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本当に国家解体を目指す革命政権だったようです

2010/06/22 14:51

 

 

 さて、一見現実路線をとっている菅政権・民主党政権を考える上での一つのキーワードは、「政治学者の松下圭一氏」ということになろうかと思います。今朝の産経の新民主党解剖第6部「革命政権の行方」でも書きましたが、菅首相は11日の所信表明演説でこう述べています。

 

     

 

 《私の基本的な政治理念は、国民が政治に参加する真の民主主義の実現です。その原点は、政治学者である松下圭一先生に学んだ「市民自治の思想」です。》

 

     

 

 また、菅首相は著書「大臣」の中でこうも書いています。相当、傾倒していることが分かりますね。

 

 《私が政治家となって政治、行政の場で活動するにあたり、常に基本としていたのは、この本(松下著「市民自治の憲法理論」)に書かれている憲法理論だったと思う。それは大臣になったときも同様だった。「松下理論を現実の政治の場で実践する」というのが、松下先生の〝不肖の弟子〟である私の基本的スタンスだった。》

 

     

 

 そして、興味深いことに、仙谷由人官房長官もこの松下氏の信奉者なのです。仙谷氏は早野透著「政治家の本棚」の中で、松下氏の著書についてこう語っています。

 

 《仙谷氏 (前略)まくら元に置いて、年中読んでいましたね。

早野氏 松下さんのこの本は、民主党の路線につながる基本哲学ですね。

仙谷氏 あの時代にいまの社会を見通していた。天才的ですね。》

 

   

 

 菅首相が仙谷氏らとともに平成4年、社会党、社民連、連合議員らを集めてつくった政策研究会「シリウス」の第一回勉強会で、講師を務めたのも松下氏でした。当時、社会党参院議員としてシリウスに参加していた小林正氏は、こう語っています。

 

 「あのころ、仙谷氏は『ポスト・モダン』という言葉をしょっちゅう口にしていた。つまり、王政などの『プレ・モダン(前近代)』から主権国家の『モダン(近代)』の時代となり、今後は最終的に国家が崩壊し、『ポスト・モダン』(近代の次)の時代となる。仙谷氏の考えは、国家は国際的には国際連合などに統合され、国内的には地域に主権が移っていくというもので、国家の解体思想だった。国家という責任の主体はなくなっていくのだが、しかしそこにもリーダーは必要だ。私たちは、それは結局、独裁になるのではないかと反論した」

 

     

 

 …菅首相がかつて周囲に「民主主義とは、政権交代可能な独裁だ」と持論を話していたのと合わせ、非常に興味深いと感じました。そこで、実際に松下氏の言葉を著書からいくつか拾って紹介したいと思います。

 

 《国家観念を主権主体として擬人化する考え方は今日破綻したとみています。(中略)国家法人説をふくむ国家観念の主体性は破綻します。》(「日本の自治・分権」)

 

 《私たちは、明治以降、戦後もひきつづいて、あまりにも国家観念に呪縛されつづけてきました。この明治国家は、今日の分権化・国際化のおおきなうねりのなかで、解体・再編が必要となっています》(同)

 

 《神秘的実体感をもっている明治以来の「国家」観念も色あせ、国家イメージは「市民」と「政府」のイメージへと分解し、政府イメージも自治体政府と中央政府へと分節化されていき、政治の脱魔術化が可能となるのである。》(「市民自治の憲法理論」)

 

 《政府信託論では市民はいつでも政府への信託を解除できます。これが選挙ないし革命です。》(「日本の自治・分権」)

 

 《(住民)選挙は抵抗ないし革命の日常化という意義をもつ》(「市民自治の憲法理論」)

 

     

 

 …こうして見てくると、「国というものが何だかよく分からない」「日本列島は日本人だけの所有物ではない」と語る鳩山由紀夫前首相にも共通するものがあると感じます。以前のエントリでも触れましたが、鳩山氏のブレーンとされた平田オリザ氏は2月のシンポジウムでこう語りました。

 

 「鳩山さんとも話をしているのは、政治家は非常に言いにくいことだけれども、21世紀は、近代国家をどういうふうに解体していくかという100年になると」

 

     

 

