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東京スカイツリー「落ちぬ・落とさぬ」確実に

6月22日7時26分配信 読売新聞

東京スカイツリー「落ちぬ・落とさぬ」確実に
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工事が進む第1展望台の高さ約350メートル付近(11日、読売ヘリから)
 現在398メートルにまで達した東京スカイツリー(東京都墨田区)は、7月中に400メートルを超える見通しだ。

 自立式の電波塔として、「世界一」の高さ634メートルを目指す建設工事は、過去に例がない高所での作業が求められる。安全を確保するため、どんな工夫が施されているのか。

 東武伊勢崎線「業平橋駅」のホームや線路、そして民家が密集する住宅地。スカイツリーの真下では、電車が行き交い、周辺の路上では、近隣の住民が工事を見上げながら歩いている。そんな中、もしボルトが1本でも落ちたとしたら……。

 横浜ランドマークタワー(高さ296メートル)など、これまでの超高層ビルの建築と、スカイツリーの工事が大きく異なっているのは、こうした周辺の立地条件。このため施工会社の「大林組」も、工事にあたって様々な安全対策を導入している。

 同社はまず、巨大な鉄骨をクレーンで引き上げる前に、地上で作業員の足場を鉄骨に取り付けておくアイデアを導入した。これだと、足場を高所で組む必要がなくなるので、作業員の転落や工具の落下などの危険を減らすことにつながる。

 さらに、高所で工事にあたる作業員の恐怖心を和らげるため、足場を蚊帳のような青いネットで覆い、その内側に風よけのシートも張ることにした。作業員は2本の命綱は着けていて、足場を移ろうとして1本を外しても、残る1本があるから安全に移動できる。工具やボールペンも腰ひもなどに結ばれ、さらに真下の線路上には、約100メートルにわたって巨大な鉄製パネルが設置されている。

 これらの工夫のおかげもあって、2008年7月に工事が始まってから、転落や落下の事故は全く起きていないが、都心で41年ぶりに最も遅い雪が降った4月17日、対策の再検討を迫られる事態になった。

 事業会社の東武タワースカイツリーによると、タワーに付着したとみられる雪の塊が周辺の商店付近に落下。負傷者こそ出なかったものの、住民たちからは、「頭に当たったら大変なことになったのでは」などという声もあがった。

 スカイツリーの鉄骨には、撥水(はっすい)性の高い塗装が施され、雪が付着しにくくなっている。それでも、100メートル以上も離れた場所で、落下したとみられる雪の塊が見つかったこともあった。

 これからスカイツリーが高くなるにつれ、現場の作業員たちにとっては、未知の強風や突風に対応せざるを得ない可能性がある。

 工事が終わる予定の来年末までには、想定外の異常気象に見舞われることも考えられる。「相手は自然。安全対策を施してはいるが、想定外の事態が起こりうるので、検証を重ね経験を積む中で対応していきたい」。東武タワースカイツリーの担当者はそうコメントしている。(竹下誠)

最終更新:6月22日7時26分

読売新聞

 

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