宮崎県での口蹄疫感染拡大を受け、ブランド牛「豊後牛」の産地として知られる大分県は18日、県畜産研究部(同県竹田市)で一元管理している種雄牛の凍結精液の一部を大分家畜保健衛生所(大分市)に移したことを明らかにした。
大分県によると、県畜産研究部で種雄牛36頭を飼育し、凍結精液約13万本(1本0・5CC)を一元管理。家畜伝染病予防法では、口蹄疫に感染の疑いがある家畜が出た場合、家畜の移動制限区域(半径10キロ)内で採取された精液は廃棄対象になる。
精液の採取時期によっては対象外になる可能性もあるが、豊後牛の精液が消失するという最悪の事態を避けるため、全国レベルの検定会で高評価を受けた「萬福(まんぷく)8」など17頭の凍結精液約1万2千本を大分家畜保健衛生所に4月末に移管したという。
県内では年間に凍結精液約2万2千本を使用しており、さらに別の家畜保健衛生所への凍結精液の分散も検討している。
=2010/05/18付 西日本新聞夕刊=