【社会】相撲案内所前代表が元組員 委託契約を解除2010年6月22日 09時13分 7月の大相撲名古屋場所を共催する日本相撲協会と中日新聞社は21日、入場券の代行販売を委託していた相撲案内所(お茶屋)の代表が元暴力団組員だったとして、委託契約を解除したと発表した。 関係者によると、同案内所は名古屋市北区に事務所を構え、今場所は入場券約3000人分を販売。昨年の名古屋場所で暴力団幹部らが特別席「維持員席」で観戦した問題では、使用された6席のうち2席の販売元だった。 この問題を受けて相撲協会は5月下旬、規則に反社会的勢力とは一切、関係を持たないなどとする項目を追加した。「暴力団の構成員でなくなった日から、5年経過しない者」も対象にした。 新規則を踏まえ、警視庁に相談したところ同案内所の代表について「昨年10月中旬まで、暴力団に所属していた」と指摘があった。 3月の契約更新時に同協会は同案内所から「反社会的勢力と交流しない」との誓約書を提出させていたが、代表が元組員とは気付かずに契約したという。その後、代表は辞任していた。 同案内所が未販売の入場券約900人分は主催者側が引き取る。 警察当局によると、同案内所は昨年の名古屋場所で木瀬親方(40)に維持員席の整理券を販売。券は、親方の知人らを経て暴力団幹部の観戦に使われた。 ◇ この相撲案内所経由で既に販売された名古屋場所の入場券は主催者との契約が解除されても、そのまま使える。升席などの入場券とセットで販売された客席への案内や弁当、飲み物、土産物などのサービスは名古屋場所の入場券販売を請け負う業者でつくる「相撲案内所組合」などが引き継いで対応。主催者は「お客さまに迷惑をかけないよう最大限、対応したい」と話している。問い合わせは平日午前10時から午後5時まで、名古屋場所先発事務所=(電)052(962)9300=へ。 (中日新聞)
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