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政策本位で政権を

2010年6月23日0時2分

 ぎりぎりセーフというのはこのことを言うのではないだろうか。国会運営のことである。野党時代の連携ならまだしも、基本的な主義主張が異なる政党が連立を組んで政権を樹立する。そのつけとして、今国会には必ずしも国民の共感を得られていない内容の重要法案がいくつか提出されていた。

 それが会期末近くでの内閣総辞職、新内閣発足を受け、辛うじて成立を免れたのである。多くの国民が望んでもいない政策が進められること、これは国家国民にとっての不幸である。道連れで未成立となった残念な法案もあるが、連立の弱みから小政党の主張を丸のみにした法案が日の目を見なかったことにホッと胸をなでおろしたのは筆者だけではあるまい。会期を延長しなかった背景には、単に参院選を目前に控えての有利不利の判断にとどまらない新首相の見識と覚悟があったものと思いたい。

 参院選後の臨時国会で通すという約束が与党間でできている法案もあるようだが、選挙後の連立解消に期待したい。もちろん単独過半数を一党で獲得できれば、それが一番すっきりする。だがそうならなかった時でも相手は選ばなければいけない。小政党のみに配慮した法案が成立すれば、国の将来に必ずや禍根を残す。数が必要なら基本政策が共通する人たちとの連携を模索すべきである。政権の枠組みが政策本位であるべきことは論をまたない。

 選挙を通して自らが信ずる政策の是非を国民に問い、支持が得られればひたすらその政策実現のために力を尽くす。それがまっとうな政治であり、国民の望むところである。政権交代はそういう時代の幕開けを告げるものだったはずである。(啄木鳥)

    ◇

 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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