はやぶさが13日の晩に地球に帰還したニュースは海外でも随分と報じられており、グーグル英語ニュースで検索しても1000近いページがヒットし、YouTubeにも随分とはやぶさを報じた海外の動画ニュースも目にする事が出来る。
そのうちはやぶさ帰還の翌日のカプセル回収時に報じられたBBC [英]、ナショナルジオグラフィック [英]、ロイター通信、スカイニュース (英/豪) 4つのメディアの動画ニュースに字幕をつけてみたので、それら動画ニュースと合わせて報じられた関連記事も訳してみた。
これらの報道で印象的なのは、日本の探査機の帰還のニュースであるにもかかわらず、これら欧米のメディアが解説員をつけるなど非常に喜んだニュアンスで好意的に報道している事である。
まずBBC。はやぶさがイトカワに到着した2005年以来BBCははやぶさのニュースをコンスタントに報じており、恐らく世界のメディアで一番熱心に報じているのがBBCであると思われる。
BBCの動画ニュースは『BBCニュースチャンネル』で英国時間6月13日の17時台のニュースで放送されたもので、ここではBBCの科学特派員のジョナサン・エイモス記者がスタジオで解説を行い、マキシン・モウィニーキャスターを遮って説明に熱中しているのが印象的である。ここではNASAのDC-8機で撮影されたはやぶさの映像を見ながら、トラブル続きだったはやぶさのミッションと、小惑星サンプル採集の意義と目的に関して解説を行なっている。
またエイモス記者が書いた記事の方はこの放送の直前にアップされたもので、こちらの内容は主にオーストラリア国立大学のトレバー・アイルランド教授やNASAでスターダスト計画に携わったマイケル・ゾレンスキー氏など、オーストラリアでこれからはやぶさ回収に携わる科学者のインタビューを中心に書かれた記事である。
なおこの報道ははやぶさのカプセルが回収される前の時点。
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日本のはやぶさが小惑星任務から帰還 BBCニュース 2010年6月13日16:25UK (日本時間14日 0:25) ジョナサン・エイモス BBCニュース科学特派員 小惑星の表面から採集された初のサンプルを入れたと見られるカプセルが地球に帰還した。 日本のはやぶさは標準時13:50 (日本時間22:50) 過ぎに大気圏の上部に当たり、南オーストラリアの上空で明るい火の玉となった。 それは再突入の熱を抑えるシールドと最終地上落下のためのパラシュートを備えていた。 回収チームがその後ウーメラ立入制限区域内の落下地点を確認した。
このサンプルの仕事に着手するオーストラリア国立大学のトレバー・アイルランド教授は「私達は南オーストラリア州の僻地の空で丁度壮観な光景を見たところである」と語った。 「私達は本船から切り離され、その進路の先を行く小型のサンプル帰還カプセルを見る事が出来、そしてはやぶさが崩壊する壮大な光景を目にした」とBBCニュースに語った。 はやぶさは2003年に小惑星イトカワに向けて打ち上げられ、2005年に長さ500mのジャガイモ形の宇宙岩石で3ヶ月を費やした。 サンプル保存カプセルを搭載した本船は2007年に地球に戻る筈であったが、技術的トラブルの連続のため帰還を3年延期した。 今なおカプセルがイトカワの断片を含んでいるかどうかは不確実である。 採集装置が上手く作動しなかったが砂は中に入っているかもしれない。
