日本時間12月8日午前1時、ハワイ諸島北方約400キロの海域に到達した機動部隊は巡洋艦「利根」「筑摩」から水上機を射出し、オアフ島上空の偵察に向かわせた。
 東の空が白み始めた同1時20分に艦隊は風上に転針、同1時30分に空母6隻から第1次攻撃隊183機が発進した。海はかなり荒れており、空母のデッキは最大15度も傾いたが、攻撃隊はわずか15分で全機が離艦を完了した。同3時、偵察機から「真珠湾在泊艦は戦艦10、甲巡(重巡洋艦)1、乙巡(軽巡洋艦)10」という報告がもたらされた。
 第1次攻撃隊は、目標の上空を水平飛行しながら爆弾を落とす水平爆撃隊(97式艦上攻撃機)49機、魚雷で艦艇を攻撃する雷撃隊(同)40機、目標に急降下してピンポイント爆撃を行う急降下爆撃隊(99式艦上爆撃機)51機、敵の迎撃戦闘機から味方の攻撃隊を守る制空隊(零式艦上戦闘機)43機で構成されていた。発進後、一気に南下した攻撃隊は、オアフ島最北端のカフク岬を確認すると、部隊ごとに展開し、あらかじめ定められた攻撃目標へ向かった。