住職と母親殺害し現金奪った千葉正子被告に死刑判決・盛岡

岩手県一関市東山町で、遠応寺の住職と住職の母親を殺害し現金を奪い、強盗殺人の罪に問われた一関市東山町長坂、元飲食店店員千葉正子被告（４６）に対し、盛岡地裁は求刑通り死刑判決を下した。

千葉容疑者は昨年６月１１日午後８時３０分ごろ、遠応寺の住居部分に進入し、勤め先のラーメン店から持ち出した包丁で、住職の鈴木秀良さん（当時５９歳）の胸を刺して殺害。その後、母親のウメ子さん（当時８１歳）の頭を灰皿で数回殴り、包丁で首や胸を刺して殺害し、室内から現金約１５万円を奪った。

千葉被告はパチンコ代などで消費者金融や親族から借りた金の返済に困り強盗を計画し実行した。

（画像：上／千葉正子容疑者・下／殺害された鈴木秀良さんと母親）

裁判詳細↓

判決公判は８日、盛岡地裁で開かれ、佐々木直人裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

佐々木裁判長は争点となっていた「殺害時点での強盗目的の有無」について、弁護側が犯行の衝動性として主張していた「住職に言われた侮辱的な言葉」を「なかったとまでは言えない」と一部認めたものの、「遠応寺訪問以前に決意した強盗殺人の計画に基づき、犯行を行ったことが強く推認できる」と計画性を指摘し、強盗目的を認定した。

動機については「消費者金融からの借金や、家計が逼迫（ひっぱく）する危険性から、自分の借金だけでも一括返済したいと思った」とし、「被害者に対する情け容赦ない一方的な攻撃の非情さは筆舌に尽くしがたい」と酌量の余地はないと位置付けた。

今回の裁判では「殺害時点での強盗目的の有無」が争点になり、弁護側は「住職に侮辱的な言葉を言われ、衝動的に殺した」と計画性を否定。殺人と窃盗罪の適用を求めていた。