菅総理大臣は記者会見で、消費税を含む税制の抜本改革について、参議院選挙後に本格的な議論を始めたいとしたうえで、引き上げを実施するまでには、少なくとも2~3年かかるという見方を示し、実施前には、衆議院を解散して国民に信を問いたいという考えを明らかにしました。
この中で菅総理大臣は「日本の債務残高はGDP比で180%を超えており、これ以上、借金を増やすことがほんとうに可能なのか。財政が破たんすれば、多くの人の生活が破たんし、社会保障が多くの面で破たんする。強い財政は、経済成長にとっても、社会保障にとっても、なくてはならない大きな要素だ」と述べ、財政再建の必要性を強調しました。そして、菅総理大臣は、消費税を含む税制の抜本改革について「参議院選挙が終わったら本格的な議論をスタートさせたい。その際には、自民党から提案されている消費税率10%も1つの大きな参考にしたい」と述べました。そのうえで菅総理大臣は、消費税率を引き上げる時期について「超党派の協議がどうなるかということもある。また、逆進性を緩和するための複数税率や税の還付に必要な制度設計には時間が必要だ。よほど早くても、少なくとも、これから2、3年、あるいはもう少しかかるのではないか」と述べ、実施までに、少なくとも2~3年かかるという見方を示しました。さらに菅総理大臣は「大きな税制改革をやるときには、やはり、まとまった段階で国民に判断する機会を持っていただくのは必要だ」と述べ、消費税率の引き上げを実施する前には、衆議院を解散し、総選挙を行って国民に信を問いたいという考えを明らかにしました。一方、菅総理大臣は、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題について「鳩山前総理大臣の時に結ばれた日米合意はしっかりと踏まえて対応したい。同時に、閣議決定をした沖縄の負担軽減についても政府として取り組むと同時に、場合によってはアメリカ政府にも協力をいただきたいという基本的な立場で臨んで参りたい」と述べました。そのうえで、菅総理大臣は、さきの日米合意で、8月末までに具体的な移設場所や工法などを決めるとしていることについて「沖縄の皆さんとの話し合いを、これから本格的に始めなければならない。専門家で結論を出すという趣旨は、よくわかっているが、ここで決めたら問答無用という意味合いには考えていない」と述べ、移設にあたっては、地元側の理解を十分に得たいという考えを示しました。