景気は上向きか? 夜間の遠距離客が増加=都内タクシー運転手の話

【PJニュース2010年6月23日】「最近の景気はどうですか」、「最近、少しは良くなってきたようですね」--。東京・目黒から乗ったタクシーのドライバーに聞いてみた。中年の運転手さんからはあまり聞かれなかった回答だ。いままで何回か聞いてきたが「悪いですね」ばかりだったので、タクシーに乗っても、しばらく景気の話はしなかった。なので、なんだか意外な気がした。

「それは、どういうところですか」と聞くと、「夜ですね。夜のお客が増えてきたように思います。夜に遠距離のお客に当たることが増えたようです」。へえ、そうですかと言うと、

「このあいだ夜、大崎から小手指(埼玉)まで乗せました」
「小手指というと、所沢の方ですね。それでいくらぐらいですか」
「2万円弱です」
「それなら、一日の稼ぎの2割以上になるんじゃあないですか」
「ええ、だいぶ楽になりますね。まあ昔は夜の11時前に遠距離で稼げて、早じまいなんて言うことも聞きましたから。まだかもしれませんが、明るさが見えてきたような気がします」

心なしか声も明るいような。

「会社のチケットが使えるようになったんでしょうか」
「いえ、会社のチケットはまだですが、夜の会があって、今までなら、11時頃にはそわそわしていたのが、遅くなっても車を使う人が出てきたと言うことなんでしょうね」

企業は、相変わらず引き締めているのだろうか。

「まだまだかも知れませんが、明るさが出てきたのはありがたいですね。」と言う話を聞きながら、政府が18日に発表した6月の月例経済報告の、「3ヵ月ぶり判断上方修正」を思い出し、大企業は、かなり回復してきたようだ。だが、失業率が高いのは、まだ景気回復に自信がないから人を雇えない。景気回復過程で、格差が広がっているのではないだろうか。不況の陰は最初に来て、好況は最後に来ると言われる、タクシー業界に本当に明るい兆しが出て来たのなら喜ばしいが。【了】

■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト　安居院 文男