宝くじの「販売権」を売ると偽り現金400万円をだまし取った詐欺容疑で先月24日、民主党の小宮山泰子衆院議員(45)の実兄、徹容疑者(48)ら男2人が警視庁に逮捕された。その事件で、小宮山容疑者らが経営する宝くじ販売会社の取締役に、別の融資詐欺事件で昨年秋に逮捕された人物が現在も含まれていることが分かった。この会社はかつて、小宮山議員本人も取締役に名を連ね、昨年までは実母が社長を務めていた。
小宮山容疑者ら2人は、宝くじ販売権の譲渡が当せん金付証票法(=宝くじ法)で禁じられていることを知りながら、都内の会社役員(45)に「うちの会社で所有している宝くじ売り場の権利を譲る」とうそをつき、昨年6月、現金400万円を詐取した疑い。2人は、関東で約20店舗を展開する宝くじ販売会社「ニューロッタリーサービス」を経営していた。
宝くじ販売は、国に許可を受けた都道府県や政令指定都市でのみ認められている。自治体は、運営全般を金融機関(=みずほ銀行)に委託し、金融機関が再委託した個人や企業が小売りする。
「宝くじに『販売権』は存在せず、みずほ銀行宝くじ部が審査のうえで委託先を決めます。近隣販売店や、みずほ銀の支店との距離、一定の売り上げが見込める場所などが審査の対象です。ただ、安定した売り上げが見込める駅前や繁華街はすでに飽和状態です」(宝くじ関係者)
つまり小宮山容疑者は、ありもしない「宝くじ販売権」で詐欺を働いたわけだ。しかも小宮山容疑者の会社には、内装工事業者を装って大手信用金庫から中小企業向け融資1250万円をだまし取った詐欺容疑で昨年10月に逮捕された人物が今も取締役として名を連ねている。
この人物を逮捕した神奈川県警は、詐欺の“指南役”がいたとみて捜査を続けている。
「小宮山容疑者は今回の販売権詐欺以外にも複数の怪しげな話を各所に持ちかけている。それと関係があるのか、小宮山容疑者が400万円を詐取した翌月の昨年7月に実母は社長を辞任しています。いずれにしても、小宮山家が深く関与するニューロッタリーサービス社には注目しています」(捜査関係者)
小宮山泰子事務所は、夕刊フジの取材に「代議士は衆議院初当選以前、(同社の)取締役に名を連ねており、代議士の実母が代表取締役として登記されていたことも承知していますが、在任期間は分かりません。また、融資詐欺の逮捕者が取締役に登記されているかどうかについても分かりません。ただ、代議士と実母のいずれも、宝くじ販売権詐欺や融資詐欺事件とは一切関わりありません」としている。