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◆報知新聞社後援 プロボクシングリアルスピリッツ ▽日本バンタム級タイトルマッチ10回戦 ○山中慎介(TKO7回50秒)安田幹男●(20日・大阪市住吉区民センター)指名挑戦者の日本バンタム級1位、山中慎介(27)=帝拳=が、6連続KO勝利で新王者に輝いた。7回、WBC世界同級7位の王者・安田幹男(27)=六島=に得意の左ストレートがさく裂、ダウンを奪った直後の猛打でストップを呼び込んだ。新王者の山中は世界ランク入りが濃厚。前WBC同級世界王者・長谷川穂積(29)=真正=も観戦したリングで、世界戦線に名乗りを上げた。
あこがれの「モンスターレフト」のゲキが効いた。6回終了後。山中はコーナーに近づいてきた先輩のWBCスーパーバンタム級王者・西岡利晃(33)から「積極的に出せ!」と声をかけられた。「あれで行けた」。打ち下ろしの左で王者を腰から崩れさせ、雄たけびを上げた。
秘めた思いがあった。昨年3月に日本タイトル戦の事故で亡くなった辻昌建さん(享年30歳)は公私で世話になった帝拳ジムの先輩。くしくも相手が同じ六島ジムの選手だったため、辻さんの担当でもあった大和トレーナーは「正直怖かった」と涙ぐんだ。トランクスに名前を入れて臨んだ山中は「絶対に見てくれていた」と“奪還”に胸を張った。
これで6連続KOと進化を遂げるサウスポーは「もっと鍛えないと世界はまだまだ」と浮かれる様子はない。長谷川陥落で揺れる同級で、スター候補が大きなステップを踏んだことは間違いない。
(2010年6月21日10時40分 スポーツ報知)