理事長弟子雅山関与「責任は?」で逆ギレ
野球賭博問題で日本相撲協会が揺れに揺れている。21日、東京・両国国技館で臨時理事会を開いた。その後の記者会見で武蔵川理事長(62=元横綱三重ノ海)は、野球賭博への関与が判明した弟子の雅山(32)の監督責任で、進退に関する質問を連発されて逆ギレ。しかし他の理事の部屋からも関与者が判明と、協会幹部も「当事者」となる異常事態に陥った。過去最大の不祥事を解決するため、外部委員による特別調査委員会を発足。調査結果を受けた7月4日の臨時理事会で、賭博関与者の処分と名古屋場所(同11日初日、愛知県体育館)の開催是非を議論することになった。
武蔵川理事長の口調は徐々に強く、激しくなった。11日、親方、力士ら協会員に「上申書」と称する賭博についての調査を行った。申し出れば「厳重注意」にとどめると説明したが、方針は一転。上申書は警察に丸投げし、協会としても処分を下す可能性が出てきた。記者会見で「その責任についてどう思うか」と聞かれ、説明を始めた。
理事長 とにかくウミは全部出しきらないかんと思ったわけです。やり方として反省もありますけども反社会的勢力と付き合わせない、不祥事を起こさない、100%そういうものにして、そのあと責任をとる。それが責任だと思っています。
記者 警察の調べに対し、雅山が野球賭博への関与を認めた。この責任は
理事長 それは他の親方、師匠と同じ処分を、あるなら受けます。私だからと特別どうのこうのということはありません。
記者 進退については
理事長 先ほど言ったでしょ。
記者 すべて結果が出た後に考えるのか
理事長 解決をしなければ、我々が途中で責任を取っても解決にならないと思うんです。
記者 解決した後は辞任もありうるのか
理事長 今、そのコメントしなければいけないんですか?
記者 できることならば
理事長 できませんっ!
この日、正式発足した特別調査委員会の望月委員が「現在の執行部の方々にやめてほしいという意見はまったくありません。時間をかけて理事会も対応しているので、今の危機的状況を打破するのが理事会の一致した意見です」と助け舟を出し、何とかその場は収まった。
会見でキレるほど追い詰められた。雅山のほか、この日になって3人の関取が野球賭博に関与していたことが、協会関係者の話で分かった。問題の発端となった大関琴光喜と同じ佐渡ケ嶽部屋の琴奨菊、協会NO・2の出羽海事業部長(元関脇鷲羽山)の弟子・普天王、木瀬部屋の取りつぶしで現在は理事の北の湖部屋に所属する清瀬海の名前が明らかになった。
協会幹部が「当事者」となり、もはや自浄能力を発揮するどころではなくなった。発足した特別調査委員会はすべて外部の弁護士ら10人で組織された。今後、同委員会で再調査が行われ、7月4日の理事会で処分を決める。ここで、野球賭博関与者の実名が発表される可能性もある。同時に、名古屋場所を開催すべきかどうかも判断される。
「場所の開催自体を考えないといけない、相撲協会始まって以来の危機だ。これを逆にチャンスに変えないと」と武蔵川理事長は厳しい表情で言った。名古屋場所の開催を含め、協会としての機能を失った状態。1925年(大14)設立の伝統が「崩壊」の危機に直面した。
[2010年6月22日9時31分 紙面から]
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