この物語は・能力持ちの強オリ主(エンジェル隊と同じくらい)・現実からの転生・作者の独自解釈・中二的でご都合主義な展開・何人かのオリキャラパロディネタをそこそこにが含まれます。作者はギャラクシーエンジェルが好きですが、全ルートをやったわけではありません。ルートによっては5周以上してたりしますが。(ヴァニラとかヴァニラルートとか)若干Ⅱの設定も入ったり入らなかったりします。そして、文章が荒いと思います。三人称と一人称で書いていきたいと思います。誤字脱字があれば、ご報告下さいなお、オリ主はムーンエンジェル隊とはくっつきません、少なくとも、本筋では。彼女たちは全部タクトの嫁だと思います。あ、加えていうとミルフィールートです。元になっているのは。ほぼ完璧な改変の必要のない結末の世界でなんだかんだで強いけどバカでかっこ悪いオリ主が頑張る話です。
第一話 『第1章日常世界』から『第7章現代ファンタジー』の構成でした。やあ!俺は 蒼龍 刹那日本人みたいな名前だけど 母親はイギリス人で髪の毛は金色 目の色は青。身長は188cmの18歳あんまり大きな声じゃ言えないけど、俺実はトリッパーってやつなのだ。死んだ時に神様に会って、ちょっと力を貰って転生した俺は、いろんな世界を回って平和を維持している。具体的には自分のことしか考えない、自己中心な厨二的オリ主を倒すのが俺の役目さ!どんなやつでも俺の闘気を圧縮して打ち出す技 「神破断滅弾」で一撃だぜ!まあ、昔俺が未熟だった頃は、たくさん失敗したけどな。そのせいであいつも………。おっと、今話すことじゃなかったな。忘れてくれ。でも最近悩みがあるんだ、妹分の幼馴染と、近所のお姉さんがどーも仲が悪そーなんだ。朝起こしにくる時とか、昼の弁当の時とかいつも争っている。 昔は仲良かったのにどうしたのだろうか?他にも、クラスメイトとかに俺がお礼を言ったりする時、笑って「ありがとな」っていうと急に皆よそよそしくなるのだ。本当にどうしたのだろうな?おおっと!出動の連絡だ! やっぱり俺は今日も闘わないとな!戦場がオレを呼んでるぜ!!TTOJ(Trippers Team Of Justice)の切り込み隊長 SETUNA SORYU として!!14歳の時の「僕の来世帳」 第4章最強系 候補7 より(通称黒歴史ノート)抜粋 「ああああああ~~~~!!!!!!!!!!誰か僕を殺してくれ!!!!!!!!!!!」えーと、始めまして、絶賛絶叫中の僕は大田達也 19歳どこにでもあるような名前と、何所にでもいそうな外見の持ち主だ身長170cm 体重75kg 黒髪に茶色の目、若干猫背ぎみ。体格はいいけど特にスポーツをやっていたわけではないので、べつに喧嘩とかに強いわけでもない。彼女いない暦14年。これだけはゆずれない、人生=じゃないのだ。さて僕のことを長々と語ってもつまらないし、現状を説明すると………「えーと、今度は人外とのハーフ系か………なになに………「やめろ~~!!!!!!!!」えーと、引越しを友達に手伝ってもらったのが運の尽き、仕舞ってあったブツを発見されて僕の目の前で読まれている。何とか阻止しようとしているのだが、さすがに3人で押さえつけられたら身動きなんて取れない。四対一とか卑怯だろう、常識的に考えて。「悪魔と天使のハーフの父親と、世界一の魔法使いである母親を持つ俺の名前は『闇の番人』ラザフォード=N=カイザー………英語とドイツ語のごっちゃにかよ………うわー。しかもラザフォードって苗字だぞ」もう止めてくれえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!「ああ………酷い目にあった。」あいつらが帰って2時間後。あいつらが一通りからかって引越しの手伝いも終わらせて帰ったあと。