宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が拡大していることを受け、熊本県は15日午前9時半から、県境に近い人吉市大畑町の国道221号で、宮崎県側から人吉市に入る一般車両にも消毒措置を始める。畜産関係トラック向けの従来の噴霧消毒とは異なり、道路上に消毒液を浸したマットを敷き、徐行してもらう簡易型の消毒にする。一般車両への消毒措置は県内で初めて。
熊本県内には現在計9カ所の消毒ポイントがあり、畜産農家に出入りするトラックへの消毒を実施している。このうち国道221号は、口蹄疫が4例発生した宮崎県えびの市と人吉市を結ぶ幹線道路のため、万全の対策をとることにした。
現地では、人吉市方面に向かう国道上で、一般車両向けの簡易消毒を行うほか、道路沿いのスペースで畜産関係トラックに噴霧器による消毒を継続。消毒措置には強制力がないため、協力を得られない車用のレーンも設ける。24時間態勢で誘導員を置く。
県球磨地域振興局によると、現地では宮崎県方面から1日約2千台の車が通る。宮尾尚局長は「被害拡大を防ぐため協力を」と呼び掛けている。
県はまた、17日から新たに人吉市木地屋町の国道267号と、山都町塩原の同265号の2カ所に消毒ポイントを設置すると発表した。
=2010/05/15付 西日本新聞朝刊=