Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
+ + + index + + +

経営品質
+ 動機が正しければうまくいく
+ すべては人が創りだす
+ 世界一かオンリーワンか
+ 世界の行方
+ 特別な産業はない
+ テレビ局の価値
+ 人と組織を良くするために
+ 組織の真価
+ 働き甲斐のある会社
+ The Quality Journey
+ 従業員が語る
+ 会社の目的
+ 人の心を測る究極の設問
+ 守破離
+ お客様と社会をtwitterで
+ 規制と支持
+ 仮説力を上げる
+ 見えないところ
+ 顧客価値を見つける
+ 社会との調和、その先
+ 働くことで得られる幸せ
+ Happy - Happy
+ 習慣へと高める
+ 信頼を積み重ねる
+ 気づく組織をつくる
+ シャツ対決
+ 本当に価値あるもの
+ 多様な人材とビジョン
+ うめさんの秘伝書
+ ヤマザキパンの地域との共生
+ 価値を考える
+ テレビショッピングも双方向
+ M&Aと組織的能力
+ 目の前の仕事
+ 究極の「いつも美味しい」
+ 人はブランド
+ 戦争か協働か
+ 伝説
+ どこで勝つのか
+ お客様はネコ?
+ 共通言語を持つ
+ お客様を選ぶ
+ 支援の範囲
+ 浸透の仕方
+ マスマーケティングの崩壊
+ チームで経営
+ 健全な危機感
+ 経営には公式はない
+ 伊那経営フォーラム
+ 異文化の刺激
+ イメージが広がる
+ すごいヒトコト
+ 高知本氣フォーラム レポート
+ 小山社長、12年目の告白?
+ ワールド・カフェで発散

++ 176-200 ++
+ 2つの資産
+ 従業員がイチバンな理由
+ 全員が経営を考える
+ ESの客観性
+ お客様のニーズと違う
+ 変革とは文化を変えること
+ 笑顔は直接利益に結びつく
+ 認識が変わる
+ 確信が革新に変わる
+ 目的とモチベーション
+ 何度も来店したくなる店作り
+ エクセレンスの基準
+ 組織内で習慣を共有する
+ 勝つとこを決める
+ 企業の価値
+ 経営品質は古い
+ アートで地域活性
+ 地給地足
+ 自分と会社の未来
+ 服は部品
+ 未来永劫
+ お客様からの支持
+ きれいごと?
+ 対話を深めるために
+ 言論の自由

++ 151-175 ++
+ 気づく組織づくり
+ 変化の兆しを見なくなる
+ 共感を得ること
+ 全幅で受け入れる
+ 突拍子もないこと
+ お客様の立場で
+ どうありたいか
+ 企業に投票
+ 結果指標も独自
+ 安心の提供
+ DNAの伝承と企業の成長
+ 非言語的シグナル
+ 風土で差別化
+ 人が育つ風土
+ 反省なきところには
+ 課題解決には目的を
+ 質問には質問
+ 伊那フォーラム総集編
+ イザ使える
+ エコが競争軸
+ 和して同ぜず
+ いつもが肝心
+ 難言
+ 発言が弾む会議
+ ユニバーサル

++ 126-150 ++
+ セル方式
+ 強制なのか?
+ 造花はナマケモノの象徴
+ 成功体験
+ 経営品質のフレームワーク
+ 食品業界のCSR
+ 文化とは
+ 次の行動につなげる質問
+ 今までにない食を生み出す
+ 認識を変える
+ やらされる側
+ 顧客満足度No.1
+ TO BEから探る
+魅力的な情報発信
+声を聴く
+小さな商店の地域密着経営
+顧客価値
+発言が変わった
+浸透した状態
+看板と誇り
+「運ぶ」を作る会社
+軸ぶれてない?
+話し合いのプロセス
+すごいイベント
+失敗しないビジネスモデル

++ 101-125 ++
+ヒトコトで言うと!
+新しい形
+何が強みなのか
+社会現実性
+測定する
+組織の倫理
+横並び
+“なぜ”
+オープンマインド
+改革とは
+納得・共感を得る
+顔晴れるか
+相手目線
+どうなりたいか
+基本に戻ること
+この人となら
+思いを重ねあわせる
+品格を高める
+社会との共生
+思考を変える
+常識は非常識
+みなで創り上げる商品
+カンガエルことの連鎖
+自分の仕事って
+企業の存在価値

