請書を提出し、又は当該免許証の更新の申請をした日の前日までの間に、基準行為をしていた者であるときは、その者が当該認知機能検査を受けた日以後に同表の上欄に掲げる場合に該当することとなつたときを除き、その者が第103条第1項第1号の2に該当することとなつたかどうかにつき、臨時に適性検査を行うものとする。
3 公安委員会は、第97条の2第1項第3号の規定により認知機能検査を受けた者で基準該当者であるもの(第1項に規定する者に該当する者を除く。)が第89条第1項の免許申請書を提出して免許を受けた場合において、当該免許を受けた日以後に基準行為をしたとき又は前条第2項の規定により認知機能検査を受けた者で基準該当者であるもの(前項に規定する者に該当する者を除く。)が第101条第1項の更新申請書を提出し、若しくは第101条の2第1項の規定による免許証の更新の申請をした場合において、当該更新申請書を提出し、若しくは当該免許証の更新の申請をした日以後に基準行為をしたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者が第103条第1項第1号の2に該当することとなつたかどうかにつき、臨時に適性検査を行うものとする。
1.その者が当該認知機能検査を受けた日以後に第1項の表の上欄に掲げる場合に該当することとなつたとき。
2.その者が当該基準行為をした日以後に、第101条第1項の更新申請書を提出し、又は第101条の2第1項の規定による免許証の更新の申請をしたとき。
4 前3項に定めるもののほか、公安委員会は、運転免許試験に合格した者が第90条第1項第1号から第2号までのいずれかに該当する者であり、又は免許を受けた者が第103条第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することとなつたと疑う理由があるときは、当該運転免許試験に合格した者又は免許を受けた者につき、臨時に適性検査を行うことができる。
5 第1項から前項までに定めるもののほか、公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、免許を受けた者について、臨時に適性検査を行うことができる。
6 公安委員会は、第1項から前項までの規定により適性検査を行おうとするときは、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項を当該適性検査に係る者に通知しなければならない。
7 前項の規定により通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。ただし、第1項から第4項までの規定による適性検査に係る通知を受けた者が、当該通知された期日までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出した場合は、この限りでない。
8 前各項に定めるもののほか、第1項から第5項までの規定による適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
第102条の2 免許を受けた者は、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為(政令で定める軽微なものに限る。以下「軽微違反行為」という。)をし、当該行為が政令で定める基準に該当することとなつた場合において、
第108条の3の2の規定による通知を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して1月を超えることとなるまでの間に
第108条の2第1項第13号に掲げる講習を受けなければならない。
第103条 免許(仮免許を除く。以下第106条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし、第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
1.次に掲げる病気にかかつている者であることが判明したとき。
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ及びロまでに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
1の2.認知症であることが判明したとき。
2.目が見えないことその他自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある身体の障害として政令で定めるものが生じている者であることが判明したとき。
3.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者であることが判明したとき。
4.第6項の規定による命令に違反したとき。
5.自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項第1号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。)。
6.重大違反唆し等をしたとき。
7.道路外致死傷をしたとき(次項第5号に該当する場合を除く。)。
8.前各号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。
2 免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の免許を取り消すことができる。
1.自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをしたとき。
2.自動車等の運転に関し刑法
第208条の2の罪に当たる行為をしたとき。
3.自動車等の運転に関し
第117条の2第1号又は第3号の違反行為をしたとき(前2号のいずれかに該当する場合を除く。)。
4.自動車等の運転に関し
第117条の違反行為をしたとき。
5.道路外致死傷で故意によるもの又は刑法
第208条の2の罪に当たるものをしたとき。
3 公安委員会は、第1項の規定により免許を取り消し、若しくは免許の効力を90日(公安委員会が90日を超えない範囲内で期間を定めたときは、その期間)以上停止しようとする場合又は前項の規定により免許を取り消そうとする場合において、当該処分に係る者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に係る事実に関する
第104条第1項の意見の聴取又は聴聞を終了している場合を除き、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める処分移送通知書を送付しなければならない。
4 前項の処分移送通知書が当該公安委員会に送付されたときは、当該公安委員会は、その者が第1項各号のいずれかに該当する場合(同項第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができるものとし、その者が第2項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができるものとし、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第1項又は第2項の規定にかかわらず、当該事実について、その者の免許を取り消し、又は免許の効力を停止することができないものとする。
5 第3項の規定は、公安委員会が前項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を停止しようとする場合について準用する。
6 公安委員会は、第1項第1号から第4号までのいずれかに該当することを理由として同項又は第4項の規定により免許の効力を停止する場合において、必要があると認めるときは、当該処分の際に、その者に対し、公安委員会が指定する期日及び場所において適性検査を受け、又は公安委員会が指定する期限までに内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。
7 公安委員会は、第1項各号(第4号を除く。)のいずれかに該当することを理由として同項又は第4項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、1年以上5年をこえない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
8 公安委員会は、第2項各号のいずれかに該当することを理由として同項又は第4項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、3年以上10年を超えない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
9 第1項、第2項又は第4項の規定により免許を取り消され、又は免許の効力の停止を受けた時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、速やかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
10 公安委員会は、第1項又は第4項の規定による免許の効力の停止(第1項第1号から第4号までのいずれかに該当することを理由とするものを除く。)を受けた者が
第108条の2第1項第3号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の効力の停止の期間を短縮することができる。
第103条の2 免許を受けた者が自動車等の運転に関し次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該交通事故を起こした場所を管轄する警察署長は、その者に対し、当該交通事故を起こした日から起算して30日を経過する日を終期とする免許の効力の停止(以下この条において「仮停止」という。)をすることができる。
1.交通事故を起こして人を死亡させ、又は傷つけた場合において、
第117条の違反行為をしたとき。
3.第117条の2の2第1号若しくは第5号、第118条第1項第1号若しくは第2号又は
第119条第1項第1号から第2号の2まで、第3号の2、第5号、第9号の2若しくは第15号の違反行為をし、よつて交通事故を起こして人を死亡させたとき。
2 警察署長は、仮停止をしたときは、当該処分をした日から起算して5日以内に、当該処分を受けた者に対し弁明の機会を与えなければならない。
3 仮停止を受けた者は、免許証を当該処分をした警察署長に提出しなければならない。
4 仮停止をした警察署長は、速やかに、当該処分を受けた者が第1項各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会に対し、内閣府令で定める仮停止通知書及び前項の規定により提出を受けた免許証を送付しなければならない。
5 前項の仮停止通知書及び免許証の送付を受けた公安委員会は、当該事実について前条第3項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定により処分移送通知書を送付するときは、併せて当該送付を受けた仮停止通知書及び免許証を送付しなければならない。
6 仮停止は、第4項又は前項の規定により仮停止通知書及び免許証の送付を受けた公安委員会が当該仮停止の期間内に当該事実について前条第1項、第2項又は第4項の規定による処分をしたときは、その効力を失う。
7 仮停止を受けた者が当該事実について前条第1項又は第4項の規定により免許の効力の停止を受けたときは、仮停止をされていた期間は、当該免許の効力の停止の期間に通算する。
(罰則 第3項については
第121条第1項第9号)
第104条 公安委員会は、
