サッカーW杯:全国に響いた応援の声(下)

 深夜3時ごろ、COEX(ソウル市江南区三成洞)前の永東大通も、赤いTシャツを着た市民で埋め尽くされた。市民は深夜にもかかわらず、赤いTシャツと赤く光る角がついたレッドデビル・ヘアバンドを身にまとい、通りに集まった。

 永東大通に設置された大型スクリーンの前に集まった市民5万人は、ほとんどが20-30代の若者だった。恋人や友人などを連れ立って集まった応援の人波は、ナイジェリア戦で敗れれば決勝T進出が果たせなくなるだけに、これまで以上に必死で声援を送った。

 この日、必死に応援する誰もが韓国の決勝T進出を疑わなかった。深夜0時ごろ会場にやって来たというイ・ヨングァンさん(23)は、「きょうは韓国が勝って決勝Tに進出すると思う」と話し、力強くブブゼラ(南アフリカの民族楽器)を吹き続けた。サラリーマンのキム・スハンさん(29)は、「試合を見た後、少し仮眠を取ってから会社に行く。昼間に眠くなってしまうかもしれないが、決勝T進出の喜びをこの場で皆と分かち合いたい」と述べた。

 深夜ということもあり、あちこちでうたた寝をする市民の姿も目についた。道路横の花壇に座ってうたた寝をしていた大学生イ・ミンヒさん(22)は、「昨日やっと期末テストが終ったので、少し寝不足だった。でも、試合が始まったら声が枯れるほど応援したい」と決意を示した。

 大型スクリーンの前にゴザを敷いてしばらく眠りについた自営業のソ・ヒョングさん(30)は、「試合開始を待ちながら、友人とボードゲームをして楽しんだ。ビールも飲んだため、周りがうるさくても眠気が襲ってきた。韓国代表がいい試合を見せてくれれば、眠気も吹っ飛ぶはずだ」と述べた。

 前半18分にナイジェリアに先制点を奪われると、あちこちから深いため息がこぼれた。試合開始直後から響き渡っていた「テーハンミングク」の声援も、あまり聞かれなくなった。ソウル・汝矣島の漢江公園に集まった8000人以上の市民のほとんどは、芝生に座りながら、電光板で試合を見守った。汝矣島の証券会社に勤務するチェ・アラムさん(31)は、「試合を見た後、すぐ会社に行こうと、同僚と一緒に応援にやって来た。少しも眠らずに応援するので負けるわけにはいかない。でもちょっと恐い」と不安そうな表情を見せたが、「とにかく仲間と楽しむためにやって来たから、試合の結果はそれほど重要なことではない」とすぐに明るい笑顔を取り戻した。

 準備した風船を横に置いてしばらく試合を見守っていた市民たちは、前半38分に李正秀(イ・ジョンス)の同点ゴールが飛び出すと、一斉に歓声を上げた。

 後半3分にも朴主永がゴールを決めると、ソウル広場は大歓声に包まれた。後半開始直後に「後半はとにかく朴主永選手が決めてくれる。勝点に関係なく、韓国がすっきりと勝って決勝Tに進出するはずだ」と確信していたというサラリーマンのオ・ソンファンさん(28)も、声を枯らしながら朴主永を応援した。広場に集まった市民たちは、レッドデビルズによる応援の太鼓に合わせ肩を組みながら、「アリラン」を合唱し、代表チームに熱い声援を送り続けた。

キム・チュンリョン記者

パク・ジンヨン記者

ソン・ウォンヒョン記者

ヤン・モドゥム記者

【ニュース特集】サッカーW杯南ア大会

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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