ハワイ北方海域にとどまっていた日本海軍機動部隊は、日本時間12月8日午前9時22分までに、第1次、第2次攻撃隊の収容を完了した。作戦計画では、2回の攻撃で十分な戦果がなかった場合、帰還した航空部隊に燃料と兵器を補充し、3回目以降の攻撃もあり得るとしていた。
 しかし、機動部隊指揮官の南雲中将は、最後まで真珠湾上空に留まって戦果を確認した淵田中佐の報告から、米太平洋艦隊に大打撃を与えたと判断。これ以上の攻撃は必要ないとして艦隊を帰投させることにした。
 また、機動部隊の脅威となる米軍の大型爆撃機を完全に無力化したという自信がなかったほか、ハワイ近海にいるはずの米空母2隻の動向がつかめないなどの不確定要素もあった。この決断を優柔不断と批判する向きもあるが、日本にとって虎の子の空母が無事でなければ始めたばかりの戦争が続けられないことも確かだった。