僕は4畳半の和室で仰向けに倒れていた。きっと今鏡を見たら、ハイライトの消えた目が見えると思う。経験のある人はわかるかもしれないけど黒歴史ノートは暴露されると本当にきついね。親にベッドの下に隠してあるアレなものを机に出されるのより精神的に来るものがあるよ。「畜生………僕が何をしたって言うのだ。」あんなやつらもう、友達と呼ぶものか!!………あれ?僕ってそうするともう友達がいないよーな………。ええーい!そんなことどうでもいい!今は荒んだこの心を癒すべくゲームをするぞ。「さて………昨日インストを終えたばかりの奴でもやるかね。」さっきは言わなかったが、僕はいわゆるオタクと呼ばれる人種だ。人種ってなにさ。みたいな方もいるかもしれないが、僕はそう思うから割合する。僕は、アニメとかラノベより、ギャルゲーのほうが好きで、ほとんどコレにお金をつぎ込んでいる。生まれて始めてやったギャルゲーはギャラクシーエンジェルシリーズだ。僕の一番のお気に入りで、今でもついついやってしまう作品だ。何よりも好きだ!!みたいなヒロインはいないけど、一部の例外を除いてはどのキャラクターも嫌いじゃない。シグルト・ジーダマイアとかぐらいだね、嫌いなの。あとその参謀。エオニアだって、彼なりの考えがあったのだと思うし、レゾムだってどこか憎みきれない馬鹿さがある。ついつい語ってしまったが、実を言うと僕はこんなにもGAが好きなのに『Ⅱ』をやってないのだ。なんというか、ストーリーは知っているけど、手をつけていないのだ。理由は笑っちゃうような物だけど、自分で攻撃できるモードがあるのがどうも気に入らない。やっぱり、タクトの指揮下で指示によって動く戦闘にあこがれるのだ。とまあ建前はそういう事にしている。本当のところは、「エンジェルと肩を並べて戦える主人公に嫉妬して感情移入できない気がする。だよね………やっぱり。」そう、やっぱり僕も男の子である、年齢=彼女いない暦ではない(ココ重要)が、それでもやっぱりそういう感情はあるのだ。え?ゲームのキャラクター相手に何言っちゃっているの?だって?ふっ………貴様は今世界中の人間の数割を敵に回したようだな………。え?多すぎだと?いやいやきっとそんな事ないよ。コレぐらいが妥当な割合だよ。まあいいや、ともかく僕はいわゆるオリ主みたいな存在になるのにすごく憧れていたのだ。だからこそのあのノートだしね………。さて、こんな話おいといて………ってあれ?ゲームを起動しようとしたPCの画面を見ると、ディスプレイいっぱいに黒い背景に白地でメッセージが書かれていた。「何だ、これ? 『おめでとうございます。あなたは別に選ばれたわけではないけど、こちらの一身上の都合により、転生してもらいます。』だ~?」おいおいおいおい、テンプレだよ。この後画面に吸い込まれるか意識が真っ暗になるのだろ?きっと。やべーよ!オリ主だよ!オリ異世界か?それともどっかの作者が書く二次創作か? うおー!テンション上がってきた!!「お!続きが出た!『能力を差し上げます。なにかはおのずと解るでしょう。では5秒後に開始します。5・4・3・2』おおー!!」そのとき僕はその能力にすごく期待していた………。でもまさかあんな能力を貰うなんて思いもしなかったのだ………。みたいなこと言うと最強形じゃなくなるから決して言わないぜ!さあ、カウントが0になるぞ!『1・0 いってらっしゃい もう戻って来られないけどね。』その文字を僕が読みきった瞬間。昔のコントみたいに床がぱっかり割れて僕は落ちていった。やあ!僕は太田達也だったものさ、今の僕の名前はタクト・マイヤーズ そう、ギャラクシーエンジェルの主人公さ!!彼みたいな柔軟な発想が出来るかわからないけど、今の僕は原作知識を持っているからね………子供のうちから勉強すればなんとか代役くらいは出来るだろ。