++ 76-100 ++
+空港の独自性?
+読書の作法
+大切なこと
+日本型CSRの思想
+世界一の靴下を創る
+課題は内部にしかない
+正直と仲間がキーワード
+これからのクオリティ
+革新に向けた合意形成
+福井キヤノンJQA受賞
+組織は個々人の集まり
+共通点を探す
+お客様を美しくする
+原則の定義
+従業員が感動すること
+同業他社の後追い?
+元気な組織の秘訣
+性善説で経営する
+深い対話
+社会から経営を考える
+ネットワークを拡げる
+揺るぎない哲学
+それってGood show?
+マクロで考える
+原則で動こう

++ 51-75 ++
+世界初だからこその挑戦
+Happy Companyを目指すパトライト
+やる気が出る目標
+相手のニーズを察知する
+エクセレンスとは
+進化を追及し続ける組織
+トヨタが「最も賞賛される企業」に
+自分たちにあったやり方
+間違っている人は誰もいない
+推進者の信念
+Enjoy the difference
+伝える技術
+3Mの企業文化
+ゴーン社長の発言
+それって本質?
+ナショナルの姿勢
+考える、発言する
+人間性とは
+人が幸せになるための経営
+誰も真似できない
+食べないカマス
+全身全霊を傾けて「聴く」
+あるアイスクリーム屋さんの経営
+木の年輪のように
+らしさ

++ 26-50 ++
+コンセプトが伝わるモノづくり
+アイデンティティ
+見えないものを見ようとする
+仕事が上で、お金は下
+気づきはちょっとやそっとじゃ
+大事なことを大事にする方法
+何がわからないかをわからない
+考えるクセをつける
+思考の柔軟性
+共通の目的
+人の意識が生み出す成果
+伝統とは革新の連続である
+進化し続ける組織とは
+原因自分論を標榜する元GM社長
+経営のバランス感覚
+会議に必要なスタンス
+社員の成長を願う「あさ開」
+コミュニケーションの隠れた壁
+バグジー久保社長から教わったこと
+良い会社とは何か
+他の人の視点をもらう
+お客様満足と業績のダイレクトリンク
+気づきの生まれる場所
+駄菓子からスナック菓子へ!おやつカンパニー
+対話の難しさ

++ 1-25 ++
+悩まないで考える
+何でも言える
+無意識を意識する
+仮説をたてる意味
+思考プロセスって?
+卓越した経営の秘密
+大切なことを大切にする
+進化する集団トヨタビスタ高知
+本当のイノベーション
+福井キヤノン/21世紀の「やくダち!や」
+日本を元気にするビデオを作る
+すごいぞ ジョンソン&ジョンソン
+ビジョン共有ってどうしたら?
+支援部門のお客様はダレ?
+価値前提で重要成功要因を考える
+イメージを描く
+アセスメントの考え方
+カルソニックハリソン 雪竹社長のリーダーシップ
+情報の選択
+宮崎本店/日本のロマネコンティを目指す
+V字回復の経営/コマツ産機
+福井県経営品質賞表彰式、千葉夷隅加藤支配人講演
+ロッソえびすやの経営品質向上への取り組み
+北川知事と横田社長
+兵法に学ぶ経営 アサヒビール 中条顧問
+2002年度日本経営品質賞受賞企業報告会

リッツ宿泊記
+リッツ宿泊記(1)
+リッツ宿泊記(2)
+リッツ宿泊記(3)
+ソウルリッツ宿泊記


きつねのお仕事

動機が正しければうまくいく 2010年6月14日(火)

「伊那経営フォーラム」2つ目の基調講演。それは、伊那食品工業の塚越会長のお話。
その根底には「利他」の思いが流れている。というか、「利他こそがすべての原点」だとおっしゃっていました。

動機が正しければうまくいく。その動機とは人が幸せになること。「儲かるように」では上手くいかない。今回、塚越会長の口から「野心」という言葉が飛び出したことにオドロくとともに、静かな情熱を感じました。その野心とは、

社員を大事にして、地域社会や文化を大事にしても、経営が成り立つ、ということを証明すること。
ということで、塚越会長の「野心」が実現したのかどうかを勝手に証明してみます。
まずは社員。

どんなに栄えても社員の健康を考えない経営者はニセ者だ。
会社の永続が社員、そして社会の幸せである。売上とは商品が支持された結果。盛り上がるように内部から伸びていくのが本来の姿。
いい会社はかかわるすべての人から「あの会社、いい会社だね」といわれる会社。 社員の幸せの増大は、精神的・経済的な成長へとつながっていく。輝きながら永続していく。そういう会社創りをずっと目指し、取り組んでこられたのです。

こういった考えは、10代後半3年間の闘病生活で「歩けるだけでもうらやましい・・・」を実感された塚越会長ならではなのだと思う。「健康で働ける幸せ」に感謝し、「一生のうち一番長く過ごす会社こそ、人を幸せにできる」と考えている。

