安保闘争50年 東大でシンポ
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安保闘争50年 東大でシンポ

6月16日 4時43分

日米安全保障条約をめぐる「60年安保闘争」からことしで50年を迎え、デモ活動のなかで亡くなった女子学生の命日に当たる15日、その後の闘争の舞台にもなった東京大学の安田講堂で、安保闘争の影響などを語るシンポジウムが開かれました。

会場の安田講堂には、中高年から大学生までおよそ900人が集まり、東京大学の上野千鶴子教授などが安保闘争について意見を交わしました。日米安保条約の改定をめぐって昭和34年から35年にかけて全国に広がった60年安保闘争は、戦後最大の社会運動とも呼ばれ、ノンフィクション作家の保阪正康さんは「多くの人に戦争への嫌悪感が強かったなかで、安保条約案を強行採決した当時の岸総理への反感が強まり、運動が広がっていった」と指摘しました。また、社会学が専門の慶応大学の小熊英二教授は「基地のある沖縄を中心に、安保条約は日本人の心にとげのように刺さっており、そのとげを抜くには安保闘争の時代に戻って日米関係を検証する必要がある」と述べました。15日は、当時東京大学の学生で、昭和35年に国会議事堂前の学生たちと警官隊との衝突の中で亡くなった樺美智子さんの命日に当たります。会場では、その後の安保闘争にも参加した歌手の加藤登紀子さんが「闘争は挫折に終わったが、そのエネルギーや魂は今も生き続けている」と語って全員で黙とうをささげ、参加した人たちは安保闘争の時代へのそれぞれの思いをはせていました。