レスターもいるし。さーて、早くエオニアクーデター始めないかなー。エンジェル隊は皆僕のものだぜ!!なんて展開にはなるわけもなく普通に僕は転生した。まあ憑依じゃなくて転生って言っていたものね。現在の僕の名前は………「ラクレット、お父さんが呼んでいるから来なさーい。」「はーい。」今呼ばれた通り僕『太田達也』の名前は ラクレット ラクレット・ヴァルターって名前になった。確かスイスか、フランスだかのチーズの名前だった気がするのだけどまあ気にしてもしょうがないのでいいや。髪の色と目の色は限りなく黒に近い青です。普通に黒に見えるけど、よく見るとダークブルーってやつ。本当に濃い色だけど。ちなみに家族ではこの色は母さん似だ。父さんや兄さんたちは、薄いブルーだ。そして、家族みな美形だ。僕は前世の顔ほぼまんまだ。理不尽である。僕の住む星は辺境であるクリオム星系にある星で、特に名前はないというえらい田舎な星だ。便座上、クリオム星系第11星というらしい。エリアならぬ、プラネット11ですね。星の大きさも結構小さい、と言っても前の世界の月と同じくらいだけど。重力とかそういうのは、ゲームだからなのか知らないけど、皇国内では共通だそうだ。まあ重力発生装置があるのだしその辺を使っているのだとは思うけど。さて、ここでちょっとこの世界について説明しておこうと思う。まず、トランスバール皇国には3種類の星がある。皇国の直轄星(通称直轄星)と、皇国貴族領星(貴族星)、そして、現地政府の自治権の認められている星(自治星)の3つだ。直轄星は、その名の通り皇国の直轄領で、トランスバール本星を中心に、全体の4割ほどだ、辺境に行けば行くほど少ない。貴族星は貴族の領地でおおよそ全体の3割ほど。だいたいが直轄星を囲むように存在している。最後の自治星も3割ほどで、コレは基本的に辺境の星となる。まあ自治と言っても、軍の規模とか、中央への上納金の額とか決まっているから、属国みたいなものだね。僕の住む第11星は、当然自治星となっている。ともかく、これから僕はどうしようかと悩んでいたら母さんに呼ばれたのだ、いや、父さんか。何で悩んでいるかというとこれからの介入予定についてだ。そもそもこの世界には先ほど軽く述べたとおり貴族制というものがある。こんな辺境にすんでいる人物はよほどの努力をしない限り、中央で何かを成すなんてことは出来ないのだ。まあ、軍の士官学校に通うくらいならそこそこのお金さえあればいけるんだけどね………基本的に慢性的人材不足だし。問題なのはどのような兵科に行くかだ。普通に考えて、原作介入には指揮官とかになるのが一番なのだろうけど。自分はどっかの公爵さんの隠し子で父親に命を狙われていた多才の人みたいなまねが出来るとは思ってないし、レスターみたいに優秀な人物でもないのだ。かといって、既存の紋章機の………例えば『カンフーファイター』のパイロットになったら、ヒロインたちの誰かとは会えないし、原作から離れすぎるし、何より自分に適正があるかどうかもわからないのだ。何気にこの世界って、市民Aからの原作介入が難しいのである。まあ、前例というか二次創作が少ないのも原因なのだろうけど。リリカルな世界とか少年魔法先生の世界みたいに、前例が山ほど確立されているわけじゃないからね。「で、何か用事?父さん?」「ああ、今日でラクレットも5歳になるからね。ちょっと見せたいものがあるんだ。ちょっとついてきてくれないか?」そういえば、今日は僕の5歳の誕生日だった。そう言って歩き出す我が父の背を僕は歩いて追いかける。さて、歩いている間暇だからこんどは僕の生活について少し説明しておこうか。この星の生活水準だけど、結構高い、イメージして欲しいのは、地球の現代でヨーロッパのほうの田舎暮らしだ。水は湧き水だけど、電気はあるし、ガスもある。