しかしJAXAの幹部は成功に確信を持っている。 彼等は、はやぶさの宇宙岩石への着地の際に多くの砂ぼこりが舞い上がり、その物質の幾らかが探査機の内側に入ったに違いないと言う。 帰路上、はやぶさチームは通信途絶と推進不調に対処しなければならなかった。 しかし問題が発生する度に、科学者と技術者達は取り組んで手際の良い解決を見付けた。 宇宙船が地球の大気圏への突入開始3時間前にサンプルカプセルを前面に押し出した。 本船は降下中に破壊され、南オーストラリア州の夜空の壮観なライトショーの大半を受け持った。 一方このコンテナは、再突入で3000℃に達すると見られていた温度に耐えられるよう炭素フェノール樹脂のシールドを装備していた。 レーダー追跡と内部のビーコンが回収チームがパラシュート落下地点を見付けるのに利用された。 カプセルは明るくなるまで回収されない。 JAXA執行役の長谷川義幸氏は「明日 (月曜日) か明後日にカプセルの現物を回収する。恐らく粉末か幾らかのサンプルが中にあるだろう」と述べた。 「私達はカプセルを梱包して航空機で運ぶ。それはウーメラから東京国際空港まで特別機で輸送され、サンプルを分析する私達の設備、研究室に行く」 はやぶさが実際イトカワのかけらを掴んだと自信を持って言えるようになるまで数ヶ月かかるかもしれない。 「数グラムのサンプルを期待するが、それより少なくても何とかなる」と、NASAのスターダスト計画に携わったマイケル・ゾレンスキー氏は述べた。 はやぶさは天の川を背景に空を疾走した ゾレンスキー氏は「スターダスト計画で帰還したサンプルの総量は数千ナノグラムで、それは一つ一つが約1ナノグラムの数千の粒子である。そして一つの粒子を分析するのに丸1年はかかるかもしれない」とBBCニュースに語った。 そのような粒子は46億年前の太陽系の初期の歴史と惑星形成への新たな手がかりを提供するかもしれない。 アイルランド教授は、このような情報を提供出来る岩石が地球上にないのは、それらはリサイクルされ続けて来たからだと言う。 「地球上で私達が目にする物は何でも脱水機を通ったものである。プレートテクトニックスや地球科学的プロセスで駄目にされている。だから私達の地球が何で出来ているかを知りたければ地球の外に行かなければならない。それがはやぶさがイトカワに行く事の重要性である」 小惑星25143イトカワ - 「瓦礫の塊」 イトカワとの遭遇時にはやぶさはこの圧倒的な映像を送って来た。
[聞き取り・訳・字幕=岩谷]
BBC. "Japanese Hayabusa asteroid mission comes home", 15:25 GMT, Sunday, 13 June 2010 16:25 UK.; BBC. "Asteroid mission returns to Earth", 17:03 GMT, Sunday, 13 June 2010 18:03 UK. |
14日にBBCのサイトを確認した時点では、BBCニュースサイトの話題の人気ニュースの1位がこのはやぶさの記事だった。
はやぶさのカプセルのCTスキャンの結果1ミリ以上の砂粒を回収していないと発表されているが、13日の時点で既にスターダスト計画のゾレンスキー氏が、スターダスト計画で回収したのも1ナノグラム (10億分の1グラム) という微細な粒子であると説明しており、はやぶさに関しても元々期待されていたのもそういうレベルの話のようである。
次は英国のナショナル・ジオグラフィック・デイリーニュース。このニュースはサイエンス番組らしくより科学的な内容にフォーカスした報道となっている。
動画ニュースではNASAの再突入観察プロジェクトのジョン・グリンステッド主任のインタビューと、NASAの観測航空機DC-8による撮影にフォーカスをし、更に再突入の際のはやぶさの崩壊も将来の宇宙船の帰還のための重要なデータとなるとしている。
記事の方はアイルランド教授やNASAのピーター・ジェンキンス氏がインタビューに登場するが、やはり採集サンプルが非常に微量であり回収物質には気体も含まれる事、そしてNASAのDC-8機から収集した映像データからカプセルの耐熱シールドがどのように機能したかを分析する点などが触れられている。
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探査機はやぶさの炎に包まれた帰還 日本の探査機が小惑星の砂を持ち帰った可能性 ナショナル・ジオグラフィック・デイリーニュース 2010年6月14日 カー・サン (ナショナル・ジオグラフィック)