第103条第1項第5号の規定により免許を取り消し、若しくは免許の効力を90日(公安委員会が90日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。次条第1項において同じ。)以上停止しようとするとき、第103条第2項第1号から第4号までのいずれかの規定により免許を取り消そうとするとき、又は同条第3項(同条第5項において準用する場合を含む。)の処分移送通知書(同条第1項第5号又は第2項第1号から第4号までのいずれかに係るものに限る。)の送付を受けたときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において、公安委員会は、意見の聴取の期日の1週間前までに、当該処分に係る者に対し、処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所を通知し、かつ、意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。
2 意見の聴取に際しては、当該処分に係る者又はその代理人は、当該事実について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる。
3 意見の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、公安委員会は、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事実の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
4 公安委員会は、当該処分に係る者又はその代理人が正当な理由がなくて出頭しないとき、又は当該処分に係る者の所在が不明であるため第1項の通知をすることができず、かつ、同項後段の規定による公示をした日から30日を経過してもその者の所在が判明しないときは、同項の規定にかかわらず、意見の聴取を行わないで
第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し若しくは効力の停止(同条第1項第5号に係るものに限る。)又は同条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第2項第1号から第4号までのいずれかに係るものに限る。)をすることができる。
5 前各項に定めるもののほか、意見の聴取の実施について必要な事項は、政令で定める。
第104条の2 公安委員会は、
第103条第1項又は第4項の規定により免許の効力を90日以上停止しようとするとき(同条第1項第5号に係る場合を除く。)は、行政手続法
第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2 公安委員会は、前項の聴聞又は
第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第1項各号(第5号を除く。)に係るものに限る。)若しくは同条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第2項第5号に係るものに限る。)に係る聴聞を行うに当たつては、その期日の1週間前までに、行政手続法
第15条第1項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 前項の通知を行政手続法
第15条第3項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第1項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、2週間を下回つてはならない。
4 第1項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
5 第2項の聴聞の主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事実の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
第104条の2の2 再試験を行つた公安委員会は、再試験の結果、再試験を受けた者が免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有しないと認めるときは、その者の当該免許を取り消さなければならない。
2 再試験の通知を受けた者が
第100条の2第5項の規定に違反して再試験を受けないと認めるときは、その者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の当該免許を取り消さなければならない。
3 公安委員会は、前項の規定により当該免許を取り消そうとする場合において、当該処分に係る者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に関する第6項において準用する
第104条の意見の聴取を終了している場合を除き、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に内閣府令で定める処分移送通知書を送付しなければならない。
4 前項の処分移送通知書の送付を受けた公安委員会は、その者が
第100条の2第5項の規定に違反して当該再試験を受けないと認めるときは、その者の当該免許を取り消さなければならない。この場合において、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第2項の規定にかかわらず、その者の当該免許を取り消すことができない。
5 第3項の規定は、公安委員会が前項の規定により免許を取り消そうとする場合について準用する。
6 第104条(第3項を除く。)の規定は、第2項又は第4項の規定により免許を取り消す場合について準用する。
7 第1項、第2項又は第4項の規定により当該免許を取り消された時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、速やかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
第104条の2の3 第102条第6項の規定による通知を受けた者(免許を受けた者に限る。)が同条第7項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、同項の通知された期日におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし、当該適性検査を受けないことについてやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
2 前項の規定による免許の効力の停止は、その者が当該適性検査を受けたときは、その効力を失う。
3 第103条第3項、第4項及び第9項の規定は、第1項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を90日(公安委員会が90日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。第5項において同じ。)以上停止しようとする場合について準用する。この場合において、同条第3項中「第104条第1項の意見の聴取又は聴聞」とあるのは「聴聞」と、同条第4項中「第1項各号のいずれかに該当する場合(同項第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項」とあるのは「第102条第7項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、第104条の2の3第1項」と、「停止することができるものとし、その者が第2項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができるものとし」とあるのは「停止することができるものとし」と、「第1項又は第2項」とあるのは「同項」と、同条第9項中「第1項、第2項又は第4項」とあるのは「第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する第4項」と読み替えるものとする。
4 第2項の規定は、前項において準用する第103条第4項の規定により免許の効力を停止した場合について準用する。
5 第104条の2(第5項を除く。)の規定は、公安委員会が第1項の規定又は第3項において準用する第103条第4項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を90日以上停止しようとする場合について準用する。
6 第103条第3項の規定は、第3項において準用する同条第4項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を停止しようとする場合について準用する。この場合において、同条第3項中「第104条第1項の意見の聴取又は聴聞」とあるのは、「聴聞」と読み替えるものとする。
第104条の3 第103条第1項、第2項若しくは第4項、第104条の2の2第1項、第2項若しくは第4項、前条第1項又は同条第3項において準用する第103条第4項の規定による免許の取消し又は効力の停止は、内閣府令で定めるところにより、当該取消し又は効力の停止に係る者に対し当該取消し又は効力の停止の内容及び理由を記載した書面を交付して行うものとする。
2 公安委員会がその者の所在が不明であることその他の理由により前項の規定による書面の交付をすることができなかつた場合において、警察官が当該書面の交付を受けていない者の所在を知つたときは、警察官は、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、日時及び場所を指定して当該書面の交付を受けるために出頭すべき旨を命ずることができる。
3 警察官は、前項の規定による命令をするときは、内閣府令で定めるところにより、当該命令に係る者に対し、当該命令に係る取消し又は効力の停止に係る免許証の提出を求め、これを保管することができる。この場合において、警察官は、当該命令に係る者に対し、保管証を交付しなければならない。
4 警察官は、第2項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、速やかに、当該命令に係る者の氏名及び住所、当該命令に係る出頭すべき日時及び場所その他必要な事項を当該命令に係る者の住所地を管轄する公安委員会(その者に対し第1項に規定する免許の取消し又は効力の停止をした公安委員会とその者の住所地を管轄する公安委員会か異なる場合にあつては、それぞれの公安委員会に通知しなければならない。この場合において、警察官は、前項の規定により免許証を保管したときは、当該保管した免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に送付しなければならない。
5 前項の規定による免許証の送付を受けた公安委員会は、当該免許証に係る免許の効力の停止の期間が満了した場合において、第3項の規定により当該免許証を提出した者から返還の請求があつたときは、直ちに当該免許証を返還しなければならない。
6 第3項の保管証は、
第95条の規定の適用については、免許証とみなす。
7 第3項の保管証の有効期間は、当該保管証を交付した時から、当該保管証の交付を受けた者が第2項の規定により指定された日時(その日時までにその者が同項の規定により指定された場所に出頭したときは、その出頭した時)までの間とする。
8 第3項の規定により保管証の交付を受けた者は、当該保管証の有効期間が満了したときは、直ちに当該保管証を警察官に返納しなければならない。
9 第3項の保管証の記載事項その他同項の保管証に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第104条の4 免許を受けた者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に免許の取消しを申請することができる。この場合において、その者は、第89条第1項及び第90条の2第1項の規定にかかわらず、併せて、当該免許が取り消された場合には他の種類の免許(取消しに係る免許の種類ごとに政令で定める種類のものに限る。)を受けたい旨の申出をすることができる。