普通に地球と同じだ。まあ、惑星間移動とかが出来るからね………田舎でも大して差はないのかね。家族構成は両親と兄二人だ。もっとも兄さん達は今学校のため別の星に行っていて、年末くらいにしか帰ってこないけど。上のエメンタール兄さんは、クリオム星系の本星にある学校に通っている。僕の9歳年上で、いま14歳のはず。やっていることは普通の勉強らしい。将来は家を継ぐから、いずれは農業関連の勉強をしたいといっていた。まあ、普通の人だ。下のカマンベール兄さんは、7歳上。12歳ですでに、トランスバール本星の大学院で研究をしている。何かロストテクノロジーの研究をしているらしいが、詳しくは解らない。「ロストテクノロジー研究の若き天才」とか呼ばれていた。いずれはどこかの研究所で働きたいらしい(ロストテクノロジー研究の総本山の白き月の巫女は、まだ男性ではなれないらしい) 結構な変わり者で、よく独り言をつぶやいていたりしている。両親の職業だけど、父さんはなんとこの星の総督だ。と言っても名前だけでやっていることはたいしたことはなく、会社でいうと、日本の企業の海外支店長みたいな役目らしい。何でそんなことやってるかというと、昔々ご先祖様がなんかこの星の開拓をしたんだと。クリオム星系は星系でひとつのまとまりなっていて、エメンタール兄さんが行っている星に国会があり、そこで決めた内容に従うというのがそれぞれの惑星の役目みたいな感じである。イメージ的には、農業用プラントの代表者(名前だけで権力は無い)みたいな感じかな?第11星は、住民のほとんどが農業に携わっているから。まあ祭りの時とか何かあるとき以外は普通に、執務室でなんかやっているだけだけどさ。ちなみに家の畑は別の人が管理してくれている。母さんはいわゆる専業主婦に近い。たまに父さんの仕事を手伝ってはいるけど基本的にはそうだ。使用人とかいても、家事が好きな母は自分でやるのだ。ちなみに、アニメとかエロゲとかによくいる年齢不詳の母親じゃあない。でもなぜか父親は無駄に外見が若い。14の子供がいるくせに、20台くらいにしか見えない。どうよ、それ?家はまあ、田舎ならこんなもんだろうってぐらいには広い。100m四方くらいの土地に家が建っている。回りは皆畑で、最寄りの町まで車で30分。なんでも昔からの名家らしく、代々総督なのだそうだ。まあ、名前だけで基本的に権力持たないのだけど。貴族じゃないからね。しかも上の兄さんが後継ぐから、僕は好きなものになっていいそうだ。この辺は感謝だね。「父さん、見せたいものって何?」「ああ、ヴァルターの家が代々受け継いできたもので、裏山の洞穴の奥にあるものさ。」「代々受け継いできたもの?」おいおい、なんか面白そうなものじゃないか。コレはオリ主パワー覚醒アイテム入手イベントか!魔王…失礼、魔砲少女のところのデバイス見たいな感じの。「ああ、なんでも、ご先祖様が使っていたものらしく、『意志ではなく、その友により、この翼は動かされん』っていわれていてね。」その時僕はピン!と来たね、オリ紋章機きた!!!!って。コレで僕が乗れて覚醒イベントですね解ります。「へー、どんなのなの?」「それは見てからのお楽しみさ。」(おいおいおいおい、なんだよこれ………)裏山の洞窟についた僕は、父さんの案内で奥に進んだ。中はひんやりしていて、そんなに奥まで深くも無く、懐中電灯があれば余裕で見渡せるくらいだった。1分ほど歩いたら少し開けた場所に出た。そこにあったのは、青色の装甲を持つ、僕の主観からすれば巨大な戦闘機のような形のモノだった。「驚いたか、これはな、我が家に伝わる、ロストテクノロジーかも知れないものだ。」というか、すごくマイナーだと思うが、これはプリズムアークに出てくる攻速天使ラディェルに少し似てる。アレは装甲が赤いが、それを丸々黒色っぽい青に変えたものだ。