塚越会長が伊那食品工業の経営再建を引き受けた時、社員のやる気を100%以上出したいと考えました。でもお金はかけられない。そこで閃いたのが「社員が会社を自分の家のように思ってもらえたらいいのでは」という考えでした。

作業環境を良くしよう。ちょっとでも明るく、ちょっとでも綺麗に、ちょっとでも軽く、ちょっとでも作業を楽に、ちょっとでも温かく、と小さなことから取り組む。労使ではなく、同志だ、と社員に語りかけながら。今では水に直接触れる工程はありません。誰もが安心して仕事ができる環境です。2年に1回の海外旅行は世界の地域文化を学ぶためでもあったりします。


次に地域社会と文化。赤字であった頃は、工場排水で匂いがするなど地域の方にはご迷惑をかけていた。新しく工場を建てられる経営状況になった時、それらを解消し、敷地には20年後を想定して木を植えた。いまでは心地よい木漏れ日を作る。水が美味しいというので、無料で提供、足りないというのでもう1箇所設置、レストランがあったらいいですね、ということでレストランを作り、文化活動ができるホールまで作って開放しています。
さらに、塚越会長が毎年伊那谷の自然を撮影されて発行するカレンダーは、今年9万部を刷って配ったそう。また、大鹿村の歌舞伎を広めるための映画を作ったり。伊那には美しい自然、文化がたくさんある。それらを積極的に発信されています。

社員の方が毎朝30分早く来て敷地内や周辺の清掃、樹木の剪定などをしています。地域の方から「あの時のあの方、おたくの会社の社員だってすぐわかりましたよ。雰囲気が違います」とお褒め戴く・・・。地域社会・文化もバッチリです。

そして、かかわるすべての人に。業界全体で成長していきたいと寒天を相場商品にしないよう原材料の備蓄に取り組んだり、常に寒天の新しい用途を模索し、業界を超えて研究開発しています。
納品業者にコストダウンを求めたことありません。なんてったって売上計画立てません。従業員もお客様も含め、かかわるすべての人に対して、「信じる者」と書いて「儲る」、つまり、伊那食品工業のファンづくりを心掛けてきた。


その結果、48年間、増収増益を続けています。てことで、塚越会長の野心はもう証明されてますよね。そして、「動機が正しければうまくいく」も証明されています。
伊那食品工業は、あの100年カレンダーに象徴されるように、塚越会長の考えを深く理解した社員の皆さんが地域社会やかかわる人のことも考え、遠くをはかり、これからも年輪のような成長を重ねていくのだろうな。
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すべては人が創りだす 2010年6月12日(金)

爽やかな青空の下、車を飛ばして「伊那経営フォーラム」へ。日本理化学工業の大山会長、伊那食品工業の塚越会長、お二人の基調講演、そして、人と経営研究所 大久保さんとICPE鬼澤さんの対談。やっぱり聴きに行ってよかったなぁ。

大山会長のお話で心に残ったこと。

  • 幸せとは物心両面が整っている状態である
    「福祉」という漢字の「しめすへん」は幸せを、つくりは、福は物を、止は心を表すのだそうです。「4つの幸せ」は心の部分。つまり、経済的にも自立した生活が出来ることも必要なんですね。
  • 誰にでも世の中に役に立つ才能がある
    工場見学に訪れた青山学園の小学生から後日送られてきた感想文
    「天の神様は、どんな人にも世の中の役に立つ才能を与えてくださったのだとわかりました。僕も自分の才能を活かして世の中の人の役に立ちたいです」
  • 結果を出せるやり方は必ずある
    あの子たちに能力がないのではない。あの子たちの才能を活かしたやり方が必ずある。それができないのは自分たちが未熟だということです。
  • (村上龍さん命名)ブーメラン効果
    ガラスに描けるキットパスの開発には、大学からの支援が。チョーク市場が縮小していく中、事業を継続していくための新商品を作りたい・・・。「あの子達を幸せにしたい」と思って取り組んでいたら、それを知った多くの人からその都度手を差し伸べていただけてきた。
特に4つ目のところを少し補足すると、集中力があるという特徴を持つ彼らがうろうろするのは、理由がある、ということ。「できるよね?」と聞かれた時はちゃんとできるって思って「はい」と返事をしたものの、健常者の職員が見回りに来るたびに、「違うよ、こうやってね」といわれていると、また指摘を受けるんじゃないかと不安でいっぱいに。健常者であってもいやですよね。そして、その子がやれる方法を考え出して教えたら、持ち前の集中力を発揮し、翌日の分まで「もっとやっていいですか」となったエピソードを話してくださいました。できるとわかると安心するんです。そして、ちゃんとできたら褒められる。すると安心してもっとやりたくなる。いまは、「できる」と答えても、本当にできてるのかを最初に見ているそうです。

