広島市にある自動車メーカー、マツダの工場で、元期間従業員の男が乗用車で社員らを次々にはねて1人が死亡、10人がけがをしました。逮捕された男は「マツダに恨みがあり、人を殺すつもりではねた」と供述し、現場にはブレーキをかけた跡がなかったということで、警察は強い殺意があったとみて調べています。
22日午前7時40分ごろ、広島市南区にあるマツダの宇品工場に男が乗用車で、警備員の静止を振り切って侵入し、工場内を走り回りながら社員らを次々にはねたあと、工場から車で逃げました。マツダの社員、浜田博志さん(39)が死亡したほか、10人がけがをし、このうち29歳と36歳の男性2人が頭などに大けがをしました。乗用車を運転していたのは、工場の期間従業員だった広島市安佐南区の引寺利明容疑者(42)で「自分がやった」と警察に通報し、隣接する府中町内の路上で殺人未遂などの疑いで逮捕されました。警察の調べによりますと、引寺容疑者は工場内を5キロ以上にわたって車を走らせ、あわせて7か所で社員らをはねましたが、いずれの現場にもブレーキをかけた跡はなかったということです。警察によりますと、引寺容疑者は「2か月前にマツダを退職し、恨みがあった。むしゃくしゃして人を殺すつもりではねた。マツダの中で車を止めて包丁を振り回してやろうと思った」などと供述しているということです。引寺容疑者の車の中からは包丁が見つかっているということで、警察は強い殺意があったとみて調べています。