僕の髪と同じ色だ。うん、ぶっちゃけ紋章機っぽいもんねあれ。翼あるし。両手は、装甲とくっ付いたジャベリンではなく、剣のようなものを握っている。「これに乗れるものが生まれた場合、そのものに授けよ。と代々言われていてな、俺も5歳の時にやったがうんともすんといわなくてな。もちろんエメンタールたちも試してみたけど、動かせなかったんだ。二人ともたいして気にしなかったけどな。」「つまり、僕が動かせたら、あれ、僕のになるの?」「そうだ、100年以上前に来た調査団も、この洞窟から出すことが出来なくてな、動かせたらあげるといわれてしまったよ。このはしごを上って中に入ってみろ。そして座席に座って両手でレバーを握る。それで動いたらお前のものだ。」この洞窟は、入り口は狭いけど、紋章機がおいてあるところはホールみたいな吹き抜けになっている。この上のから吊り上げようとしても、紋章機自体が固定されていて起動しないと動かないそうだ。にしても、うんともすんともいわないとかいうのから考えて、オリ紋章機か………いや、それとも漫画版かな?確か2つくらい別のもの正式名称不明みたいのがあったし。まあいいや、今わかることでもないし。「じゃあ、乗ってみるね。」僕はそう言って、設置されている梯子を上りコックピットに入った。そして僕は、紋章機 を起動させることに成功した。自分で書いていてあれですが・・オリ主うざいですね。だんだん改善していきたいとは思うのですが、こういうキャラなので。
第二話 しかしながらピーマンは好物ですはいはい、どうも主人公のラクレットです。紋章機をあっさり動かせるようになった僕は、現在7歳です。アレからすでに、2年たっているのだよねー。最近では、紋章機を実家の上空で飛ばしたり、許可とって近くの小惑星帯で訓練したりしています。しかも、僕の紋章機は変形するのだ!!戦闘形態と移動形態のふたつに!!戦闘形態でも速度はカンフーファイター並で、装甲はハッピートリガーより少し弱い程度、さらに燃費は物凄く良い。移動形態は攻撃がほとんど出来ないけど、カンフーファイターより少し速く飛べる。というチート性能!!すごく順調な、僕のオリ主ライフ!!このまま原作まで突っ走るぜ!!今回は別に嘘は言っていません。僕は、紋章機を動かせることがわかった後に、とりあえず白き月に報告しようと思って、ちょっとしたコネクションを持っている兄に頼んだ。ぶっちゃけると、シャトヤーン様が見たかったって言うのもあったのだけれど。今まで説明してなかったから言うけど、僕が生まれたのは、398年 解りやすく言うと、ヴァニラの一個上になる。だから、僕が5歳になったのは原作開始9年前、だいたいシャトヤーン様がシヴァ皇子を出産したくらいになるのかな。占領と同時に妃になっていたからね。それはともかく、そういう理由で、謁見は難しいかなと思っていたのだけど、案外半年後にあっさり謁見することになった。やっぱ、紋章機っていうのは大きいね。「ここが、白き月か………外から見た以上にでかいな………とても人工の天体だとは思えない。」今僕は白き月の謁見の間に向かって案内されている。家から、トランスバール本星にある白き月までいろいろ経由しなければいけないから4日かかる。子供が一人で行くのには少し長い旅程だと思ったのだけど、両親は別に僕一人で行くことを許可してくれた。まあ、カマンベール兄さんみたいにもっとしっかりしている人もいるしね………。それで、白き月の港についてから、移動用の乗り物(名称がわからない、エレベーターみたいになっているから暫定的にそう呼ぶことにする。) に乗って移動して。さらにその後今20分ほど歩いている。「ええ、とても驚いたでしょう?ここにはたくさんのロストテクノロジーがあってね、私や貴方のお兄さんはそれを研究しているの。」