その子の才能を見つける。そしてそれを活かした方法を考える。大久保さんが、「任せてはいけない人に任せて、やっぱりできなかった、は違うよね」、とおっしゃっていたのはまさにその通りなんですよね・・・。

あ、タイトルから話がそれてるかな。失礼しました。
大山会長が渋沢栄一氏の「経済とは“”経世済民」を引用されていたように、企業の存在意義って、4つの幸せの中の「誰かの役に立つ」を実感できて、経済的自立ができること、なんじゃないかと思ったんですよ。で、「誰かの役に立つ」には、誰かがその子の才能を見つけてその才能を引き出すチャンスをつくって伸ばしていくわけじゃないですか。結局は、人が人を育て、誰かの役に立つ商品やサービスが生まれ、いい会社やいい地域やいい国ができていく。すべては人が作り出している。

となると、「個」と「個」の能力の引き出し度合いがその社会の成熟度を決めていくんですよね。社会は二人からはじまる? 自分の周りにいる人の役に立つことが私に出来ることなんだろうな。
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世界一かオンリーワンか 2010年6月11日(金)

・車が売れない
・旅行にいかない
・上を目指さない

最近のワカモノに対してよく使われる台詞です。
でも、本当にそうなのでしょうか。

ワカモノに聞いてみたらその答えはわかるはず。「だって、それよりオモシロイものがあるからさ」

ユニクロやiphoneは売れている、歴女が増える・・・。つまり、いまのワカモノ「が」欲しいいいモノやサービスが提供できていないこと、そして、「こんな人になりたい!」と熱く思えるような、目指したい人がいないってことだと思う。

いやいや、イイモノ創ったって、そもそも日本のマーケットが縮小していくわけだから、パイが減る分、売上だって下がっていくんだ・・・。でもほんとにそうなのでしょうか。市場に出回るお金は「結果」であって、前提条件ではないと思うのです。

では、売れるものってどんなものか。世界一か、オンリーワン、どちらを選ぶべきなんでしょう。未来工業さんは世界一は大手メーカーに譲って、小ロットであってもお客様の要望、スピードに必ず応えるオンリーワンを目指す。

また、世界一の定義ってだけでもいろいろある。早い、安い、品質がいい、大量生産可能、世界中どこへでも届けられる、新技術、多機能・・・。一方で、オンリーワンの定義は他社が絶対真似できない、に尽きる。ある意味、世界一=オンリーワンという可能性もあるわけだけど、「おたくの商品なら買いたい」「おたくの従業員から買いたい」というとこまでいったらすごいのではないだろうか。

こないだ、三重県の「伊勢和紙」メーカーがインクジェットやレーザープリンターの印刷に対応できる和紙の生産に成功したことがテレビで取り上げられていました。和紙は繊維があり太さが均一ではないため、プリンターには不向きな紙です。だからといって諦めたのか。

プリンタ用に試行錯誤を繰り返し、「いまでは世界的に有名な写真家の撮影した写真をわが社のプリンタで印刷して展覧会に展示していただいたりしています。」 和紙の風合いを活かした紙は、まさにオンリーワンです。

いつまでも経営環境や人のせいにしていないで、お客様指向で「オンリーワン」を極めていくことがいまの時代の成功要因です。

●ご参考(伊勢和紙) 詳しくはhttp://www.isewashi.co.jp/を。


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世界の行方 2010年5月29日(土)

毎年スイスのIMD(経営開発国際研究所)が発表する国別の競争力順位。1位シンガポール(初)、2位香港、3位アメリカ。(全58カ国のランキングはこちら。IMDのサイト)

日本は昨年の17位から27位へ。シンガポール、香港、そして台湾はイキナリ23位から8位浮上。アジア勢の競争力が高まってる。
中国は意外にも20位から18位にちょっとランクアップしただけ。「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基盤」この4つから見た時に、社会基盤で低いのかな。

hideから、中国の工場で連続自殺事件が起きてるときき、教えてもらった日経BPサイト(2010/05/28記事)を読んでみた。世界は、安い労働力を求め次から次へと場所を移してきた。次はベトナム、その次は東欧??? 

