61日目、川南の処分終了 疑似患畜14万5000頭

(2010年6月21日付)

 川南町で20日、口蹄疫の感染・感染疑いで殺処分対象となった牛や豚約14万5千頭の殺処分、埋却作業が終わった。町内1例目の確認から61日目で、延べ2万人が作業に従事。対象頭数は県全体の7割超を占め、殺処分の遅れが感染拡大を招いたとの指摘もある。埋却地の総面積は約30万平方メートルにも及ぶ。

 同日処分したのは1農場の豚約1300頭。午前9時から町職員や獣医師ら約60人態勢で臨み、時折激しい雨に見舞われて作業は難航したが、午後7時すぎに終了した。

 同町では4月21日に感染疑いが初めて確認され、ゴールデンウイーク明けから爆発的に感染が拡大。これまでに計197例(今月19日現在)が確認されている。

 ワクチンを接種した家畜約1万2800頭の殺処分、埋却作業も17日から並行して行われており、4日間で約2千頭を処分している。

 町農林水産課は「畜産密集地での発生がこんなに恐ろしいとは。用地取得は順調に進んだが、人力をフル稼働しても処理が追いつかなかった」と振り返り、「(ワクチン接種家畜の処分も)一日も早く終わるように気を緩めずにやりたい」としている。

【写真】疑似患畜14万5000頭の処分を終えた川南町の埋却現場=20日午後(同町提供)