2 前項の規定による申請を受けた公安委員会は、政令で定めるところにより、当該申請に係る免許を取り消すものとする。
3 前項の規定により免許を取り消した公安委員会は、第1項の申出をした者から第107条第1項第1号の規定による当該免許に係る免許証の返納を受けたときは、その者に対し、当該申出に係る免許を与えることができる。
4 前項の規定により与えられる免許は、第2項の規定により取り消された免許を受けた日に受けたものとみなす。
5 第2項の規定により免許を取り消された者(第3項の規定により免許を受けた者を除く。)は、当該取消しを行つた公安委員会に対し、当該取消しを受けた日前5年間の自動車等の運転に関する経歴について、第92条の2第1項の表の上欄に規定する優良運転者、一般運転者又は違反運転者等の区分に準じた区分により表示する書面(次項において「運転経歴証明書」という。)の交付を申請することができる。
6 前項の規定による申請を受けた公安委員会は、政令で定めるところにより、運転経歴証明書を交付するものとする。この場合において、運転経歴証明書は、免許証と紛らわしい外観を有するものであつてはならない。
7 前各項に定めるもののほか、第2項の規定による免許の取消しについて必要な事項は、内閣府令で定める。
第105条 免許は、免許を受けた者が免許証の更新を受けなかつたときは、その効力を失う。
第106条 公安委員会は、
第90条第1項本文若しくは
第104条の4第3項の規定により免許を与え、
第91条の規定により条件を付し、若しくはこれを変更し、
第94条第1項の規定による届出を受け、同条第2項の規定による免許証の再交付をし、
第101条第5項若しくは
第101条の2第3項の規定により免許証の更新をし、第90条第1項ただし書、第2項、第5項、第6項、第9項、第10項若しくは第12項、
第97条の3第3項、
第103条第1項、第2項、第4項、第7項、第8項若しくは第10項、
第104条の2の2第1項、第2項若しくは第4項、第104条の2の3第1項、同条第3項において準用する第103条第4項若しくは第104条の4第2項の規定による処分をし、若しくは第90条第8項若しくは第103条第6項の規定による命令をしたとき、警察署長が
第103条の2第1項の規定による処分をしたとき、又は自動車等の運転者が自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(内閣府令で定める場合に限る。)、重大違反唆し等若しくは道路外致死傷(内閣府令で定めるものに限る。)をしたとき、認知機能検査を受けたとき、
第100条の2第1項の規定による再試験を受けたとき、若しくは
第108条の2第1項第2号、第10号若しくは第13号に掲げる講習を受けたとき、その他自動車等の運転者について自動車等の運転に関し内閣府令で定める事由が生じたときは、内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。この場合において、国家公安委員会は、免許に関する事務の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
第106条の2 仮免許を受けた者が
第103条第1項各号(第4号及び第8号を除く。)又は第2項各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の仮免許を取り消すことができる。
2 第102条第6項の規定による通知を受けた者(仮免許を受けた者に限る。)が同条第7項の規定に違反して当該通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、同項の通知された期日におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の仮免許を取り消すことができる。ただし、当該適性検査を受けないことについてやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
第107条 免許を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、すみやかに、免許証(第3号の場合にあつては、発見し、又は回復した免許証)をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
1.免許が取り消されたとき。
2.免許が失効したとき。
3.免許証の再交付を受けた後において亡失した免許証を発見し、又は回復したとき。
2 第104条の2の2第1項、第2項若しくは第4項又は
第104条の4第2項の規定により免許を取り消された者がなお他の種類の免許を受けている場合において、前項の規定により免許証を返納したときは、公安委員会は、当該他の種類の免許に係る免許証を交付するものとする。
3 免許を受けた者は、
第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する第103条第4項の規定により免許の効力が停止されたときは、速やかに、免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
4 前項の規定により免許証の提出を受けた公安委員会又は
第103条の2第4項若しくは第5項の規定により免許証の送付を受けた公安委員会は、当該免許証に係る免許の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者があつたときは、直ちに当該免許証を返還しなければならない。
(罰則 第1項及び第3項については
第121条第1項第9号)
第107条の2 道路交通に関する条約(以下「条約」という。)第24条第1項の運転免許証(
第107条の7第1項の国外運転免許証を除く。)で条約附属書9若しくは条約附属書10に定める様式に合致したもの(以下この条において「国際運転免許証」という。)又は自動車等の運転に関する本邦の域外にある国若しくは地域(国際運転免許証を発給していない国又は地域であつて、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図る上で我が国と同等の水準にあると認められる運転免許の制度を有している国又は地域として政令で定めるものに限る。)の行政庁若しくは権限のある機関の免許に係る運転免許証(日本語による翻訳文で政令で定める者が作成したものが添付されているものに限る。以下この条において「外国運転免許証」という。)を所持する者(
第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当する者を除く。)は、
第64条の規定にかかわらず、本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第60条第1項の規定による出国の確認を、又は外国人登録法(昭和27年法律第125号)第4条第1項の登録を受けている者が出入国管理及び難民認定法第26条第1項の規定による再入国の許可若しくは同法第61条の2の12第1項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から3月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。第117条の4第2号において同じ。)をした日から起算して1年間、当該国際運転免許証又は外国運転免許証(以下「国際運転免許証等」という。)で運転することができることとされている自動車等を運転することができる。ただし、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転し若しくは牽引自動車によつて旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転する場合、又は代行運転普通自動車を運転する場合は、この限りでない。
第107条の3 国際運転免許証等を所持する者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る国際運転免許証等を携帯していなければならない。
第95条第2項の規定は、この場合について準用する。
(罰則 前段については
第121条第1項第10号、同条第2項 後段については
第120条第1項第9号)
第107条の4 公安委員会は、国際運転免許証等を所持する者について、当該国際運転免許証等に係る発給の条件が満たされなくなつたと疑う理由があるとき(その者が第103条第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することとなつたと疑う理由があるときに限る。)は、臨時に適性検査を行うことができる。この場合において、公安委員会は、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項をその者に通知しなければならない。
2 前項後段の規定による通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。
3 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要がると認めるときは、第1項の適性検査を受けた者に対し、運転をするに当たつてその者の身体の状態に応じた必要な措置をとることを命ずることができる。
4 前3項に定めるもののほか、第1項の規定による適性検査について必要な事項は、内閣府令で定める。
(罰則 第3項については
第119条第1項第15号)
第107条の4の2 第102条の2の規定は、国際運転免許証等を所持する者が軽微違反行為をし、当該行為が同条の政令で定める基準に該当することとなつた場合について準用する。
第107条の5 国際運転免許証等を所持する者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、5年を超えない範囲内で期間を定めてその者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる。ただし、第2号に該当する者が前条において準用する
第102条の2の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が前条において準用する
第102条の2に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
1.国際運転免許証等の発給の条件が満たされなくなつたことが明らかになつたとき(その者が第103条第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することとなつたときに限る。)。
2.自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項各号のいずれかに該当する場合を除く。)。
2 国際運転免許証等を所持する者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、3年以上10年を超えない範囲内で期間を定めてその者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる。
1.自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるものをしたとき。
2.自動車等の運転に関し刑法
第208条の2の罪に当たる行為をしたとき。
3.自動車等の運転に関し
第117条の2第1号又は第3号の違反行為をしたとき(前2号のいずれかに該当する場合を除く。)。
4.自動車等の運転に関し
第117条の違反行為をしたとき。
3 第103条第10項の規定は、第1項の規定又は第9項において準用する同条第4項の規定による自動車等の運転の禁止を受けた者について準用する。この場合において、同条第10項中「その者の免許の効力の停止の期間」とあるのは、「その者の自動車等の運転の禁止の期間」と読み替えるものとする。