経済のグローバル化の波に流されて結局富める者は富み、貧しいものはさらに窮する。マザーテレサのドキュメンタリーをたまたま今日見た。食べるものに困らなくても、貧困がある。それは孤独と呼ばれていた。資本主義の怖さなのかもしれない。

中国の内陸部では「丹尼斯」というデパートが急成長しているらしい。そこでは日本の食品などが高くてもどんどん売れている。中国は一党が政治経済すべてを統制しているだけで、共産主義ではない。人口を考えれば、中国はこれからどんどん成長していく市場になる。

自殺者が出る工場、急成長するデパート。どちらの経営者も競争力ランクをあげた台湾の方。中国という国の労働力、市場規模を借りての成功。随分前から変わり始めた中国はこれからもっと変わっていくような気がする。外から見た中国と中から見た中国がだんだん一致するようになっていくのかもしれない。これから世界はなにを中心に動いていくのか。経済競争力? 人々の幸福? 


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特別な産業はない 2010年5月9日(日)

JR東日本の副社長であった細谷英二さんは、りそな銀行の会長を引き受けた。“他流試合で通用する人材になれ”と常日頃から部下に言っていたことも一つの理由。

そんな細谷さんが取り組んだ、りそな銀行の再生には、大きく2つの成功要因がある。
一つは戦略。お客様を中小規模と個人に絞り、徹底的に顧客視点でのプロセス改革を行った。そしてもう一つは、リーダーシップ。従業員の認識を変え、モチベーションを高めるための対話を6年半もし続けている。

その根底にあるのは、細谷さんが考える企業のあり方。

 お客様密着、地域密着でなければ企業は持続できない。

細谷さんが国鉄時代に関った民営化に際して、一つの会社にせず、分割した理由。それもこの根底にある思いだった。「北海道で乗るお客様は、ほとんど北海道で降りている」

そして、「銀行の常識は非常識」と、社内の反発を共通の認識と小さな成功体験の積み重ねで変えていく。

たとえば、どこの大手銀行もやっている株式の持ち合い。これを解消したこと。社内からは、企業との関係が維持出来ないと反発された。しかし「うちは、中小でNo.1になるんだ」と、頻繁に中小企業のお客様を訪問し、商いに役立つ提案やサポートを営業が行った。大手と同じことをせず、株式の持ち合いをやめた効果の一つとして、リーマンショックの影響を回避できている。

ビジネスモデルの転換に加え、同時に従業員の意識改革を対話を通して行う。細谷さんが従業員に伝えたのは次の3つ。

  • 普通の会社にしよう。特別な産業という意識をなくそう
  • いいものから謙虚に学び続けよう。サービス業としての自覚をもとう
  • 合併前の意識をなくそう
銀行は特別ではない。すべての企業には必ずお客様がいる。そこを起点として銀行を再構築されたのです。お客様を待たせない、接客は立って行う、17時まで営業、個人のお客様への対応でよい事例は表彰する・・・・。

「6年半言い続けている」とおっしゃっていた言葉から覚悟を感じた。
公的資金投入となった過去の反省をして、前に進もう。それを伝える。

 三流のリーダーは“カネ”を残す
 二流のリーダーは“事業”を残す
 一流のリーダーは“人”を残す

りそな銀行では、お客様密着、地域密着を指向する従業員という人が育っていくのだろうな。

1点だけ細谷さんに賛同できなかったとこがありました。国鉄が民営化された要因として、「官は責任の所在が明確ではない」とおっしゃったところ。
私は官であっても、三重県庁さんのように価値提供先である住民をお客様と考えることや、トップや職員の一人ひとりが責任感をもって取り組む環境を整えられている組織はあると思うからです。リーダー次第、といってしまうのは安易だけど、価値提供ではなく、組織を維持していくことが目的となってしまったら官でも民でも破綻していくんだと思う。いかに「自分たちの」顧客と向き合うか。それを常に考える。どんな組織でも原点はそこにあるのだ。

●この内容は、TV東京カンブリア宮殿の2009年末放映のfoxryo感想です。いまさら見ました・・・。
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テレビ局の価値 2010年4月21日(水)

TBSが韓国ドラマを21時から放映。外国で作られたドラマを地上波のゴールデンタイムに放映するのって、画期的です。私の記憶では、これまでなかったと思うのですが。映画はあるけど。

 「ハリウッド映画の凋落は、テレビを敵に回したところにあった」。

映画産業ではなく、娯楽産業と捉えれば、テレビという媒体で流せる映像を撮ることもできたのに、あくまでも「映画館に配給する映像を撮る」ことにこだわってしまった。

そして、今。インターネットで動画の配信もできるようになって、無料のyoutubeが登場し、日本のテレビ局はどう変わるのか。自分たちの事業の定義をどう捉えるかで結果は変わってきます。

アメリカの鉄道会社がバスに負けた話もあります。自分たちの事業を鉄道と捉えるのではなく、“輸送”と捉えれば、顧客を失うことはなかった。自分たちが作れるところにレールを敷設し、駅を作ればいいと思っていた。一方で、バスはお客様が便利な路線を探し、便利なところで停まった。お客様から見たら、鉄道は人や物を運ぶものです。

