宮崎県で口蹄疫(こうていえき)に感染した牛が相次いで見つかっている問題で、県は27日、県内4253戸の全畜産農家に、感染防止のための消毒剤の購入費を全額補助する方針を明らかにした。農業団体を通じて5月中にも配布する予定。同日開かれた自民党県連の「口蹄疫等対策本部」の初会合で県畜産課が説明した。
農水省は、宮崎県に消毒剤購入費を補助する方針だが、隣接する熊本県は今のところ、対象外。県は今後、九州各県と連携して国の財政支援を求める。
会合で県は21日から県内全畜産農家に実施した緊急調査の結果も報告。連絡が取れていない4戸を除き、県内に感染牛がいないことを確認したとしている。
県によると、県家畜市場開設組合は、4月に競りを予定していた県内3カ所の家畜市場の自主的な延期や中止を決定した。5月6日に再開するかどうかを協議する。
会合に出席したJA熊本中央会など業界団体からは「出荷適齢期の家畜を市場に出せないと、えさ代がかさみ、品質も低下する。国や県が何らかの支援をしてほしい」などの意見が出た。
=2010/04/28付 西日本新聞朝刊=