特許庁のコンピューターシステムを巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同庁先任審判官、志摩兆一郎容疑者(45)が、システムを策定する部署を異動した後も同僚を通じて入札に関する資料を入手し、情報システム最大手「NTTデータ」第1システム統括部長、沖良太郎容疑者(45)=贈賄容疑で逮捕=に東京・銀座や赤坂の飲食店などで手渡していたことが関係者への取材でわかった。警視庁捜査2課は23日、沖容疑者の勤務先の事務所(港区赤坂)を家宅捜索し、癒着の構造解明を進める。
経済産業省によると、志摩容疑者は01年1月~05年3月、審査官兼情報システム課課長補佐として、特許審査や業務の効率化を目的とした計画の策定を担当した。
関係者によると、05年4月に特許審査第4部上席審査官に異動した後も、システム課の元同僚から情報を聞き出したり、庁内システムにアクセスして資料を不正に入手。沖容疑者から飲食店などで接待を受けた際に手渡し、見返りに帰宅時のタクシー代を支払わせていたという。【酒井祥宏、川崎桂吾】
毎日新聞 2010年6月23日 15時00分(最終更新 6月23日 15時25分)