公約検証大会:民主、評価低く 「工程表なし」響く

2010年6月20日 21時21分 更新:6月21日 11時45分

民主・自民両党の政権公約の採点比較。100点満点。全国知事会と日本青年会議所は採点せず
民主・自民両党の政権公約の採点比較。100点満点。全国知事会と日本青年会議所は採点せず

 民主、自民両党の参院選マニフェスト(政権公約)などを評価する「政権実績・参院選公約検証大会」(主催・新しい日本をつくる国民会議=21世紀臨調)が20日、東京都内のホテルで開かれた。民間シンクタンクや経済・労働団体など参加した8団体のうち6団体が採点結果を公表、民主党は1勝4敗1分けで自民党に負け越した。民主は09年衆院選公約で財源や政策達成年次を入れた「工程表」を示したが今回から消え、財源や政策の優先順位があいまいになったことから評価を下げたとみられる。

 8団体は▽経済同友会▽連合▽日本青年会議所▽PHP総合研究所▽言論NPO▽日本総合研究所▽チーム・ポリシーウォッチ▽全国知事会。日本青年会議所と全国知事会は採点を見送った。

 民主には「工程表や財源表がないのがマイナス」(連合)といった批判が続出。言論NPOは「抽象的な従来型の公約に戻った。無駄の削減計画も掲載できず、約束の実現性はより不透明になった」と懸念を示した。

 消費税率の引き上げ問題では、PHP総研が「明記せず、菅直人首相発言にとどめた」と批判。一方、外交・安全保障では「現実路線に転換した」(PHP総研)、財政健全化や成長戦略では「明記したことを評価する」(同友会)など一定の評価を得た。

 自民については、財政健全化や地球温暖化について「野党であるのに期限や工程を含めた具体的な公約を提示した」(同友会)と評価する声が多かった。消費増税でも言論NPOが「引き上げ幅とその使途を具体的に書いた点は高く評価できる」とした。ただ、その他の項目は「総花的で何が重点か分からない。野党なのだから思い切った政策の重点化をすべきだった」(ポリシーウォッチ)との指摘もあった。

 財政問題や経済政策で民主、自民両党の違いは少なく、PHP総研は「財政規律重視で民主が(自民を)後追いし、両党の違いが目立たなくなった」と分析。チーム・ポリシーウォッチは「(民主の)非常に大きな政府と(自民の)大きな政府の争い」で、両党とも「バラマキ合戦」をしていると酷評した。【小山由宇】

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