日本海軍の真珠湾攻撃による米側の主な損害は、戦艦5隻が沈没、戦艦4隻、巡洋艦、駆逐艦各3隻が損傷、飛行場への攻撃で航空機188機が破壊され、戦死・行方不明者も2300人を超えた。日本国内では12月8日早朝に米英と戦争状態に入ったことが公表され、同日夜にはハワイ攻撃により(1)米軍の戦艦2隻撃沈、さらに戦艦2隻大破、巡洋艦約4隻大破(2)ホノルル沖で潜水艦が米空母撃沈との未確認情報あり−といった戦果も発表された。
 嶋田繁太郎海軍大臣は12月17日、議会で「米国太平洋艦隊主力の大部はその戦闘力を喪失した」と報告。新聞も「太平洋での米国の攻撃作戦能力は完全に喪失した」と書き立て、国民は戦勝気分に沸き立った。
 しかしながら、与えた損害は米国の工業力を持ってすれば数カ月で回復できる程度でしかなく、長い目で見れば太平洋での作戦能力に大きな影響はなかった。