宇宙船はやぶさは現地時間6月13日23:51にオーストラリア中央部の広大な砂漠の上空を超高速で飛び、予定通りの到着をした。この探査機は地球の大気圏上層での閃光シャワーに崩壊する前に、サンプルを帰還させる小型カプセルを切り離した。 このカプセルは光る点になり更に下行を続け、パラシュートを開いてウーメラ制限区で知られる南オーストラリア州の人里離れた軍事実験ゾーンに着地した。 捜索ヘリが現地時間14日1:00頃にカプセルの落下地点を確認し、科学者チームが同日に回収のために現地入りした。 現在カプセルはウーメラ町の科学基地に保管されており、研究のために日本に発送される準備中である。 カプセルの無事な帰還は、はやぶさの近距離小惑星往復の7年にわたる60億kmの宇宙の旅の完成である。 ファルコンの帰還 JAXAは2003年にはやぶさ (日本語でファルコンの意味) と名付けられたこの小型宇宙機を打ち上げた。この探査機は2005年に地球の近距離にある小型小惑星イトカワにランデブーし、数ヶ月間滞在し地球に戻った。 サンプル採集器具の問題を含む道中の数回の故障にもかかわらず、はやぶさが微量の小惑星の砂やガスを採集した可能性はある。 はやぶさのサンプル容器は10mgの物質を収容するように設計されているが、チームメンバーのキャンベラのオーストラリア国立大学 (ANU) の学者のトレバー・アイルランド教授は「もし1立方mmでも持ち帰れば大変満足である」と述べた。 「それはマッチの先よりも小さく・・・それでも私達はその量の物質から多くを語る事が出来る」 アイルランド教授は、日本で容器が開封されるまでは研究の貴重品になるかどうかを科学者達が知る事はないと述べた。 「私達は分析出来る何かを得られたかどうか全く見えない状態である」 はやぶさの帰還は双子の火の玉を作る はやぶさと帰還カプセルは光り輝く双子の火の玉として再突入地点からおよそ200-300km以内で肉眼で見えた。しかしながらこの宇宙船の軌道は人口密集地の上は通っていない。 はやぶさの冷蔵庫サイズのアルミニウム製の本体は予想通り再突入で破壊されたが、40cmの帰還カプセルはハイテク熱シールドとパラシュートを備えていた。 回収された宇宙カプセルは日本のJAXAの特別設備に運ばれ、来週には開封される。 初の「純粋」小惑星サンプル はやぶさの任務の帰路は緊張の連続だった。7年の旅の間この宇宙船は災難続きであった。 例えば、小惑星イトカワへの途中で宇宙船の太陽電池は強力な太陽フレアによって破損し、エネルギー供給のリミットと小惑星への到達時間の延長を余儀なくされた。小惑星の側で一旦「駐車」し、高度調整エラーで探検ロボットのミネルバが宇宙空間に転がり出てしまった。 そのうえ、イトカワへの順調な数回の着陸の1つで、小惑星のサンプルを集めるのに重要な金属発射システムが作動しなかった。 しかしながら科学者達は、ガスや砂ぼこりが着陸の際に宇宙船の採集スペースに送り込まれた可能性があると見ている。(はやぶさはイトカワの「振動による岩石の堆積」の構造を既に発見していた) そしてもしカプセルの中に何かがあれば、はやぶさの運んだ物は小惑星が実際どのような物なのか見る最初の手がかりになるかもしれない。小惑星は惑星や衛星の構成要素の岩石の残存物であるため、この発見は太陽系形成期への新たな識見を提供するかもしれないと科学者達は言う。 アイルランド教授は「私達は現在小惑星のサンプルを持っていない」と述べた。 技術的に、現在科学者達が持っているのは隕石である。通常は小惑星の小さな塊である。それは地球の大気圏を通過して残ったもので、その過程で決定的にダメージを受けている。 「元の表面は大きく失われる」アイルランド教授は述べた。「これは宇宙風化作用など、私達が小惑星の表面を実際に見て、太陽風が岩石物質にどのように影響を及ぼすかなどを見る事が出来る初めての事である」 カプセルの中の「純粋」小惑星サンプルの最初の検査を行なうためにアイルランド教授を含む国際科学者予備グループが選抜されている。 