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野球賭博、阿武松部屋が中心か

報道陣が集まった阿武松部屋(23日午前、千葉県習志野市で)=上甲鉄撮影

 大相撲の大関琴光喜(34)(佐渡ヶ嶽部屋)が野球賭博の「口止め料」を脅し取られたとされる問題で、警視庁は23日午前、恐喝容疑で逮捕状を取った元力士(38)の所在が不明だとして、立ち回り先などに捜査員を派遣し、身柄の確保に全力を挙げた。

 同庁では、野球賭博が、元力士の弟の幕下力士(34)や仲介役の床山(29)が所属する阿武松(おうのまつ)部屋を中心に行われたとみて、実態解明を進めている。

 同庁幹部によると、同庁はこれまでに、知人や関係者を通じて元力士に出頭を要請。ただ、知人らも本人と連絡が取れないという。

 また、複数の関係者や捜査関係者によると、元力士の逮捕状の容疑となった約350万円の恐喝は、琴光喜が昨年末頃、賭博の勝ち金の支払いを、元力士の弟の幕下力士に求めたことがきっかけだった。口止め料として要求された約350万円を元力士に支払った後、さらに約1億円の要求があったため、琴光喜は親しかった大嶽親方(42)(元関脇貴闘力)と時津風親方(36)(元幕内時津海)に相談。今年3月には、春場所が行われた大阪の路上で元力士側との話し合いを持ち、その場に大嶽親方もいたという。

 一方、琴光喜と賭博の胴元との仲介役になったと判明している床山は、幕下力士と同じ阿武松部屋の所属。同部屋ではほかにも、約10人の力士が野球賭博への関与を協会に申告しているほか、床山とは別の仲介役だった元幕下力士(34)も、4年前に引退するまで同部屋に所属していた。

 阿武松部屋は、押尾川部屋出身だった元関脇益荒雄が引退後の1995年4月、所属していた大鵬部屋から独立して千葉県習志野市に設立。琴光喜が所属する佐渡ヶ嶽部屋とは同じ二所ノ関一門で親密な関係だった。

 また、琴光喜と大嶽、時津風の両親方は、地方場所や巡業先などで一緒にいる姿が度々、目撃されており、ある関係者は3人について「仲が良かった」と話す。大嶽親方は場所中でも支度部屋に顔を出し、琴光喜と2人で話をしていたという。

2010年6月23日14時56分  読売新聞)
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