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マツダ11人殺傷容疑者「夜眠れん」と退職願

 広島市南区のマツダ本社工場で、元同社期間社員引寺(ひきじ)利明容疑者(42)が乗用車で同社社員らをはね、11人を殺傷した事件で、引寺容疑者が同社に勤務していた当時、「夜も眠れん」と不調を訴え、自ら退職を願い出ていたことが、マツダ関係者の話でわかった。

 職場ではいじめなどのトラブルもまったくなかったという。一方で、引寺容疑者は「マツダに恨みがあった」などと供述しており、広島県警捜査本部は、引寺容疑者が犯行に及ぶまでの具体的な動機の解明を急ぐ。

 マツダ関係者によると、引寺容疑者は今年3月、マツダに直接雇用される期間社員として採用され、本社宇品(うじな)工場で勤務。プラスチック課でバンパーの整備に従事していたが、その後「自分が仕事の間に誰かが自宅に入っとる。このままでは夜も眠れない」などと会社側に話し、実働8日間勤務しただけで退職したという。

 近所の住民らによると、引寺容疑者の父親はマツダで勤務していたといい、同容疑者自身も車好きだったという。

 2008年頃、広島県北部の同社関連の自動車部品工場で派遣社員として勤務したが、不景気の影響で3か月の契約は更新されなかった。特にトラブルにはならなかったといい、当時の同僚は「物静かな印象で仕事ぶりも問題はなかった」と話す。

 同捜査本部は23日、引寺容疑者を殺人未遂と銃刀法違反の両容疑で広島地検に送検した。

2010年6月23日14時52分  読売新聞)
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