アイルランド教授は「全ての点検はまず日本で行なわれる」と述べた。 もし十分なサンプルがあれば、JAXAは宇宙岩石の貴重な微量を世界のその他の研究所に分配する。 より良い耐熱シールド カリフォルニアにあるNASAエイムズ研究所のピーター・ジェンキンス氏は、はやぶさのサンプル容器が空であったとしてもこの任務は成功である。再突入の後のカプセルの状態は今後の宇宙任務のための技術進歩をもたらすだろうと述べた。 はやぶさチームの公式なメンバーではなくても、ジェンキンス氏とその同僚達は12000mで飛行するNASAのDC-8機から再突入を見た。 「この飛行機によって天候の影響を受けない」とジェンキンス氏は述べた。「地上で観測するならカプセルとの間に多くの塵や水蒸気がある」 この飛行機ははやぶさの火の玉から約200kmの距離にあり、カプセルの耐熱シールドを良く見る事が出来た。それは再突入の間、赤、オレンジ、黄の間を脈動した。 チームは、再突入のそれぞれの段階でカプセルの温度を推定するためにこの正確な色の情報を用い、耐熱シールドの性能を評価する。 ANUのアイルランド教授は、7年間の期待の後、彼と彼の同僚達はカプセルの中に何を見付けるかをどれだけの時間がかかろうとも待つと言った。 アイルランド教授は、カプセルを開けるのに「科学的に急ぐ理由はない」とし、「サンプルにダメージを与えないために誰もが可能な限り慎重でありたいと考えている。しかしもし私達がカプセルを手に入れて、これが本当にいい状態だと言ったら、私達はいつまでもそこをうろついているとは思わない」と述べた。 [聞き取り・訳・字幕=岩谷]
National Geographic Daily News. "Hayabusa Spacecraft Returns With Fiery Show", June 14, 2010.; National Geographic Daily News. "Video: Hayabusa Spacecraft's Fiery Return From Asteroid", June 14, 2010. |
次はロイター通信による報道。この動画ニュースはネット上では数バージョンが確認出来るが、ここではITNニュース版を紹介する。
ロイター通信は記事配信メディアの性格上事実報道の内容であるが、大抵のメディアがイトカワのサンプル収集が太陽系形成の謎の解明に役立つ可能性を指摘しているのに対し、ロイターは更に小惑星と隕石の光学的性質が一致しない謎を解明する手がかりになる可能性と、太陽系形成の謎を解く事で将来的な地球への巨大小惑星の衝突の可能性を知るデータになる点も指摘している。
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日本の宇宙探査機の歴史的帰還 ロイター通信/ITNニュース 2010年6月13日 (日本時間)
砂漠に激突する前に探査ロケットはやぶさは壮観な航跡をオーストラリア上空に輝かせた。 JAXAの科学者の長谷川義幸氏は「パラシュートの配置は私達にとって素晴らしい状況である」と語った。 地元のアボリジニの長老と科学者達は、この聖地の何もダメージを受けていない事を確かめるためにヘリで現場に飛んだ。国防スポークスマンは、原住民リーダーがカプセルの発見現場に道案内をしたと述べた。 はやぶさは2003年に打ち上げられ、不規則な形状の小惑星に2005年に着陸した。科学者達はそれで物質の少量のサンプルを採集したと考えている。 彼等は、それが太陽系形成の秘密の鍵を解き、小惑星の地球への衝突のリスクに関して光を当てる事を願っている。 惑星学者のトレバー・アイルランド教授は、粉塵サンプルが小惑星と地球に落ちる隕石の間の「空白の繋がり」を解明するかもしれないと述べた。 カプセルの内容部宇の分析は日本で行なわれ、少なくとも6ヶ月かかると予想されている。 [聞き取り・訳・字幕=岩谷]
