終戦特集(2)〜2・26事件
2・26事件で反乱部隊の本部が置かれた東京・永田町の山王ホテル。中央奥は集合した兵士たち【時事】 ※写真をクリックすると拡大します |
▼2・26事件1936(昭和11)年2月26日早朝、陸軍の青年将校に率いられた約1500人の反乱部隊が首相、蔵相、内相など政府首脳を襲撃した。さらに陸軍省、参謀本部、警視庁などを占拠、永田町周辺を封鎖した。襲撃で斎藤実内相、高橋是清蔵相、渡辺錠太郎陸軍教育総監が殺害され、鈴木貫太郎侍従長が重傷を負った。部隊を指揮した青年将校らは、陸軍部内で国家革新を目指した「皇道派」グループに属し、クーデターによる政権奪取を目指した。同じ皇道派の高級幕僚が呼応することを期待していたが、重臣を殺害された天皇が断固たる姿勢を示したことで、軍部内に反乱部隊を支持する動きは起きなかった。政府は27日、東京地区に戒厳令を発し、反乱鎮圧のため陸軍部隊を集めたほか、海軍艦艇を東京湾に向かわせた。結果的に大規模な戦闘には発展せず、29日に反乱部隊が帰順して事件は終結した。青年将校らは逮捕され、軍法会議で17人に死刑が宣告された。しかし、この事件以降、軍部が内閣人事に介入するなど政治的発言力を強め、太平洋戦争への道筋がつけられた。 |
||||||||||||||
|