「よろしかったら、写真を2枚ほど撮らせていただきたいんですけど」「ドブスの写真集を作っていまして」−。
今月12日、JR立川駅改札口付近で通行中の女性に、こんな侮辱的な言葉をかけ、ビデオカメラのレンズを向けていたのは、首都大学東京システムデザイン学部4年の男子学生2人だった。
首都大広報担当者などによると、「ドブスを守る会」を名乗った男子学生2人が、立川駅改札口付近の“ロケ”で撮影した女性は計6人。うち2人の映像を「ユーチューブ」に投稿した。顔にモザイクをかけるなどの処理もせず、女性の顔が分かる状態のままアップしていたという。
動画を見た友人から「まずいのでは」と忠告され、14日深夜に1度削除したが、15日に再投稿。「2ちゃんねる」などのネットで批判が殺到したため、16日に改めて削除した。
無断で投稿された女性から、大学などへ苦情や抗議は22日の時点でないというが、首都大側は18日付のホームページでおわびを掲載。サンケイスポーツの取材に対し、「大学としても遺憾なこと。詳しい状況を把握してから、かかわった学生の処分を検討したい」などと述べた。
投稿された映像の冒頭では「今の日本においては、ドブスが絶滅の危機に瀕している…我が国から消えゆくドブスの姿を収めた写真集を作り始めた。これは写真集完成までの道程を記録した映像シリーズである」などというメッセージが流され、投稿内容は、素顔のまま投稿された女性らの肖像権どころか、人権すら否定するような失礼な内容となっている。
2人は大学の事情聴取に対し、「不道徳から生じるおかしみを表現したかった」などと言い訳したというが、自分たちの行動が不道徳きわまりないことに気付かなかったのか。4年生ということで、すでに就職も内定しているという。
「安易にこのような企画を実行し、撮影された人々の気持ちを考えず、迷惑をかけ反省している」などと話したというが、投稿にはさらに他の国立大学の学生が関与しているとされ、さらに首都大教職員が黙認していた疑惑も浮上。首都大では「調査委員会の立ち上げも検討している」と説明している。