ITN. "Historic Japanese spacecraft returns", Mon Jun 14 2010 17:34:52. |
最後はスカイニュース。スカイニュースは英国のテレビ局だが、この動画ニュースはオーストラリア支局のニュース番組『ファースト・エディション』でキャスターはレイ・ハッチャーとシャロン・マッケンジー。
動画ニュースの方は、シドニーの宇宙航空アナリストで特に月の研究で知られるモーリス・ジョーンズ氏がスタジオでキャスターの質問に答える形で解説を行なっている。
ここでははやぶさミッションの過去のトラブルの末に帰還を果たした事、そして日本のインターネットでは祝福ムードではやぶさを擬人化した漫画キャラが多数アップされている件に触れ、これがアニメで知られる日本文化の祝福方法だろうとうけていたり、更にカプセル落下地点のアボリジニの聖地に関してアボリジニの有力者の協力を得た点などを説明している。
記事の方はスカイニュース・オンラインのエンマ・ラングマン記者が書いたもので、やはりここでもアイルランド教授の発言や、更にオーストラリア国防軍スポークスマンの発言を引用するなど、このはやぶさ計画に関する苦労と、まだ明らかでないカプセルの収集に対する期待が書かれており、全体的には祝福ムードの記事である。
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驚くべき小さな箱には大きな宇宙の答えが スカイニュース 2010年6月14日14:05UK (日本時間14日22:05) エンマ・ラングマン (スカイニュース)
太陽系を疾走し小惑星のかけらを運んだ小さな箱が宇宙の多くの謎を解明するかもしれない。 バスケットボールサイズの日本の宇宙カプセルは宇宙空間に7年間いた後オーストラリアの奥地に落下した。 運ばれた情報は惑星がどのように形成されたか、そして太陽系初期の歴史の疑問を解明するかもしれない。 オーストラリア防衛軍スポークスマンのリンドセイ・キャンベル氏は「小さな箱の中に宇宙の答えがあるかもしれないというのは奇妙なもので、それはとても驚くべき瞬間だ」と語った。 この箱は宇宙船はやぶさから切り離され、南オーストラリア州の遠隔地のウーメラ軍事ゾーンにパラシュートで着地した。 オーストラリア国立大学のトレバー・アイルランド教授は、はやぶさが旅を続けられない恐れにもかかわらず、この探査機に努力を惜しまなかった科学者達を「ハイパー」であると語った。 「パラシュートが開くかどうか、(シグナル) ビーコンが発信されないのではないか、また泥の池に沈んでしまわないかなど、それは大きな心配だった。これは既に物凄い任務であり、本当に物語のようだ」(アイルランド教授) 日本政府のトップスポークスマンの仙谷由人内閣官房長官は、この宇宙船の業績が「日本の技術を世界にアピールし、励みを与えた」と絶賛した。 アボリジニの長老がそれが神聖な遺跡に落下していない事を確認し、日本の宇宙局のJAXAが探査機を回収した。 それは現在ウーメラのコントロールセンターにあり、日本で厳重な点検を受けるまで開封されない。 [聞き取り・訳・字幕=岩谷]
Sky News. "'Amazing' Little Box Has Big Universe Answers", 2:05pm UK, Monday June 14, 2010. 魚拓:[Yahoo] [Classic FM] |
一連の欧米のあっけらかんとした祝福に満ちた報道を見て受けた印象というのは、はやぶさは打ち上げの後に打ち上げロケットを切り離し、最後に探査機を切り離して着地しているようなニュアンスの表現であり、つまりはやぶさはカプセルになって帰還しているのである。
一方日本で持たれているイメージは、コスモクリーナーを地球に届けるヤマトの艦長のように任務を果たして地球を見ながら燃え尽きるはやぶさであり、カプセルははやぶさが届けたものと認識されている。
