JR四国(本社・高松市)は21日、管内の計29駅を9月1日と10月1日に無人化すると発表した。高速道路の料金割引や長引く不況で厳しい経営状況が続いているため。今回の無人化による経費削減額は年間約5千万円を見込んでいる。同社が駅の無人化に踏み切るのは19年ぶりという。
無人化する駅は1日あたりの運輸収入が10万円以下のところで、県別でみると徳島12駅、香川6駅、愛媛5駅、高知6駅。これら29駅のうち、1日平均乗客数(2008年度)が最も少ないのは江川崎駅(高知県四万十市)で27人、最も多いのが三津浜駅(松山市)で585人。
今回の無人化で、同社管内全257駅のうち、194駅が無人となる。
無人駅になっても自動券売機は置かれるが、新幹線の切符や定期券は販売されなくなるため、近くの有人駅などに行かなければならなくなる。無人化される29駅の駅員は全員1年契約の契約社員で、契約満了後、契約更新をしない方針という。
同社の吉良次雄営業部長は「お客様にご迷惑をおかけする施策で大変心苦しいが、非常に苦しい経営状況で、よくここまで我慢していたなと思う」と述べた。一部の路線で28日から実施される高速道路の無料化を懸念し、「影響によっては次の施策を考えざるを得ない」とも話した。