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「口蹄疫 ブランド守ろうと対応甘く」

2010年06月22日

■東北大名誉教授が発言

 県主催の国営諫早湾干拓事業の地域説明会が20日、諫早市であり、江刺洋司・東北大名誉教授(環境生物学)が講演した。この中で、有明海のノリ養殖に使う酸処理剤に対する国の規制を批判する際、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)への宮崎県の対応を引き合いに出し、「宮崎牛のブランドを守ろうとして甘くなった」という趣旨の発言をした。

 江刺氏は講演で、有明海異変の主な原因はノリ養殖に使う酸処理剤であり、干拓事業は無関係と主張。養殖業者に酸処理剤の禁止を徹底し切れなかったことなどが汚染を招き、漁獲量の激減につながったとして水産庁の対応を批判した。その際、口蹄疫問題に触れ、「(宮崎県の例は)ブランド名を守らんがための人災」「霜降りのブランド宮崎牛にしようとして口蹄疫を発生させたのが、(宮崎県の)知事さん」と発言した。

 説明会後、江刺氏は朝日新聞の取材に対し、「韓国で口蹄疫が発生したと、テレビなどが1月にニュースを流したがその時に、なぜ家畜の採血をするなど詳しく調べなかったのか。宮崎はブランドを守ろうとして対応の感度が鈍くなり、緊張感がなさすぎた。そのことを有明海のノリ養殖の酸処理剤への国の対応に絡めて話した」と説明した。県農林部は「口蹄疫で苦しむ宮崎に頑張れと叱咤(しった)激励したものだと思う」としている。(加藤勝利)

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