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頭越し決定、「暴挙」と怒り=容認派「無駄な時間費やした」−共同声明に名護市民

頭越し決定、「暴挙」と怒り=容認派「無駄な時間費やした」−共同声明に名護市民

 「絶対引き受けない」「とんでもない暴挙」。米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府が名護市辺野古周辺への移設を明記した共同声明を発表したことに、市民からは激しい反対や怒りの声が相次いだ。
 沖縄戦で「ひめゆり学徒」として従軍し悲惨な地上戦を体験した、辺野古に住む宮城清子さん(84)。基地は戦争につながると指摘し「大反対だ。訓練による被害も予想され、絶対に引き受けるわけにはいかない」ときっぱり。この日午後、市内で開かれる抗議集会に出席し、改めて反対の意志を示すつもりだ。
 移設反対を訴え、辺野古で座り込み活動を続ける市民団体事務局長の当山栄さん(69)も「地元合意なしで頭越しに決定するとは、とんでもない暴挙だ」と憤りをあらわにした。
 名護市役所周辺では「辺野古移設を日米発表」と大見出しで伝える地元紙の号外が配られた。号外を受け取った同市大中の無職女性(68)は「とても残念。鳩山政権なら県外移設を実現してくれると信じていたのに、裏切られた」と言葉少なく語った。
 一方、「雇用増につながる」と移設を容認する辺野古住民の会社員許田正武さん(41)は、結果的に自民党政権当時の合意内容に回帰したことに「遠回りし無駄な時間を費やした」と批判。「安全と環境面への配慮など、住民生活への補償を政府に強く求めたい」と訴えた。(2010/05/28-13:25)


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