口蹄(こうてい)疫の感染拡大が深刻化している宮崎県が18日、非常事態宣言を発令した。中国地方5県では感染の疑い事例は報告されていないものの、各県は感染防止対策を急ぐ。広島、山口、鳥取県はすべての生産農家に消毒薬を配布。加えて広島県は、10年前にまとめた防疫マニュアルの見直しに着手した。
広島、山口、鳥取の3県は、家畜伝染病予防法に基づき、生産農家全戸に農場の出入り口などの消毒を命令した。広島県1108戸、山口県838戸、鳥取県698戸が対象で、消石灰や炭酸ソーダを配布している。岡山、島根両県は消毒命令は出していないが、各農家に消毒の徹底を呼び掛けている。
広島県は2000年度にまとめた口蹄疫発生時の対応マニュアルの見直しも始めた。宮崎県で感染拡大に伴い不足している処分家畜の埋却場所の選定方法や、発生地へ派遣する獣医師の確保策などを新たに追加する方針。県畜産課は「発生源が不明である以上、広島でいつ起きてもおかしくない。備えを万全にしたい」とする。
また、農水省動物検疫所は、口蹄疫が発生している韓国などとの国際定期路線がある広島、岡山、米子の3空港や主要港で、入国者の靴底の消毒を続けている。
広島、山口、島根県の家畜市場では5月に入り、牛の競りの中止、延期が相次ぐ。島根県では、JA島根中央会などが18日、県に防疫の徹底や生産農家の経営支援などを要請した。
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