 私は今朝の民主党解剖で《旧来型の社会主義革命とは別の、独自の革命像を追い求めているのか》と書きましたが、この人たちは本当に革命と国家解体を目指していたのだということが、改めてよく分かりました。これがわが国を支配している人たちの現実なのだと思うと…日本はどこへ向かうのでしょうね。

 

     

 

 …しっかし、菅氏や仙谷氏、また枝野幸男幹事長らは、鳩山氏と違って本音を隠してことを進めるずるがしこさを持っていそうですからねえ。なかなか付き合うのがしんどい政権だと実感しています。やれやれ。

 

     

 

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コメント(5)

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2010/06/22 14:59

Commented by 佐衛門 さん

仙石は確信犯なんだろうが、
このズラ菅はただのかっこ付けなんだろうと思いますよ。
成り上がる為に利用できる物だったら何でも良い。
この男の半生を知るにつけそう思います。

オバマとでも硬い握手を勿論するんでしょうね、
来月ですか。

 
 

2010/06/22 15:21

Commented by その蜩 さん

大新聞の一線記者さんがエイプリフールではなくこんな記事を載せる時が来るとは。
予想はしてましたが、本当にそういう時代が来てしまったんだなあと、虚脱感すら覚えますね。
勿論、阿比留さんがおかしい記事を書いていると言う意味ではなく、こんな記事が載る事自体が、この国の今の異常さというのを如実に表してるなと…。
普通の国なら、ここに至るまでにもっと国民は騒いでると思います。

正に、鳩山氏が政権交代時に言った無血クーデターというのは本当の事だったと言うわけですね…。

ズル管閣下はとぼけたようで相当したたかで黒いと思いますよ。
彼からすると、待ちに待ってやっと転がって来た本物の権力。
これで大願成就してやりたい事をやれるというところでしょう。
参院選の民主党大勝後、日本は本当に意味での変革期を迎えるのでしょうか。

 
 

2010/06/22 15:21

Commented by gtea さん

阿比留さん、今日は。いつも、更新ご苦労さまです。
今朝の「新民主党解剖」興味深く読みました。この松下圭一氏の著書は手に取った事はありませんが、国家を否定して世界連邦政府でも置け、と言ってるんですかね(そう単純じゃないかもしれませんが)。
そんな物に惹きつけられたから、こんな政治家が誕生したのか、それとも元々自分の心情に合っていたから、この方の著作を読み耽ったのかは解りませんが、保守の側から見れば理解しがたいのは、共産主義者と同じで、こういった考えの人間が最高権力者である日本は間違い無く世界中でも稀な、政治とかけ離れた所でも一般国民が豊かに暮らせる"楽園"だと思います。しかし、その楽園であるが故に、政治に無関心な層が増え続けた結果が今日の危機を招いている、と思うと、何が良いのやら解らなくなってしまいます。

 
 

2010/06/22 16:13

Commented by nagar さん

阿比留瑠比さん いつも掛値のないコメントに敬意を表しております。
「何事も票決によろうとするある学校で男女の比率が女子の方が過半数を越えているクラスでトイレ掃除は今後男子のみにしようと言う提案をする」
民主党の姿を私なりにはこのように捉えています。

さて今回の参院選の結果で有権者の賢愚がリトマス試験紙にかけられるものと思っています。
巧言令色を用い過半数を獲ってしまえばこっちのものだと考えている彼らの思惑に乗せられるかどうか見ものです。

 
 

2010/06/22 16:20

Commented by siegfried さん

 松下某については私は知りませんが、中国系日本人を大臣にした時点で、イラ菅の考えがはっきりわかります。ところで、彼の外国系大臣は日本国家を歌えるのでしょうか。阿比留先生一度聞いてみて下さい。

 
 
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2010/06/22 15:47

日本のGDP 外需が内需を支えている ? 〜 決して戦前も、ひどい軍事国家ではなかった [うぃすぱー・ぼいす]

 

このシリーズの最後として、日本を支えている外需の重要性と並んで、日米関係の重要性について簡単に触れておきたい。 自分はマスコミが今ほど反日だの売国だのと騒がれだす少し前、NHK特集の原爆特集などを見て…