4 第104条の規定は公安委員会が第1項第2号又は第2項各号に該当してこれらの規定により自動車等の運転を90日(公安委員会が90日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。以下この項において同じ。)以上禁止しようとする場合及び第9項において準用する
第103条第3項(同条第5項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の処分移送通知書(第1項第2号及び第2項各号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について、
第104条の2の規定は公安委員会が第1項第1号に該当して同項の規定により自動車等の運転を90日以上禁止しようとする場合及び第9項において準用する
第103条第3項の処分移送通知所(第1項第1号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について準用する。この場合において、
第104条第4項中「第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し若しくは効力の停止(同条第1項第5号に係るものに限る。)又は同条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第2項第1号から第4号までのいずれかに係るものに限る。)をする」とあるのは「第107条の5第1項若しくは第2項又は同条第9項において準用する
第103条第4項の規定による自動車等の運転の禁止(
第107条の5第1項第2号及び第2項各号に係るものに限る。)をする」と、
第104条の2第2項中「前項の聴聞又は
第103条第1項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第1項各号(第5号を除く。)に係るものに限る。)若しくは同条第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し(同条第2項第5号に係るものに限る。)に係る聴聞」とあるのは「前項の聴聞」と読み替えるものとする。
5 国際運転免許証等を所持する者は、第1項若しくは第2項の規定により、又は第9項において準用する
第103条第4項の規定により自動車等の運転を禁止されたときは、速やかに、国際運転免許証等をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
6 前項の規定により国際運転免許証等の提出を受けた公安委員会又は第10項において準用する
第103条の2第4項若しくは第5項の規定により国際運転免許証等の送付を受けた公安委員会は、当該処分の期間が満了する時又は当該処分に係る者が本邦から出国する時のいずれか早い時においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国際運転免許証等を返還しなければならない。
7 第1項若しくは第2項の規定により、若しくは第9項において準用する
第103条第4項の規定により、又は第10項において準用する
第103条の2第1項の規定により自動車等の運転を禁止された者は、当該処分の期間中に本邦から出国した後に再び本邦に上陸したときは、速やかに、国際運転免許証等をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。前項の規定は、この場合について準用する。
8 公安委員会は、第1項若しくは第2項の規定により、若しくは次項において準用する
第103条第4項の規定により自動車等の運転を禁止し、又は第3項において準用する
第103条第10項の規定により期間を短縮したときは、内閣府令で定めるところにより、当該処分に係る者の国際運転免許証等に当該処分に係る事項を記載しなければならない。
9 第103条第3項から第5項まで及び第9項の規定は、第1項又は第2項の規定により自動車等の運転を禁止する場合について準用する。この場合において、同条第4項中「第1項各号のいずれかに該当する場合(同項第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)には、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができるものとし、その者が第2項各号のいずれかに該当する場合には、その者の免許を取り消すことができる」とあるのは、「
第107条の5第1項各号のいずれかに該当するものであるとき(同項第2号に該当する者が
第107条の4の2において準用する前条の規定の適用を受ける者であるときは、その者が
第107条の4の2において準用する前条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後に限る。)は、同項の政令で定める基準に従い、5年を超えない範囲内で期間を定めて、その者が第107条の5第2項各号のいずれかに該当するものであるときは、同項の政令で定める基準に従い、3年以上10年を超えない範囲内で期間を定めて、その者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる」と読み替えるものとする。
10 第103条の2の規定は、国際運転免許証等を所持する者が自動車等の運転に関し同条第1項各号のいずれかに該当することとなつた場合について準用する。この場合において、同条中「免許の効力の停止」とあるのは「自動車等の運転の禁止」と、「仮停止」とあるのは「仮禁止」と、「免許証」とあるのは「国際運転免許証等」と、「仮停止通知書」とあるのは「仮禁止通知書」と、同条第5項中「前条第3項」とあるのは「第107条の5第9項において準用する前条第3項」と、同条第6項中「前条第1項、第2項又は第4項の規定」とあるのは「第107条の5第1項若しくは第2項の規定又は同条第9項において準用する前条第4項の規定」と、同条第7項中「前条第1項又は第4項の規定」とあるのは「第107条の5第1項若しくは第2項の規定又は同条第9項において準用する前条第4項の規定」と読み替えるものとする。
11 第104条の3の規定は、第1項若しくは第2項の規定又は第9項において準対する
第103条第4項の規定により自動車等の運転の禁止をした場合について準用する。この場合において、
第104条の3中「免許証」とあるのは「国際運転免許証等」と、同条第5項中「免許の効力の停止の期間が満了した場合」とあるのは「自動車等の運転の禁止の期間が満了した場合又は当該禁止に係る者が本邦から出国する場合」と、同条第6項中「
第99条」とあるのは「
第107条の3前段の規定及び同条後段において準用する
第95条第2項」と読み替えるものとする。
(罰則 第5項、第7項及び第10項については
第121条第1項第9号)
第107条の6 公安委員会は、前条第1項若しくは第2項若しくは同条第9項において準用する
第103条第4項の規定により自動車等の運転を禁止し、若しくは前条第3項において準用する
第103条第10項の規定により期間を短縮したとき、又は警察署長が前条第10項において準用する
第103条の2第1項の規定により自動車等の運転を禁止したときは、内閣府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
第107条の7 免許(小型特殊免許、原付免許及び仮免許を除く。)を現に受けている者(
第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する第103条第4項の規定により免許の劾力が停止されている者を除く。)は、内閣府令で定める区分に従い、当該免許で運転することができることとされている自動車等に対応する条約附属書10に規定する自動車等に係る条約第24条第1項の運転免許証で公安委員会が発給するもの(以下「国外運転免許証」という。)の交付を受けることができる。
2 国外運転免許証の交付を受けようとする者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に、その者が外国に渡航するものであることを証する書面を添えて、内閣府令で定める様式の交付申請書を提出しなければならない。
3 公安委員会は、前項の申請があつたときは、運転することができる自動車等の種類を指定し、かつ、その旨を記載して当該国外運転免許証を交付するものとする。
4 前3項に規定するもののほか、国外運転免許証の様式その他国外運転免許証の交付について必要な事項は、内閣府令で定める。
第107条の8 国外運転免許証の有効期間は、当該国外運転免許証の発給の日から起算して1年とする。
第107条の9 国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許が失効し、又は取り消されたときは、その効力を失う。
2 国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許の効力が停止されたときは、当該停止の期間、その効力が停止されるものとする。
第107条の10 国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の有効期間が満了し、又は当該国外運転免許証が失効したとき(当該国外運転免許証の有効期間が満了した時又は当該国外運転免許証が失効しだ時に本邦外の地域にある者については、本邦に帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
2 国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の効力が停止されたとき(当該国外運転免許証の効力が停止された時に本邦外の地域にあり、かつ、当該国外運転免許証の効力の停止の期間中に本邦に帰国した者については、帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
3 前項の規定により国外運転免許証の提出を受けた公安委員会は、当該国外運転免許証の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国外運転免許証を返還しなければならない。
(罰則 第1項及び第2項については
第121条第1項第9号)
第108条 公安委員会は、政令で定めるところにより、この章に規定する免許に関する事務(免許の拒否及び保留、免許の条件の付与及び変更、運転免許試験及び適性検査の結果の判定並びに免許の取消し及び効力の停止に係る事務その他の政令で定める事務を除く。次項において「免許関係事務」という。)の全部又は一部を内閣府令で定める法人に委託することができる。
2 前項の規定により免許関係事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る免許関係事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則 第2項については
第117条の4第1号)
第108条の2 公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる講習を行うものとする。
1.安全運転管理者等に対する講習
2.
第90条第1項ただし書若しくは第2項の規定による免許の拒否、同条第5項若しくは第6項若しくは
第103条第1項、第2項若しくは第4項の規定による免許の取消し又は
第107条の5第1項若しくは第2項の規定若しくは同条第9項において準用する
第103条第4項の規定による6月を超える期間の自動車等の運転の禁止を受けた者(第90条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号、第103条第1項第1号から第4号まで又は
第107条の5第1項第1号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。)に対する講習
3.
