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地滑り対策工事3人死傷、井戸内でエンジン作動

 長野県大鹿村の地滑り対策工事で設置された井戸「集水(せい)」(深さ約10メートル)内で、作業員の男性3人が死傷した事故で、事故当時、ガソリンを使うエンジン付き高圧洗浄機を井戸内で作動させていたことが22日、捜査関係者への取材でわかった。

 井戸内に空気を送る送風機も使っておらず、飯田署は3人が一酸化炭素中毒になった可能性があるとみて、安全管理に問題がなかったか調べている。

 捜査関係者によると、エンジン付きの高圧洗浄機は、井戸の底にたまった深さ約1メートルの水につかった状態で発見された。同署は、井戸内の階段に置いて使っていた洗浄機が、救出作業中に底に落ちたとみている。

 また、事故発生直後、現場に駆けつけた関係者によると、現場に送風機がなかったため、大鹿村内の建設業者に依頼し、約1時間後に1台持ってきてもらったという。酸素ボンベを背負った消防隊員が救助に入ったのは、送風機到着後で、この間、換気ができないままになっていたとみられる。

 労働安全衛生法は、井戸などの中で排ガスが出る内燃機関の使用を禁止しており、同法の酸素欠乏症等防止規則は、作業場所の酸素濃度が18%未満にならないよう定め、換気などの措置を義務付けている。

 事故は、21日正午頃発生。いずれも下請け会社の建設作業員、滝沢幸春さん(45)(飯田市下久堅)と、吉沢保さん(39)(同市白山町)が死亡。元請け会社の社員、林義彦さん(56)(高森町下市田)が重体となった。

2010年6月23日11時04分  読売新聞)
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