サッカーW杯:北朝鮮応援団が奉恩寺に集結

左派団体主催、「韓半島旗」振り北の歌謡曲

 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会グループリーグG組第2戦、北朝鮮対ポルトガルの試合が行われた21日夜、奉恩寺(ソウル市江南区三成洞)大雄殿隣りの普雨堂前では、左派団体メンバーの一部が北朝鮮代表を応援した。

 「真実を知らせる市民の集い」という団体や、「ラジオ21」というインターネット・ラジオ・メディアなどが開催したこの北朝鮮応援イベントには約600人が集まり、北朝鮮代表に熱い声援を送った。

 奉恩寺側は「一部団体が『応援の準備をしてくるから』と言ったので、場所を提供した」と説明。奉恩寺は、曹渓宗が直接、寺の運営をすることになったことについて、政府与党からの外圧があったとして、政権側と対立している状況だ。

 奉恩寺の住職ミョンジン師は試合前に舞台に立ち、「北朝鮮が『ソウルを火の海にする』などと荒々しい言葉を投げかけたこの時期に、皆さんと一緒に北朝鮮代表を応援することになったのは意義がある。『保守派』だとか『進歩派』だとかということを離れ、(北朝鮮代表の)鄭大世(チョン・テセ)のパスを(韓国代表の)朴智星(パク・チソン)がゴールし、朴智星のパスを鄭大世がヘディングでゴールに入れるその日こそ、統一だと思う」と述べた。

 応援団は、北朝鮮が前半に最初のゴールを奪われても、「大丈夫、大丈夫」と声をかけていたが、北朝鮮が7-0で惨敗すると、気が抜けて立ち上がることすらできない様子だった。応援団は試合が終わるまで韓国国旗の「太極旗」でなく、韓半島(朝鮮半島)の形が水色で描かれた「韓半島旗」を振り、応援を続けた。一部は「one corea(一つのコリア)」「わたしたちは一つだ」と書かれたプラカードを掲げた。応援団は試合開始に先立ち、主催者側がスピーカーで流した北朝鮮の歌謡曲『パンガプスムニダ(お会いできてうれしいです)』を歌った。試合が終わり、境内に同じく北の歌謡曲『わたしたちの願いは統一』が流されると、参加者の一部は涙をぬぐいながら歌を歌う光景も見られた。

 応援をする人々の中に、韓国応援団のシンボルである赤いTシャツを着た人は半分もいなかった。家族連れで参加した人も多くはなかった。

ヤン・モドゥム記者

【ニュース特集】サッカーW杯南ア大会

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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