第90条第1項ただし書の規定による免許の保留、同条第5項若しくは
第103条第2項若しくは第4項の規定による免許の効力の停止又は
第107条の5第1項の規定若しくは同条第9項において準用する
第103条第4項の規定による6月を超えない範囲内の自動車等の運転の禁止を受けた者(同条第2項第1号又は
第107条の5第1項第1号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者及び
第102条の2の期間内に同条に規定する講習を受けなかつた者を除く。)に対する講習
4.大型免許、中型免許又は普通免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
5.大型二輪免許又は普通二輪免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
6.原付免許を受けようとする者に対する原動機付自転車の運転に関する講習
7.大型第2種免許、中型第2種免許又は普通第2種免許を受けようとする者に対するその受けようとする免許に係る自動車の運転に関する講習
8.大型免許、中型免許、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許、大型第2種免許、中型第2種免許又は普通第2種免許を受けようとする者に対する応急救護処置(交通事故の現場においてその負傷者を救護するため必要な応急の処置をいう。)に関する講習
9.指定自動車教習所の政令で定める職員に対する講習
10.基準該当初心運転者(免許の効力が停止されている者を除く。)に対する免許の種類ごとに行う当該免許自動車等の運転について必要な技能及び知識に関する講習
11.免許証の更新を受けようとする者に対する第92条の2第1項の表の上欄に規定する優良運転者、一般運転者又は違反運転者等の区分に応じた講習
12.更新期間が満了する日における年齢が70歳以上の者又は
第89条第1項の規定により免許申請書を提出した日における年齢が70歳以上の特定失効者に、加齢に伴つて生ずるその者の身体の機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼす可能性があることを理解させるための講習
13.免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者で軽微違反行為をし、当該行為が
第102条の2の政令で定める基準に該当することとなつたものに対する講習
2 公安委員会は、前項各号に掲げるもののほか、車両の運転に関する技能及び知識の向上を図るため車両の運転者に対する講習を行うように努めなければならない。
3 公安委員会は、内閣府令で定める者に第1項第1号、第3号から第9号まで若しくは第11号から第13号までに掲げる講習又は前項に規定する講習の実施を委託することができる。
4 前項の規定により第1項第12号に掲げる講習(
第97条の2第1項第3号イ又は
第101条の4第2項の規定により認知機能検査の結果に基づいて行うものに限る。)の実施の委託を受けた者(その者が法人である場合にあつては、その役員)若しくはその職員又はこれらの者であつた者は、その委託された業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第108条の3 公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、基準該当初心運転者に対し、その者が
第100条の2第1項に規定する行為をし、当該行為が同項本文の政令で定める基準に該当することとなつた後速やかに、前条第1項第10号に掲げる講習(以下「初心運転者講習」という。)を受けることができる旨を書面で通知するものとする。
2 前項の通知を受けた者は、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して1月を超えることとなるまでの間に限り、初心運転者講習を受けることができる。
第108条の3の2 公安委員会は、免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者が軽微違反行為をし、当該行為が
第102条の2の政令で定める基準に該当することとなつたときは、内閣府令で定めるところにより、速やかに、その者に対し、
第108条の2第1項第13号に掲げる講習を行う旨を書面で通知しなければならない。
第108条の3の3 公安委員会は、
第108条の3第1項又は前条の規定による通知の実施に係る事務(次項において「講習通知事務」という。)の全部又は一部を内閣府令で定める法人に委託することができる。
2 前項の規定により講習通知事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る講習通知事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則 第2項については
第117条の5第3号)
第108条の4 公安委員会は、次の各号に掲げる講習を、それぞれ当該各号に定める要件に該当すると認められるものとして指定する者(以下「指定講習機関」という。)に行わせることができる。
1.
第108条の2第1項第2号に掲げる講習(以下この条及び次条第1項において「取消処分者講習」という。) 自動車等の運転に必要な適性に関する調査及びこれに基づく指導(以下「運転適性指導」という。)について専門的知識を有する者として国家公安委員会規則で定める者(次条において「運転適性指導員」という。)が置かれていることその他取消処分者講習を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。
2.初心運転者講習 自動車等の運転に必要な技能及び知識に関する指導(次条において「運転習熟指導」という。)について高度の能力を有する者として国家公安委員会規則で定める者(次条において「運転習熟指導員」という。)が置かれていることその他初心運転者講習を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。
2 前項の規定による指定は、取消処分者講習又は初心運転者講習(以下「特定講習」という。)を行おうとする者の申請により行う。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、第1項の規定による指定を受けることができない。
1.一般社団法人若しくは一般財団法人又は指定自動車教習所として指定された者以外の者
2.
第108条の11第1項又は第2項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
3.自動車等の運転に関し刑法
第208条の2若しくは
第211条第2項の罪又はこの法律に規定する罪を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
4.法人で、その役員のうちに前号に該当する者があるもの
4 公安委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該指定に係る特定講習を行わないことができる。
第108条の5 取消処分者講習を行う指定講習機関は、運転適性指導には、運転適性指導員以外の者を従事させてはならない。
2 初心運転者講習を行う指定講習機関は、運転習熟指導には、運転習熟指導員以外の者を従事させてはならない。
3 公安委員会は、運転適性指導員又は運転習熟指導員が運転適性指導又は運転習熟指導について不正な行為をしたときは、当該指定講習機関に対し、その選任に係る当該運転適性指導員又は運転習熟指導員の解任を命ずることができる。
第108条の6 指定講習機関は、特定講習の開始前に、特定講習の業務に関する規程(次項において「講習業務規程」という。)を定め、公安委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 講習業務規程で定めるべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の7 指定講習機関の役員(法人でない指定自動車教習所にあつては当該施設を設置する者。次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、特定講習の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 特定講習の業務に従事する指定講習機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(罰則 第1項については
第117条の3第3号)
第108条の8 公安委員会は、指定講習機関が
第108条の4第1項各号に規定する基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定講習機関に対し、同項各号に規定する基準に適合するため必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 公安委員会は、前項に定めるもののほか、特定講習を適正かつ確実に行うことを確保するため必要があると認めるときは、指定講習機関に対し、特定講習の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第108条の9 公安委員会は、指定講習機関について、
第108条の4第1項各号に規定する基準に適合しているかどうか、又は
第108条の5第1項若しくは第2項の規定に従い運営されているかどうかを検査し、及び指定講習機関に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
第108条の10 指定講習機関は、公安委員会の許可を受けなければ、特定講習の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第108条の11 公安委員会は、指定講習機関が
第108条の4第3項第1号、第3号又は第4号のいずれかに該当する者になつたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 公安委員会は、指定講習機関が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その指定を取り消すことができる。
第108条の12 第108条の4から前条までに規定するもののほか、指定講習機関に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の13 国家公安委員会は、交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、交通事故調査分析センター(以下この章において「分析センター」という。)として指定することができる。
2 国家公安委員会は、前項の規定による指定をしたときは、分析センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 分析センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国家公安委員会に届け出なければならない。