僕を案内してくれているのは、兄さんの知り合いというか、大学時代同じカリキュラムをとっていたらしい、タルトさん(25歳)だ。僕の口調が若干大人びすぎているのにも特に気にしない良い人だ。大抵の人は驚くものなのだけど。まあ、直接聞いてみたら「君のお兄さんで慣れているよ。だって、6歳で私と同じ大学に入ったんだよ?」 だそうだ。 なるほど、確かにそうだね。「さて、この扉の先に、白き月の聖母シャトヤーン様がいらっしゃるから。決して粗相の無い様にね。」「はい。ありがとうございます。」僕が、扉に近づくとブゥゥゥンという音とともに緑色の光があふれて、扉は開いた。 無駄に凝った自動ドアだと思う。そのまま中に入ると、そこには「貴方が、ラクレット・ヴァルター君ですね。私が白き月の聖母シャトヤーンです。」僕が始めて見る原作キャラがいた。正直見惚れてしばらく声が出なかった。皇帝が戦争をしてまで妃にしたのも解った気がした。まあ、どんなことを話したかは詳しくは省くけど、許可はするから、緊急時になったら力を貸して欲しい。てことを言われただけ。 僕も元からそのつもりだったし、僕の紋章機についていた、『クレジットカード大の発信機』を渡した。(どーせ、使わないからね………、この後、市販の民間用つけたし)コレで、9年後に白き月からエルシオールが出る時、シャトヤーン様がルフト准将に渡してくれれば良い。一応将来何かあって脱出しなければいけないときが来たら、それがある場所へ駆けつけます。みたいなことを言っておいた。さすがに黒き月の事は言わなかったけど軽くほのめかしておいた。無理でも僕の紋章機所持の許可のために契約書を書いてもらったからそれでいいし。あと、「将来は白き月の斯衛隊に入ってくれるとありがたいのですが」て言われたけど、まあそれは、僕が大きくなってからということでお茶を濁した。だって、これからかなり体制が変わるからね。さて、一応僕の紋章機は、分類的に金持ちの持つ小型の宇宙船扱いになった。速度は戦闘機を余裕で越えるのにね。何でそんなことになったかというと、シャトヤーン様の許可が出たからもあるけど、何よりの理由は。この紋章機 「武装がない」 のだ。腕みたいな部分が剣を握っているだけで、レールガンも、レーザーも、ミサイルも、フライヤーも、アンカークローも、ナノマシンもない。剣にしたって、僕が乗って『クロノストリングエンジン』を動かして初めて使える。(剣の周りに、エネルギーが展開されて青白く輝く)要するに燃費がいいのは、剣しか武器がついてないからなのだ。そして、戦闘機が持つ剣は、皇国の法では、兵器ではなく装飾品になるのだ、実際に切れるにもかかわらずに。つまりは、所持はシャトヤーン様に、使用は皇国に認められたのである。だから、一応税金を払っとけばそれでいいのである。「よし!!行くぞ!!」そう言って僕は、左右のレバーを握る。頭上に天使の輪の様な『天使環(エンジェルリング)』が展開する。『Human-brain and Artificial-brain Linking Organization System』 通称 『H.A.L.Oシステム』が起動し、僕の精神と紋章機のシステムがリンクする。『クロノストリングエンジン』から、エネルギーが全身と紋章機にめぐるのが解る。戦闘形態から離陸して移動形態に切り替える。今僕がいるのは、スペースデブリの集積場の入り口だ。と言ってもただの小惑星帯だけど。ここはよく僕が訓練に使う。さっきも言ったが僕の紋章機は、弾薬が全く搭載できない。だから訓練中の武器代でお金がかかることもないし、燃料も『クロノストリングエンジン』から発生するエネルギーなので、問題ない。パーツの劣化とかは当初心配していたが、ナノマシンによる修理をしてくれる会社があるのでそこに頼んでいる。