BSでチャレンジして成功体験を積んで、地デジで本番、みたいな傾向ってあるような。とってつけた番組と作りこんだ番組、どっちがいいのか。みんながテレビ離れしていく前に、テレビ局はまだまだたくさんやれることがありそうです。収益構造も。

映画で海外にアピールしていこうというのを国策にしている韓国。作りこみにお金が掛けられないなら、ドラマを買うだけでなく、製作会社に出資するってのもありなんじゃないかと思う。テレビ局も少しずつチャレンジしている。NHKは最近なんか民放ぽくなってきたような・・・。
テレビ局だけでなく、自分たち自身もお客様から見てどんな価値を提供するのか。そこをはっきりさせていくことが独自性であり、成長の原点です。


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人と組織を良くするために 2010年3月29日(月)

2009年度日本経営品質賞に輝いた「万協製薬」さん。
三重県多気郡多気町に所在し、従業員は、95名、売上は約17億の会社。
これまでにない外用薬の受託製造というビジネスモデルを確立し、売上・利益を成長させてきたことも評価ポイントになっていますが、社長の松浦さんが目指しているのはそこではない。

経営品質向上プログラムに取り組んだのは、「AAAのエンパワーメントが進んだ組織は自ら学習する組織になる」を目指したいと考えたから。
以降、「経営トップのリーダーシップ」、「経営における社会的責任」(社会からの期待・要請)、そして「個人と組織の能力向上」、この3カテゴリーを重視して取り組みはじめる。

リーダーシップでは「あらゆる組織は人と組織を良くするために存在する」を志し、実践。阪神淡路大震災 被災後、従業員を解雇せざるをえなかったこと、その後、三重県での第二の創業に臨んだことを組織プロフィールを書きあげる中で従業員と共有。
企業理念を、「迅速・確実・安価・快適」と定め、積極的に顧客を増やしていくことで、社会との接点や強いつながりを築き、「なくてはならない会社」となることを目指した。この中で一つ、従業員に向けたメッセージがある。それは、“快適”。 「“快適”は楽しいを意味している。」と松浦さんがおっしゃってたからそう思う。
経営理念て、お客様とか価値提供先とか社会とかそっち方面に全面的にいきがちですが、これは松浦さんの中にある従業員への思いなんだろうな。

社会の要請・期待への対応にしても、「会社の社会的価値とは」を考えた。会社は中からしか変わらない。会社の中から社会の貢献を考えることでは?という思いに至り、「従業員・顧客・会社の円を描き、それらが交わるところが大きくなること」に取り組んだ。

最後に松浦さんがこんなことをおっしゃってました。

やる気・元気・本気・人気、この「4気」が大事。
シュンペーターは、「停滞した経済を救うのは、イノベーションである」と言った。新しい製品を生み出す組織となるためには、リーダー論が重要で、真面目度・ふざけ度、この両面が必要だと思う。
そして、「損得より名を」、「理屈より情け」を優先した会社がMade in Japanのビジネスモデルだと考える。私はこれからもリーダーとして誰かを元気にする生き方をしていきたい。また、これからは従業員にとっても本気で会社に向かってくる人材しか必要とされない時代がやってくるとも考えている。
表彰式の後、万協製薬の従業員の皆さんが舞台に上がり、松浦さんの誕生日を高らかに祝っていました。「企業とは、人と組織を良くするために存在する」かぁ。

●日本経営品質賞受賞企業発表URL(経営品質協議会サイト): http://www.jqaward.org/
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組織の真価 2010年3月17日(水)

四国管財の佐藤さんが「忙しいです」とネッツトヨタ南国の横田社長に、ぽそっとひとこと言ったときのお話です。少し間をおいてから、

「あなたのような人を5人つくりなさい。そうしたら、忙しくなくなるよ」
とおっしゃったそうです。

たとえば、佐藤さんがいないと採用の質が落ちてしまう、というのは個人の力に依存しているということになります。横田社長の、「戦略的な存在感のなさ」(By小松さん)というのは、社長がいなくても経営が成り立つ、という状態をつくられている、ということです。

「社長が代わったら会社が成長しなくなった」、とか、「あの人が異動したら、仕事のクオリティが落ちた」とか、「あの人が辞めたら、仕事が回らなくなった」では、Bレベル(標準化できてなければ、Cレベル)。
組織的に対応できる仕組みがあっても、その人がいなくなってしまうと維持・向上ができていかないってことですよね。

