サッカーW杯の日本‐オランダ戦(19日夜、テレビ朝日系)の平均視聴率が、関東地区で43・0%、関西地区で43・5%だったことが21日、ビデオリサーチの調べで分かった。一般的にサッカー熱が低いといわれる関西地区が、W杯本戦の視聴率で、関東地区を上回ったのは初めて。MF本田圭佑(24)=大阪府摂津市出身=をはじめ、過去の日本代表に比べ、主力に“関西人”が多いことが一因と見られている。
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カメルーン戦のゴールでさらに注目度が高まったサムライブルーの若きエース・本田。その効果は、早くも視聴率に表れた。
日本がW杯初出場を果たした1998年のフランス大会以降、今大会の初戦、カメルーン戦まで、視聴率は常に関東地区の方が高く、サッカー熱は“東高西低”とされてきた。02年日韓大会のクロアチア戦(フジ系)でも、関東の66・1%に対し関西は58・1%と、8%もの大差がついた。
しかし今大会は、大阪在住の祖父まで“時の人”となっている本田をはじめ、FW大久保、MF遠藤、MF松井ら、関西出身者および関西のJリーグクラブに所属経験のある選手が先発メンバーとして活躍。阪神タイガースに比べ、いまひとつ盛り上がりに欠けていたサッカー応援熱に一気に火がついたとみられる。
サッカー“西高東低”の歴史的一夜が刻まれた理由について、オランダ戦の中継局であるABCも「本田選手や大久保選手ら、関西に縁のある選手が活躍しているからでは」と分析した。
ただ視聴率だけでみると、土曜日の午後8時10分〜という時間帯にも関わらず、関東地区では、深夜3時30分からの中継だった06年ドイツ大会のブラジル戦を除くと過去最低。NHKのBSでも同時に中継されたことで、視聴率が“食われた”格好となった。
テレ朝は、決戦日の6月19日にちなみ、目標視聴率を61・9%と掲げていただけに、残念な結果に。ABCは「引き分けか勝つことができれば、もっと率が跳ね上がったと思う」と悔しがった。
なお瞬間最高視聴率は、東西とも試合終了時で、関東地区が55・4%、関西地区が55・3%だった。