そのお金は親が出してくれている。と言ってもこの訓練自体二ヶ月に一回くらいだし、たいした事はしないから、半年に一回で済んでいる。出力も、自分のテンションで引き出せる3割くらいでしか動かさないことにしているし。上下左右、直角に曲がったり、回転したり。時には機体を90度傾け縦にして。とにかく進む、このゴミの山の中。さっき軽く言ったけど僕がやっているのは訓練だ。『クロノストリングエンジン』を使っての高速移動で、障害物のすれすれを通ったり。それを慣性飛行でやったり。戦闘形態に切り替えて、自分より大きなデブリに近づいて切りつけたり。要は近接戦の練習だ。この訓練は、もう1年以上続けているけれども、正直あんまり上達した感じはしない。紋章機の操縦自体はかなり簡単だった。まあ、乗れるか、乗れないかの問題がメインだったと言うのもあるし、ミルフィ-ルートですらミルフィーはエースだけど紋章機の腕はそこまでじゃない、見たいなことを言われてたんだから。もちろん上達した部分もある。僕は最初からどうやって動かすのが理想的なのかがなんとなく解った。けれど、どうやって攻撃すればいいのかよくわからなかったのだ。とりあえず両手についている剣で、いろいろ切りつけていると、なんとなく最適な使い方が解ったのだ。他にも、慣性飛行やら、そういう普通に動かす以上のやつは、何度かやってみてコツを掴む必要があるのだ。あと、一回だけ全力で動かしたけど、別に普通に小惑星のなかを潜り抜けることが出来た。なんかよくわからないけど、周囲の状況が頭に伝わってくるのだ。そういえば、紋章機というより、『H.A.L.Oシステム』には予知能力があったからそれか、または僕のオリ主補正のどっちかだろうと思う。そんな感じで、この小惑星帯の9割くらい進んだところで、自分の集中力が最大になったのを感じた。目の前にあるのは、直径80メートルくらいの星だ。僕は自分の集中力を解き放ち叫んだ。「今だ!! コネクティドゥ……ウィル!!」僕のその言葉に反応して既に戦闘形態になっている僕の機体の両手の剣がよりいっそう輝く。両手に持つ剣を合わせてより一つの大きな剣へと変える。そのまま星の中心よりやや上部に突っ込むと剣が流れるような動きで、何度も星を切りつける。その剣の太刀筋は剣術のとある型の模倣に過ぎないが、それでもこの程度の物を砕くのには十分だ。その勢いのまま、星の上半分を貫通して、僕は小惑星帯を抜けたのであった。僕の紋章機につけられていた名前は 『エタニティーソード』 だったのだ。特殊兵装は この、紋章機自体にプログラムされてある剣術の型どおりに高速で剣を振る『コネクティドウィル』なんというか…すごく、ソゥユートとを思い出す名前だ(破壊神?誰それ?)。特に特殊兵装が。名前にしたって、あれは The Spirit of Eternity Swordだったし。まあ、名付けた人が同じく転生者だったとか、偶然だとかそんな理由だろうけど、気にしてもしょうがないので、深く考えないことにする。そんなこんなで、たまに訓練とかしているけど、原作に対しては布石を打っといただけで介入はしなかった。あ、一応言っておくと、僕は6歳から普通に学校に通っている。そのうち飛び級でもしようと思っているけど、忙しくなるのである程度操縦の訓練をしてからにしようと思っているからね。そんな生活がしばらく続き、僕が9歳になってしばらくした頃、エオニア皇子がクーデターを起こした。もっとも、2週間ほどで、ジーダマイヤが裏切ったことで早々に決着はついたけど。そんなことより問題だったのは、国外追放になったエオニア皇子の映像を見たときだ。彼の後ろには、もちろんシェリーだと思われる人がいた、だけどそれだけじゃなくてその横に僕の兄 カマンベール・ヴァルターがいたのだ。