日本では任務成功への祝福をしながらも塵となったはやぶさへの憐れみのニュアンスがあり、紆余曲折の末に地球帰還を果たしたが、はやぶさ自身は身を呈して任務を果たしカプセルに未来を託すという辺りが日本人の琴線に触れる要素ではあるが、欧米メディアではそれを「派手な花火ショー」と表現するなどお祭りムード一色の辺りが一番の違いだろう。
おまけ:
世界中の報道状況を扱うには量が多過ぎるのと、多くのメディアが事実報道で大抵が内容が重なっているため、今回は動画ニュースである程度独自の内容のあるものを4つピックアップし、そのメディアの記事と対にするというまとめ方をしてみたが、単独の記事で何となく面白かったのがエコノミストである。
日本の宇宙プログラム 栄光の炎 日本は宇宙で二つの成功を達成 エコノミスト 2010年6月15日 先々週にファルコンが宇宙に打ち上げられた:イーロン・マスク氏の民間融資のファルコン9ロケットである。 写真が示すように再突入で宇宙船の大部分は燃え尽き、炭素フェノール樹脂製の耐熱シールドでプロテクトされた小さな部分が残りウーメラの近くの砂漠に着地した。このカプセルには地球と軌道が交差する全長500mの小惑星イトカワの物質が入っている事が期待されている。 それがまず第一点で、日本の宇宙局のJAXAは実に、第二点として6月10日に地球を周る軌道のソーラーセイル小型衛星のイカロスの打ち上げに成功している。 この2つのうち、短期的にはイトカワ任務がより壮観であるが、それは太陽フレア、ボルダー上の着陸、そして地球帰還の3年延期など災難続きであった。しかしその帰還は、JAXAの筑波宇宙センターの地球司令部チームのトラウマ的経験により成し遂げられた。 それでも長期的にはイカロスがより重要な任務になるかもしれない。ソーラーセイルは宇宙旅行の高速手段ではないが低燃費である。それは日光からエネルギーを得るため燃料が必要ない (反射光が僅かな圧力を帆に加え前進する)。 イカロスは5月21日に打ち上げられた (それはJAXAの金星ミッションにリフトを繋いだ)。 もしそうであるなら、それは宇宙船によって地球に持ち込まれた4番目の地球外物質になる。前例はアポロ任務や3回のロシアの無人月面機に持ち帰られた月の岩石、2004年のスターダスト計画でワイルド2彗星から収集された物質、そして2001-04年のジェネシス計画で収集された太陽風サンプルである。 皮肉な事に、JAXAがカプセルの着陸地点としてえらんだ場所は、1950-70年代に行なわれた英国の廃止された宇宙プログラムの『ブラックナイト』『ブラックアロー』『ブルーストレーク』の地である。 [訳=岩谷]
The Economist. "A blaze of glory", Jun 15th 2010. |
英国は、ヨーロッパ型ロケットの4機連続失敗などもあり、サッチャー政権時代に財政危機から宇宙開発から撤退しており、2007年にはハワイのジェミニ天文台への出資を撤退し、欧州宇宙気候への支出も主要加盟国では最低という状態である。
そんな中、今年の4月に英国宇宙機関 (U.K. Space Agency) を設立しており、そもそも宇宙開発の独立性の問題から撤退した経緯から恐らく英国国内でも批判が多く、それではやぶさの報道が特に英国で盛んであったという背景の一部にはあるのではないかと思われる。
このエコノミストの記事の最後の段落では、かつて英連邦オーストラリアの僻地を英国が実験で利用し、それが今日本に取って代わられているが、これが悪いジンクスであるなら日本もかつての英国と同じ道を歩む事になりかねない。かつての教訓を参考に出来るのはむしろラッキーである・・・と言ったニュアンスの事を言いたいように見える。
こういう自国と日本の両方への皮肉をやんわりと言っている辺りがイギリスらしいというか、経済メディアのエコノミストらしい記事である。
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お知らせ (2010.5.20):
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