4 国家公安委員会は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
第108条の14 分析センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
1.交通事故の実例に即して、道路交通の状況、運転者の状況その他の交通事故に関係する事項について、その原因等に関する科学的な研究に資するための調査を行うこと。
2.交通事故の原因等に関する科学的な研究を目的として、前号に規定する調査(以下この章において「事故例調査」という。)に係る情報又は資料その他の個別の交通事故に係る情報又は資料を分析すること。
3.交通事故一般に関する情報又は資料を収集し、及び分析し、その他交通事故に関する科学的な調査研究を行うこと。
4.公安委員会が
第108条の26の規定により講ずる措置に対して協力するため、第2号の規定による分析の結果又は前号の規定による分析の結果若しくは調査研究の成果を提供すること。
5.前号に掲げるもののほか、交通事故に関する知識の普及及び交通事故防止に関する意識の啓発を図るため、第2号の規定による分析の結果又は第3号の規定による分析の結果若しくは調査研究の成果を、定期的に又は時宜に応じて提供すること。
6.外国における交通事故に関する調査研究機関との間において情報交換を行うこと。
7.前各号に掲げる事業に附帯する事業を行うこと。
第108条の15 事故例調査に従事する分析センターの職員は、事故例調査を行うために関係者に協力を求めるに当たつては、その生活又は業務の平穏に支障を及ぼさないように配慮しなければならない。
2 事故例調査に従事する分析センターの職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第108条の16 警察署長は、分析センターの求めに応じ、分析センターが事故例調査を行うために必要な限度において、分析センターに対し、交通事故の発生に関する情報その他の必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを提供することができる。
2 警察庁及び都道府県警察は、分析センターの求めに応じ、分析センターが
第108条の14第3号に掲げる事業を行うために必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを分析センターに対し提供することができる。
第108条の17 分析センターは、交通事故に関するテータベース(事故例調査に係る情報及び前条第2項の規定による提供に係る情報(以下この条及び
第108条の19において「特定情報」という。)の集合物であつて、特定情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)の構成及び運用その他の特定情報の管理及び使用に関する事項についての規程(以下この条及び
第108条の19において「特定情報管理規程」という。)を作成し、国家公安委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国家公安委員会は、前項の認可をした特定情報管理規程が特定情報の適正な管理又は使用を図る上で不適当となつたと定めるときは、分析センターに対し、当該特定情報管理規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 特定情報管理規程に記載すべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の18 分析センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、
第108条の14第1号から第3号までに掲げる事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則
第117条の3第3号)
第108条の19 国家公安委員会は、分析センターの役員又は職員が特定情報管理規程によらないで特定情報の管理若しくは使用を行つたとき、又は前条の規定に違反したときは、分析センターに対し、当該役員又は職員を解任すべきことを命ずることができる。
第108条の20 分析センターは、毎事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に国家公安委員会に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 分析センターは、毎事業年度の事業報告書、収支決算書、貸借対照表及び財産目録を作成し、当該事業年度経過後3月以内に国家公安委員会に提出しなければならない。
第108条の21 国家公安委員会は、分析センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、分析センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は警察庁の職員に分析センターの事務所に立ち入り、事業の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第108条の22 国家公安委員会は、この章の規定を施行するため必要な限度において、分析センターに対し、その事業に関し監督上必要な命令をすることができる。
第108条の23 国家公安委員会は、分析センターがこの章の規定に違反したとき、又は
第108条の17第2項、
第108条の19若しくは前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
2 国家公安委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第108条の24 警察庁及び都道府県警察は、分析センターに対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、その事業の円滑な運営が図られるように必要な配慮を加えるものとする。
第108条の25 第108条の13から前条までに規定するもののほか、分析センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の26 公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に資するための次に掲げる活動で民間の自主的な組織活動として行われるものの促進を図るため、関係する機関及び団体の活動との調和及び連携を図りつつ、情報の提供、助言、指導その他必要な措置を講ずるものとする。
1.道路を通行する者に対する交通安全教育
2.歩行者の誘導その他の道路を通行する者の通行の安全を確保するための活動
3.適正な交通の方法又は交通事故防止についての広報活動その他道路における交通の安全と円滑に資するための広報活動
4.道路における適正な車両の駐車又は道路の使用についての啓発活動、自転車の適正な通行についての啓発活動その他道路における交通の安全と円滑に資するための啓発活動
5.前各号に掲げるもののほか、道路における交通の安全と円滑に資するための活動
2 公安委員会は、地方公共団体が行う交通安全対策(公安委員会が行うものを除く。)の的確かつ円滑な実施が図られるよう、関係地方公共団体の長に対し、当該関係地方公共団体の区域における交通事故の発生の状況に関する情報の提供、職員の研修に係る協力その他必要な措置を講ずるものとする。
第108条の27 公安委員会は、適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるため、住民に対する交通安全教育を行うように努めなければならない。
第108条の28 国家公安委員会は、道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者(公安委員会を除く。)が効果的かつ適切な交通安全教育を行うことができるようにし、及び公安委員会が行う前条の交通安全教育の基準とするため、次に掲げる事項を内容とする交通安全教育に関する指針(以下「交通安全教育指針」という。)を作成し、これを公表するものとする。
1.自動車等の安全な運転に必要な技能及び知識その他の適正な交通の方法に関する技能及び知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容及び方法
2.交通事故防止に関する知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容及び方法
3.前2号に掲げるもののほか、道路を通行する者に対する交通安全教育を効果的かつ適切に行うために必要な事項
2 交通安全教育指針は、道路を通行する者が、交通安全教育に係る学習の機会を通じて、適正な交通の方法及び交通事故防止に関する技能及び知識を自主的に習得する意欲を高めるとともに、その年齢若しくは通行の態様又は業務に関し通行する場合にあつてはその業務の態様に応じたこれらの技能及び知識を段階的かつ体系的に習得することができるように配慮して作成されなければならない。
3 国家公安委員会は、第1項の規定により交通安全教育指針を作成しようとする場合には、関係行政機関の長と緊密な協力を図るよう努めなければならない。
4 国家公安委員会は、道路を通行する者が適正な交通の方法を容易に理解することができるようにするため、次に掲げる事項を内容とする教則を作成し、これを公表するものとする。
1.法令で定める道路の交通の方法
2.道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は道路の交通に起因する障害を防止するため、道路を通行する者が励行することが望ましい事項
3.前2号に掲げるもののほか、自動車の構造その他自動車等の運転に必要な知識
第108条の29 公安委員会は、地域における交通の状況について知識を有する者であつて次に掲げる要件を満たしているもののうちから、地域交通安全活動推進委員を委嘱することができる。
1.人格及び行動について、社会的信望を有すること。
2.職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
3.生活が安定していること。
4.健康で活動力を有すること。
2 地域交通安全活動推進委員は、次に掲げる活動を行う。
1.適正な交通の方法及び交通事故防止について住民の理解を深めるための住民に対する交通安全教育
2.高齢者、障害者その他その通行に支障のある者の通行の安全を確保するための方法について住民の理解を深めるための運動の推進
3.道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進
4.自転車の適正な通行の方法について住民の理解を深めるための運動の推進
5.前各号に掲げるもののほか、地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるもの
3 前項第1号の交通安全教育は、交通安全教育指針に従つて行わなければならない。
5 公安委員会は、地域交通安全活動推進委員が次のいずれかに該当するときは、これを解嘱することができる。
