1球に泣いた。7イニングで3失点(自責2)なら先発として合格点、しかも相手が巨人となれば胸を張れる。ただ、打たれた内容が悪かった。川井が阿部に逆転2ランを浴びて今季2敗目、対巨人は昨年から3連敗だ。
「あの1球だけですね。あの1球でゲームの流れが変わった。高さはいいとしても甘くなってしまって…。外に投げていれば。きっちり投げようと思ったのがよくなかったのかもしれません」
悔やみきれない1球は1点リードの2回だった。無死二塁、カウント2ストライク2ボールからの5球目直球を左中間スタンドまで運ばれた。高低でいえば低め。完全な“失投”とはいえないが、絶好調の阿部には許されない1球だった。
ただ、通用することは証明できた。7イニングで計4安打。昨年被打率3割3分3厘の坂本、小笠原ともに無安打に封じ込んだ。昨年17打数13安打と打ち込まれたラミレスにこそ5回2死一塁から左前打を許したが、一発は許さなかった。味方の援護がなく負け投手にはなったが、次回につながる内容だったのだ。
「粘れたことはよかったと思う」。反省を忘れず、川井は次戦へと立ち向かう。 (兼田康次)
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