誰もが同じようにできる仕組みがあって、その仕組みは、環境変化に対応もしくは、先取りしてどんどん良いものにしていける組織力があるかどうか。使命や価値観を継承していけるかどうか。
人の交代って、その組織の真価が問われる、いい機会かもしれません。
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働き甲斐のある会社 2010年3月3日(水)

「最も働き甲斐のある会社」調査といえば、米国Fortune誌が有名。毎年100社が発表されています。そして、この調査、日本でも、Great Place to Work Institute社の日本法人が調査を実施しています。
第4回目となる2010年の結果が、3月1日の日経ビジネス誌で公表され、同社のWebサイトにも掲載されています。そして、上位25社の中に、うちの会社、選ばれました(10位まではランキングあり、11位以降はアルファベット順)。

上位10社までには、IT関係の企業が多い(ちなみに、1位と3位はITで、2位は金融)。 それから、ふとみると、異業種交流会でご一緒している会社さんも過去2年連続で入ってました。応募会社数は81社。こうした社外からの評価を自社が受けるというのは従業員にとって誇らしいものです。

日経ビジネスの記事を引用すると、「働き甲斐のある会社の定義」についてこうかかれています。

「従業員が会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社」。GPTW本部は「働きがいのある会社」をこう定義づけている。そして、この定義を実現する要素として、「信用」「尊敬」「公正」「誇り」「連帯感」の5つの要素に分類している。 ←引用ここまで
「コミュニケーション」とひと言括ってしまうと実態が見えてこない、というようにならないよう、「働き甲斐」を測るために、要素を分類してるんですね。マネジメント側が認識している企業の組織風土や執行管理などと、この5つの要素に基づいたアンケート質問に従業員が答えることでギャップをみるわけですね。
んでも、「誇り」ってどんな質問してるのかな、なんてちょっと思ったりして。

「信用」「尊敬」「公正」までは、上司や会社との関係で、「誇り」「連帯感」の2つはそれらの関係から生み出される成果、としてもみてるとすると、結局、「働き甲斐」って人と人との関係が大きく影響するってことなんですよね。やっぱ企業は人なりってことですか。

●日本の結果(Great Place to Work Instituteサイト): http://www.greatplacetowork.jp/best/list-jp.htm

●日経ビジネス記事: http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100224/213009/
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The Quality Journey 2010年2月27日(土)

2009年度日本経営品質賞報告会 2日目。これまでの受賞企業3社の取り組みについてのセッション。

福井県民生活協同組合さん、福井キヤノンさん、滝沢村(さん? 行政にさんってつけない?)、それぞれに取り組みが深まり、さらに組織成熟度が高まっているように見えました。

福井県民生活協同組合では、「コア組合員(お客様)とは誰か」を明確にし、その方たちとの信頼関係をさらに強固なものにしていく取り組みがされていました。たとえば、限界集落と言われる場所に住む組合員さんたちの「生鮮食品のある店舗を!」という声に、職員さんが応えたエピソードはすごいです。

コンビには撤退、携帯電話の店舗も撤退、高齢者福祉の事業所しかない、、、そんな過疎地での店舗出店要請。
 「なんとかして要望に応えたい。どうしたら実現できるだろうか。」

これまでだったら応えていなかった組合員さんからの声。職員さんは移動店舗というアイディアを思いつきました。そして、実現までに掛けた期間はたった3ヶ月。その移動店舗に2時間掛けて歩いてくるお客様がいる。「ありがとう」と涙を流して喜んでくださったそうです。
藤川理事長は、“組合員の皆さんの声をもとに、職員が率先してどうしたらいいかを考え、信頼に応ていこうとする組織になってきたようだ”とおっしゃっていました。

福井キヤノンさんでも次のようなエピソードがありました。
怖そうなおばあさんのところにコピー機の保守作業に行っていました。
あるとき、おばあさんがパソコン作業で困っていたようだったので、声をかけてみました。すると、「あんたパソコンわかるのかい?」といって、とても喜んでいただけました。次第に、お客様の事務所に置いてある備品の購入を任されたり、事務作業を軽減する提案をして喜んでいただいています。
いまでは、お客様の信頼に応えるため、もっとお役に立てる提案ができないかと様々なことに興味を持ち、勉強するようになりました。
前の会社では「押し売り」をさせられていた僕でしたが、福井キヤノンにきて、ただの機械整備のお兄ちゃんから、お客様に喜んでいただける存在になれたように思います。
“お客様に関心を持つことで、従業員の目線がどんどん変わっていったんだよね”と玉木社長からご紹介いただいた事例です。

両社とも、そこで働く人たちのイキイキ度合いが伝わってくるエピソード。Aレベル超えの組織では、従業員のものごとの捉え方や考え方が違います。
従業員がお客様に関心を持ち、考え、行動し、お役立ちして、お客様から喜ばれることから学び、スパイラルを描いて仕事のプロセス、組織のあり方や質がどんどん高まっていく。