1.第1項各号のいずれかの要件を欠くに至つたとき。
2.職務上の義務に違反し、又はその職務を怠つたとき。
3.地域交通安全活動推進委員たるにふさわしくない非行のあつたとき。
6 前各項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の30 地域交通安全活動推進委員は、公安委員会が定める区域ごとに、地域交通安全活動推進委員協議会を組織するものとする。
2 地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員が前条第2項の活動を行う場合においてその活動の方針を定め、並びに地域交通安全活動推進委員相互の連絡及び調整を行うことその他地域交通安全活動推進委員が能率的にその任務を遂行するために必要な事項で国家公安委員会規則で定めるものを行う。
3 地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員の活動に関し必要と認める意見を、公安委員会及び当該地域交通安全活動推進委員協議会に係る区域を管轄する警察署長に申し出ることができる。
4 前3項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員協議会に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第108条の31 公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、都道府県に一を限つて、都道府県交通安全活動推進センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。
2 都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うものとする。
1.適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全に関する事項について広報活動を行うこと。
2.適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全についての啓発活動を行うこと。
3.交通事故に関する相談に応ずること。
4.道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずること。
5.道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について広報活動を行うこと(第1号に該当するものを除く。)。
6.道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての啓発活動を行うこと(第2号に該当するものを除く。)。
7.警察署長の委託を受けて
第56条、
第57条第3項及び
第77条第1項の規定による許可に関し、道路又は交通の状況について調査すること。
8.警察署長の委託を受けて道路における工作物又は物件の設置の状況について調査すること(前号の許可に係るものを除く。)。
9.運転適性指導(道路運送法
第2条第2項に規定する自動車運送事業(貨物利用運送事業法
第2条第8項に規定する第2種貨物利用運送事業を含む。)の用に供する自動車の運転者に対するものを除く。)を行うこと。
10.道路における交通の安全と円滑に資するための民間の自主的な組織活動を助けること。
11.地域交通安全活動推進委員に対する研修を行うこと。
12.地域交通安全活動推進委員協議会の事務について連絡調整を行う等その任務の遂行を助けること。
13.前各号の事業に附帯する事業
3 公安委員会は、都道府県センターの財産の状況又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
4 公安委員会は、都道府県センターが前項の規定による命令に違反したときは、第1項の指定を取り消すことができる。
5 都道府県センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第2項第3号又は第7号から第9号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
6 第2項第7号又は第8号に掲げる業務に従事する都道府県センターの役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
7 都道府県センターは、第2項各号に掲げる事業の遂行に当たつては、関係する機関及び団体の活動の円滑な遂行に配慮して、これらの活動との調和及び連携を図らなければならない。
8 第1項の指定の手続その他都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(罰則 第5項については
第117条の3第3号)
第108条の32 国家公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、全国交通安全活動推進センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。
2 全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
1.交通事故に関する相談に応ずる業務を担当する者、道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずる業務を担当する者、運転適性指導の業務を担当する者その他都道府県センターの業務を行う者に対する研修を行うこと。
2.適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全に関する事項について2以上の都道府県の区域における広報活動を行うこと。
3.適正な交通の方法、交通事故防止その他道路における交通の安全についての2以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと。
4.道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての2以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと(前号に該当するものを除く。)。
5.道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用並びに運転適性指導に関する調査研究を行うこと。
6.道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者の資質の向上に必要とされる技能及び知識に関する研修(道路運送法及び貨物自動車運送事業法に規定する運行管理者に対するものその他国家公安委員会規則で定めるものを除く。)を行うこと。
7.都道府県センターの事業について、連絡調整を行うこと。
8.前各号の事業に附帯する事業
3 前条第3項、第4項、第7項及び第8項の規定は、全国センターについて準用する。この場合において、同条第3項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、同条第4項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、「第1項」とあるのは「次条第1項」と、同条第7項中「第2項各号」とあるのは「次条第2項各号」と、同条第8項中「第1項」とあるのは「次条第1項」と読み替えるものとする。
第108条の32の2 免許(仮免許を除く。)を現に受けている者に対しその運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせるための教育(以下「運転免許取得者教育」という。)を、自動車教習所である施設その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその課程の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該課程により行う運転免許取得者教育が次の各号のいずれにも適合している旨の認定を受けることができる。
1.教習指導員資格者証の交付を受けた者その他の運転免許取得者教育を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
2.
第99条第1項第4号の政令で定める基準に適合した設備その他の運転免許取得者教育を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。
3.交通安全教育指針に従つて行われるものであり、かつ、当該課程が国家公安委員会規則で定める基準に適合するものであること。
2 公安委員会は、前項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3 運転免許取得者教育を行う者は、当該運転免許取得者教育の課程について、第1項の認定を受けないで、公安委員会認定という文字を冠した名称を用いてはならない。
4 第98条第3項から第5項までの規定は、第1項の認定を受けて運転免許取得者教育を行う者について準用する。この場合において、同条第3項中「自動車の運転に関する教習」とあるのは「第108条の32の2第1項の認定を受けた同項の運転免許取得者教育」と、「自動車教習所における教習」とあるのは「運転免許取得者教育」と、同条第4項中「自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習」とあるのは「第108条の32の2第1項の運転免許取得者教育」と読み替えるものとする。
5 公安委員会は、第1項の認定を受けた運転免許取得者教育が同項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
6 前各項に定めるもののほか、第1項の認定の申請その他同項の認定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(罰則 第3項については
第123条の2)
第108条の34 車両等の運転者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反した場合において、当該違反が当該違反に係る車両等の使用者の業務に関してなされたものであると認めるときは、公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、当該車両等の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法の規定による第2種貨物利用運送事業を経営する者又は軌道法の規定による軌道の事業者であるときは当該事業者及び当該事業を監督する行政庁に対し、当該車両等の使用者がこれらの事業者以外の者であるときは当該車両等の使用者に対し、当該違反の内容を通知するものとする。
第109条 警察官は、自動車又は原動機付自転車の運転者が自動車又は原動機付自転車の運転に関しこの法律の罰則に触れる行為をしたと認めるときは、その現場において、免許証又は国際運転免許証等の提出を求めこれを保管することができる。この場合において、警察官は、保管証を交付しなければならない。
