巨人−中日 9回表2死一塁、左飛に倒れ試合終了、引き揚げる和田。左はクルーン=東京ドームで(佐藤哲紀撮影)
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悔しい敗戦となった。20日の巨人戦(東京ドーム)。中日は先発の川井雄太投手(30)が踏ん張ったが、打線の援護もなくこれで開幕から巨人に3カード連続で負け越し。ゲーム差も再び7に。願うは猛打復活。カギは4番に座る和田一浩外野手(38)が握る。
◆巨人5−2中日
逆転へ夢をつないだはずの飛球も、あえなく左翼手にキャッチされた。3点を追う9回2死一塁。打球の行方を確認した新4番の和田は悔しそうにうつむいた。リーグ戦再開後、いきなりの首位との直接対決。勝ち越しをもくろんで乗り込んだはずが、まさかの負け越し。痛恨。ゲーム差は「7」にまで広がった。
またしても巨人先発の藤井を打ち崩せなかった。6イニングで2得点。7イニング無得点だった前回に続く黒星で今季は2戦2敗となった。「いつも通りの投球で、特別に変わった感じはしなかった」と和田。石嶺打撃コーチは「低めの変化球に手を出すと苦しくなる」と悔しがった。
最後の打者として、敗戦の象徴になってしまった和田。責任を背負い込むかのように話した。「点を取るのがクリーンアップの仕事なんですけど…」。10日の楽天戦(Kスタ宮城)からブランコに代わり、4番打者を任されているが、なかなか思うような結果は出ていない。25打数5安打で打率は2割ちょうど。しかも今回の巨人3連戦では、11打数無安打とブレーキになった。
ただ黙って手をこまねいているわけではない。実は19日の試合後、選手ではただ1人、東京ドームに居残り、約30分間もブルペンで打撃練習をしていた。石嶺、井上両打撃コーチの指導を仰いだ。本拠地での試合後の特打はさほど珍しくないが、ビジターでは異例中の異例といっていい。
「あまりにも悪すぎるので。自分のチェックポイントはあります」。この日の結果にはつながらなかったが、浮上のきっかけをつかもうと、必死にもがいている。そうやって厳しいプロの世界で14年も生きてきた。
「修正? 結局は試合の中で直していくしかない」と和田。敗戦は痛いが、まだ開幕から66試合。シーズンは半分以上も残っている。新4番の強い気持ちを反攻の旗印に、奇跡の逆転優勝だけを目指す。 (清水裕介)
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