宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の被害が拡大している問題で、県は16日未明、宮崎牛をはじめブランド牛の種牛などを飼育している県家畜改良事業団(高鍋町)の施設で、感染した疑いのある牛が見つかったと発表した。種牛49頭、肥育牛259頭の計308頭を処分する。先に特例で避難させた6頭の種牛は厳重な監視の下で経過観察する方針。県はこれまで、家畜伝染病予防法に基づく国の指針に沿って、同じ施設で飼育してきた牛や豚はすべて処分してきており異例の対応となる。
県によると、事業団で飼育している牛に初期症状が出たため、農林水産省に遺伝子検査を依頼したところ、15日になって感染の疑いを示す陽性と判明したという。感染疑いのある牛や豚が見つかったのは、都農(つの)町、川南(かわみなみ)町、えびの市に続き、高鍋町が4市町目となる。
同事業団は、被害が集中している川南町に隣接し、家畜の移動が禁止されていた区域にあった。12日になって約2キロ離れた同町内の農場で感染の疑いのある牛が見つかったため、県は特に貴重な種牛6頭について、国の許可を得て特例措置として同区域外に移動。県はこの6頭については検査の結果、感染の疑いはないと説明している。
県は16日未明、新たに同施設など10カ所で感染の疑いのある牛や豚が見つかったと発表。これで計101カ所となる。
=2010/05/16付 西日本新聞朝刊=