高木マニア堂

何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。

195:業界の覚悟問われるライセンス制度

スポーツ2010年06月21日 09:00 | フォルダ : 

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<2009年4月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>

 新日本、全日本、ノアの3団体が合同で、レスラーのライセンス制度導入に動き出している。

 自分で名乗れば、誰でもその日からプロレスラーになれてしまう時代。そんな風潮にクサビを打つべく、3団体が歩み寄ったのだから、素晴らしき前進だ。

 だが、ちょっと待て。統一機構が存在しないのに発行されてしまうライセンスって一体何なんだ? ノアが旗振り役となって2006年に始動したGPWAが母体となるのなら分かるが、新日本も全日本もGPWA非加盟団体だったはず。となると、この先、GPWAとはまた別な統一機構が誕生するのだろうか。

 プロレスのレベル、地位、品格を守るためにも、何とかライセンス制度を有名無実化せず、有効活用して欲しいものだ。

 ライセンス制度が語られるとき、とかくヤリ玉に挙げられるのが、レスラーとしての最低限の肉体、技術をも持ち合わせていないインディ系の選手だ。
たしかに虚弱な肉体、乏しい技術は事故や怪我のもと。そういったレベルの低い選手が業界全体のイメージを悪くしているのは否めない。

 だが、同じぐらい危険視しなければならないのは、今も普通にリングに上がり続けている50歳をも、とうに過ぎた高齢選手の存在だ。

〝レジェンド〟なんて耳障りの良い言葉に騙されてはいけない。高齢の選手がリングに上がるリスクは高い。プロレスは他のスポーツと比べて、キャリアがモノを言う世界でもある。だからこそ老害の影響も大きく、若い選手の
成長をも妨げ、業界全体が負のスパイラルに陥りやすくなる…。

 プロレスが競技スポーツではなく、観賞用スポーツであるからそ、醜い老体をリングで晒すのは「悪」なのである。

 だが集客力や話題性を考えた場合、ゴールデンタイムの時代に全国区で名前を売っていた高齢選手の存在が欠かせないのも事実だ。

 名もなきインディ系選手にライセンスを発行しないのは簡単だ。だが名のある大御所選手に、高齢や醜い肉体を理由にライセンス発行を拒否できるか?
 各団体が営業サイドの台所事情をも省みず、キッチリと線引きできるかどうか? 覚悟が問われる。これはある種の踏み絵でもある。

 他にも脳や内蔵に疾患を抱えた選手へのライセンス停止。薬物問題(筋肉増強剤や睡眠薬、痛み止めなどの過剰摂取。副作用による精神不安定)のチェック機関設立など、ライセンス導入とともに、始めなければならない課題は山積みだ。

 第三者を招き、これらの問題にまでキチンとメスを入れない限りは、今回のライセンス制度導入案も、単に「メジャー系3団体による談合」と笑われて終わることだろう。

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