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改正貸金業法:完全施行 軽い気持ちが…多重債務の怖さ「一日も早く相談を」 /石川

 ◇生活破たん、友人も去り 残る後悔

 多重債務問題の解決を目的にした改正貸金業法が18日、完全施行される。個人の借入総額を年収の3分の1までに制限する「総量規制」が導入され、多重債務者が資金繰りに行き詰まるとの見方もあるが、金沢あすなろ会は「債務整理を行い、多重債務から脱却する機会」と言う。多重債務に苦しんだ男性会社員(45)=金沢市=は経験を基に「一日も早く相談を」と呼びかけている。【宮本翔平】

 「最初は軽い気持ちだった」。男性はつぶやいた。98年、盛んだった大手消費者金融の広告を目に止め、ふと「借りてみようか」という気になった。審査は簡単で、その場で30万円を現金で渡された。あっさりしすぎて驚いた。多重債務生活の始まりだった。

 好きなパチンコを続け、1年もしないうちに5社から各数十万円の限度額を借り切った。月々の返済は月収の半分の約10万円。家族に相談できないまま、05年には計460万円に膨らんだ。ボーナスはすべて返済に充てた。友人に泣きついて借りた分は返せず、友人は去った。

 今年4月、職場の上司にあすなろ会を紹介された。わらをもつかむ思いだった。パソコンの表計算ソフトに借入時期や額を一つ一つ打ち込んだ。「何で遊んでしまったんだ」と悔やんだ。

 借金は4社分で計約340万円のはずだった。だが、「超過分は無効」とされる利息制限法の上限金利で算出すると、全社に対して過払いで、計約600万円も余分に支払っていたことが分かった。「もう返済しなくていい」と言われ、ほっと胸をなで下ろした。

 業者には返済義務がないことを通知。1社とは「80%を一括返金」でまとまったが、残る3社とは民事訴訟で争う。「あの苦しみは二度と味わいたくない」。借り始めた当初の自分を省みる。「同じ境遇の人はたくさんいるはず。1日も早く相談したほうがいい」と繰り返した。

 同会は相談会を予定。20日午前10時、加賀市大聖寺南町の市民会館▽21~25日午前10時~午後5時、金沢市西念1の同会事務局(076・262・3454)。

毎日新聞 2010年6月18日 地方版

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