3 当該警察官は、第1項の規定により保管した免許証又は国際運転免許証等の提出者が当該警察官の指定した日時及び場所に出頭したとき、又は当該日時が経過した後においてその提出者から返還の請求があつたときは、当該免許証又は国際運転免許証等を返還しなければならない。
4 前項の規定により免許証又は国際運転免許証等の返還を受ける者は、当該免許証又は国際運転免許証等と引き換えに保管証を返納しなければならない。
5 警察官は、第1項の規定により免許証又は国際運転免許証等の提出を求めるときは、出頭の日時及び場所を告げ、かつ、前2項の規定の趣旨を説明しなければならない。
6 第1項の保管証の有効期間、記載事項その他保管証について必要な事項は、政令で定める。
第109条の2 公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、車両の運転者に対し、車両の通行に必要な情報(以下この条及び次条において「交通情報」という。)を提供するように努めなければならない。
2 公安委員会は、内閣府令で定める者に交通情報の提供に係る事務を委託することができる。
3 国家公安委員会は、交通情報を提供する事業を行う者が正確かつ適切に交通情報を提供することができるようにするため、交通情報の提供に関する指針を作成し、これを公表するものとする。
4 交通情報を提供する事業(公安委員会及び第2項の規定による委託を受けた者が行うもの並びに道路法による道路の管理者が道路の維持、修繕その他の管理のため行うものを除く。次条第1項において同じ。)を行う者は、前項の交通情報の提供に関する指針に従い正確かつ適切に交通情報を提供することにより、道路における危険の防止その他交通の安全と円滑に資するように配慮しなければならない。
第109条の3 交通情報を提供する事業であつて次の各号のいずれかに該当するもの(以下この条において「特定交通情報提供事業」という。)を行おうとする者は、内閣府令で定めるところにより、氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に届け出なければならない。その者が届出をした事項を変更するときも、同様とする。
1.道路における交通の混雑の状態を予測する事業
2.目的地に到達するまでに要する時間を予測する事業
2 国家公安委員会は、特定交通情報提供事業を行う者が正確かつ適切でない交通情報を提供することにより道路における交通の危険又は混雑を生じさせたと認めるときは、その者に対し、前項各号に掲げる事業に係る技術水準その他の事情を勘案して、相当な期間を定めて、正確かつ適切な交通情報の提供の実施のために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
3 国家公安委員会は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた特定交通情報提供事業を行う者が当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
4 国家公安委員会は、前2項の規定を施行するため必要な限度において、特定交通情報提供事業を行う者に対し、必要な事項を報告させることができる。
(罰則 第1項については第119条の3第1項第7号、
第123条 第4項については第119条の3第1項第8号、
第123条)
第110条 国家公安委員会は、全国的な幹線道路(高速自動車国道及び政令で定める基準に従い国家公安委員会が指定する自動車専用道路を除く。)における交通の規制の斉一を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、公安委員会に対し、この法律の規定により公安委員会の権限に属する事務のうち、車両等の最高速度その他政令で定める事項に係るものの処理について指示することができる。
2 国家公安委員会は、高速自動車国道及び前項の規定により国家公安委員会が指定する自動車専用道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必要があると認めるときは、公安委員会に対し、当該道路におけるこの法律の実施に関する事項について指示することができる。
第110条の2 公安委員会は、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)
第21条第1項若しくは
第23条第2項、騒音規制法(昭和43年法律第98号)
第17条第1項又は振動規制法(昭和51年法律第64号)
第16条第1項の要請があつた場合その他交通公害が発生したことを知つた場合において、必要があると認めるときは、当該交通公害の防止に関し
第4条第1項の規定によりその権限に属する事務を行なうものとする。この場合において、必要があると認めるときは、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し、当該交通公害に関する資料の提供を求めることができる。
2 公安委員会は、
第4条第1項の規定に基づき
第8条第1項の道路標識等により自動車の通行を禁止しようとする場合において、その禁止を行なうことにより、広域にわたり道路における交通に著しい影響が及ぶおそれがあるときは、都道府県知事及び関係地方行政機関の長その他政令で定める者の意見をきかなければならない。
3 公安委員会(
第5条第1項の規定により権限を委任された警察署長を含む。以下この条において同じ。)は、
第4条第1項の規定に基づき、
第2条第1項第3号、第3号の4、第4号、第4号の2若しくは第7号、
第8条第1項、
第13条第2項、
第17条第4項、第5項第5号若しくは第6項、
第22条第1項、
第23条、
第34条第5項、
第49条第1項、
第63条の4第1項第1号又は
第63条の7第2項の道路標識等(
第17条第6項の道路標識等にあつては内閣府令・国土交通省令で定めるものに限り、
第22条第1項の道路標識等にあつては同項の政令で定める最高速度を超える最高速度に係るものに限る。以下この条において同じ。)により交通の規制を行おうとするときは、当該規制の適用される道路(
第22条第1項及び
第63条の4第1項第1号の道路標識等以外の道路標識等に係る場合にあつては、道路法による道路に限る。)の管理者の意見を聴かなければならない。ただし、
第8条第1項の道路標識等による交通の規制を行う場合において、緊急を要するためやむを得ないと認められるときは、この限りでないものとし、この場合には、事後において、速やかに当該交通の規制に係る事項を通知しなければならない。
4 公安委員会は、高速自動車国道等について、
第4条第1項の規定に基づき、前項本文に規定する道路標識等又は
第17条第5項第4号、
第30条、
第42条若しくは
第75条の4の道路標識等により交通の規制を行おうとするときは、前項本文の規定にかかわらず、当該道路の管理者に協議しなければならない。同項ただし書の規定は、当該協議について準用する。
5 公安委員会は、
第4条第1項の規定に基づき、
第44条又は
第45条第1項の道路標識等により路上駐車場が設けられている道路の部分における停車及び駐車又は駐車を禁止しようとするときは、その禁止しようとする旨及び禁止の期間について当該路上駐車場を設置した地方公共団体の意見をきいたうえで、期間を定めて行なわなければならない。この場合において、緊急を要するためやむを得ないと認められるときは、当該地方公共団体の意見をきかないで当該禁止をすることができるものとし、当該禁止をしたときは、すみやかに当該禁止をした旨及び禁止の期間を通知しなければならない。
6 公安委員会は、路上駐車場が設けられている道路の部分について、
第4条第1項の規定に基づき
第49条第1項の道路標識等により時間制限駐車区間として指定しようとするときは、当該路上駐車場を設置した地方公共団体の意見を聴かなければならない。
7 公安委員会は、駐車場法
第3条第1項に規定する駐車場整備地区内において、
第4条第1項の規定に基づき
第49条第1項の道路標識等により時間制限駐車区間を指定しようとする場合において、同法
第4条第1項の規定により駐車場整備計画(同条第2項第4号に掲げる事項が定められているものに限る。)が定められているときは、当該計画を定めた市町村の意見を聴かなければならない。
第111条 公安委員会は、この法律の規定により行なう道路における交通の規制の適正を図るため、道路における交通量、車両等の通行の経路その他道路の交通に関し必要な事項の調査をその管理に属する都道府県警察の警察官に行なわせることができる。
2 前項の規定による道路の交通に関する調査をするため特に必要があると認めるときは、当該警察官は、道路を通行する車両等の運転者に対し、当該調査をするため必要な限度において、一時当該車両等を停止することを求め、及び当該車両等の通行の経路について質問することができる。
3 公安委員会は、第1項の規定による調査を行なつた場合において、必要があると認めるときは、その道路の管理者又は関係行政庁に対し、意見を付してその調査の結果を通知するものとする。
第112条 都道府県は、第6章(第104条の4第6項を除く。)及び第6章の2の規定により公安委員会が行うものとされている事務に係る手数料の徴収については、次の各号に掲げる者から、それぞれ当該各号に定める手数料の種別ごとに政令で定める区分に応じて、物件費及び施設費に対応する部分として政令で定める額に人件費に対応する部分として政令で定める額を標準とする額を加えた額を徴収することを標準として条例を定めなければならない。
1.第89条第1項の規定による運転免許試験を受けようとする者運転免許試験手数料
1の2.第89条第2項の規定による検査を受けようとする者 検査手数料
2.第100条の2第1項の規定による再試験を受けようとする者再試験手数料
3.第92条第1項の規定による免許証の交付を受けようとする者免許証交付手数料
4.第94条第2項の規定による免許証の再交付を受けようとする者免許証再交付手数料
5.第101条第1項又は第101条の2第1項の規定による免許証の更新を受けようとする者免許証更新手数料
5の2.第101条の2の2第1項の規定により免許証の更新の申請をしようとする者 経由手数料
5の3.認知機能検査を受けようとする者 認知機能検査手数料
6.第91条の規定により運転することができる自動車等の種類を限定された者で、その限定の全部又は一部の解除を受けるため、公安委員会の審査を受けようとするもの審査手数料
7.第99条の2第4項の規定による技能検定員資格者証の交付を受けようとする者技能検定員資格者証交付手数料
8.第99条の2第4項第2号イの規定による審査を受けようとする者技能検定員審査手数料
9.第99条の3第4項の規定による教習指導員資格者証の交付を受けようとする者教習指導員資格者証交付手数料
10.第99条の3第4項第1号イの規定による審査を受けようとする者教習指導員審査手数料
11.第107条の7第1項の規定による国外運転免許証の交付を受けようとする者国外運転免許証交付手数料
12.第108条の2第1項各号に掲げる講習を受けようとする者講習手数料
13.初心運転者講習又は第108条の2第1項第13号に掲げる講習を受けようとする者通知手数料