獣医のたまご、口蹄疫対策へ行動開始/相模原
2010年6月21日
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将来の伝染病は、自分たちが防ぐ―。被害が拡大し続ける口蹄(こうてい)疫の対策を学ぼうと、来春から家畜を診る産業動物獣医師となる麻布大学(相模原市中央区淵野辺)の学生が動きだした。実家は宮崎市で養豚を営んでいる。現地で畜産農家の苦悩は痛いほど感じた。「獣医師は農家の相方であり、被害を防ぐ最後の砦(とりで)でなければ」。同大学で勉強会などを企画しながら獣医師の“たまご”たちに切々と呼び掛けている。
学生は麻布大獣医学部6年の日高佑太郎さん(24)。4月に偶然、古里の宮崎に帰省した際、口蹄疫被害が発生した。
「あの家は感染したらしい」「次はうちかもしれない」。発生当初、現地ではうわさが飛び交い、畜産農家が不安におびえる姿を目の当たりに。発生中心地の児湯(こゆ)郡は昨年、獣医師の実習で訪れた場所。お世話になった農家の家畜も、次々と殺処分の対象となっていった。
5月半ば、大学に戻り驚かされたのは、関東での関心の低さ。「今は学生で何もできないけど、口蹄疫は将来も起こり得る。『あのとき何をしていた』と後悔したくない」
志に共鳴した大学院3年で、日本獣医学生協会麻布大学支部の柳沢洋喜さん(27)と協力し、獣医師を目指す学生が多い麻布大で6月7日から1週間、口蹄疫の対策や発生地の現状を学ぶ勉強会を企画した。
勉強会では、同支部の学生ら11人が、症状や防疫法などについて発表。日高さんは、埋め立て地の確保の難航や、発生当初、獣医師の数が足りなかったことなどが殺処分が遅れた一因と指摘。不安におびえる農家に対して、早期の情報提示や支援の必要性を訴えた。毎回、約100人の学生が集まり、手応えを感じたという。
発表期間中も感染は拡大し、宮崎市にも飛び火。「もう宮崎から牛、豚はいなくなるかもしれない」。日高さんの父は電話口で漏らした。祖父の代から約40年続く農場の豚約1万頭も、どうなるかは決まっていない。
「この被害の教訓を、次へ生かさないといけない」。日高さんらは、さらに広く訴えていくつもりだ。
◇
日高さんや、宮崎県で防疫活動に従事した同大助教授らが、市民公開講座を26日午後1時から、麻布大学100周年記念ホールで開く。「口蹄疫を正しく知ろう」と題し、宮崎県の被害現場の実情などについて語る。入場無料。問い合わせは麻布大学総務部電話042(769)2032。
学生は麻布大獣医学部6年の日高佑太郎さん(24)。4月に偶然、古里の宮崎に帰省した際、口蹄疫被害が発生した。
「あの家は感染したらしい」「次はうちかもしれない」。発生当初、現地ではうわさが飛び交い、畜産農家が不安におびえる姿を目の当たりに。発生中心地の児湯(こゆ)郡は昨年、獣医師の実習で訪れた場所。お世話になった農家の家畜も、次々と殺処分の対象となっていった。
5月半ば、大学に戻り驚かされたのは、関東での関心の低さ。「今は学生で何もできないけど、口蹄疫は将来も起こり得る。『あのとき何をしていた』と後悔したくない」
志に共鳴した大学院3年で、日本獣医学生協会麻布大学支部の柳沢洋喜さん(27)と協力し、獣医師を目指す学生が多い麻布大で6月7日から1週間、口蹄疫の対策や発生地の現状を学ぶ勉強会を企画した。
勉強会では、同支部の学生ら11人が、症状や防疫法などについて発表。日高さんは、埋め立て地の確保の難航や、発生当初、獣医師の数が足りなかったことなどが殺処分が遅れた一因と指摘。不安におびえる農家に対して、早期の情報提示や支援の必要性を訴えた。毎回、約100人の学生が集まり、手応えを感じたという。
発表期間中も感染は拡大し、宮崎市にも飛び火。「もう宮崎から牛、豚はいなくなるかもしれない」。日高さんの父は電話口で漏らした。祖父の代から約40年続く農場の豚約1万頭も、どうなるかは決まっていない。
「この被害の教訓を、次へ生かさないといけない」。日高さんらは、さらに広く訴えていくつもりだ。
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日高さんや、宮崎県で防疫活動に従事した同大助教授らが、市民公開講座を26日午後1時から、麻布大学100周年記念ホールで開く。「口蹄疫を正しく知ろう」と題し、宮崎県の被害現場の実情などについて語る。入場無料。問い合わせは麻布大学総務部電話042(769)2032。
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