「お役立ち」を理念やスローガンに掲げる両社。そこへ向けての Quality Journey は、これからもずっと続いていくんでしょうね。お話を聴き、すごく元気を頂くことができました。顔晴ろ。
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従業員が語る 2010年2月25日(木)

2009年度日本経営品質賞報告会。今年は2社が受賞。スーパーホテルさんと万協製薬さん。

ェ仁親王殿下の「2670年続く日本の、技術力や品質に誇りを持ち、社会への貢献をビジョンに掲げる日本的経営の追求を」というお言葉や、元アサヒビール会長 福地さんの「経営判断の軸足は顧客満足。この軸足はどんなに世の中が変わっても変えてはならない。それが現代の経営である。」という言葉に共感しました。

こういったトップの言葉だけでなく、受賞企業の従業員の皆さんの言葉にも感動しました。

たとえば、自律型感動人間を育成に取り組んでいるスーパーホテルでは、こんなエピソードがありました。

「私が池袋で支配人をしていた時の出来事です。2月は4割が受験生を占めていました。沖縄から受験のために連泊されていたお客様から「Tシャツがなくなった」という連絡がありました。そのTシャツは沖縄の友人たちが合格祈願にプレゼントしてくれたもので、みんなの寄せ書きが書かれていたそうです。
マニュアルでは私物には触らないと決められているのですが、長期で泊まられていると、掃除の担当者が判断がつかなくなる場合があります。私はスタッフを集めて、そのことを相談すると、掃除を委託している業者のスタッフが、「ゴミ箱付近にあった雑誌と雑誌の間にTシャツが挟まっており、捨てるのだと勘違いしてしまいました」と報告しました。沖縄の友人が合格祈願のために寄せ書きしてくれたTシャツ・・・。みんなが途方にくれていると、そのスタッフが、「支配人、彼女は私と同じような年齢です。彼女の思いは痛いほどわかります。判断をミスして申し訳ありません。私たちが気持ちをこめて合格祈願を書いたTシャツを渡したいです。」

受験生の彼女にそのTシャツを渡すと「みなさんの思いも無駄にしないようがんばります」といっていただけました。そして、彼女は無事合格。入学式の折には、上京されたお母さまと一緒にご宿泊いただくことができました」
スーパーホテルでは、自社の従業員だけでなく、ビジネスパートナーである清掃業者とも価値観を共有し、自律型感動人間となってるってことですね。それが伝わってくるエピソード。従業員の方がさらっと語られるのって、さすが受賞企業、組織的能力の高さを実感しました。

●日本経営品質賞受賞企業発表URL(経営品質協議会サイト): http://www.jqaward.org/
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会社の目的 2010年2月21日(日)

ホームセンターの商品構成に欠かせない存在となっている「アイリスオーヤマ」さん。
経営理念の最初の項目に、会社の目的が掲げられています。

それは、 「永遠に存続すること」 

以下が企業理念の全項目です(同社サイトより)。

  1. 会社の目的は永遠に存続すること。
    いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。
  2. 健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図る。
  3. 働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。
  4. 顧客の創造なくして企業の発展はない。
    生活提案型企業として市場を創造する。
  5. 常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる。
そして、永遠に存在するために、「価値を決めるのはお客様」であることを軸に置き、 景気に左右されない会社をつくることに取り組まれています。 お客様が「買いたい」と思う価格から10%の利益を確保することを前提にして、作れるものだけを新製品として世に送り出しています。しかも、その数は年間1000種類、売上のほぼ半分がこの新製品なのです。

お客様の値ごろ感を設定してから、利益、コストなどを引き算していく。値ごろ感(販売価格)、ありきなのです。そして、新製品の販売は、販売計画の65%を達成する。「残りの35%が達成できないのは、お客様にとっての価値と値ごろ感、この2つの設定が間違っていたからだ」と大山社長は言い切られていました。

「他社が真似してきたらどうするのか」という質問にも、
「価値を決めるのはお客様。他社のものを買うのはそれはお客様の値ごろ感に合っているからだ。過去にとらわれると被害者になる。明日のために何をつくるかを考え、どんどん新しい商品をだしていけばいい。完璧な商品などない。今日の満足は明日の不満になることもある。どこかに不満はあるのだから、違う切り口でみれば、まだまだ作れるものはたくさんある」
というようなことを答えていらっしゃいました。製品開発会議は、GEのクロトンビルのピットのような、すり鉢状の会議室で行われています。一体感でるし、カッコいいなぁ。
他社の製品との比較を訴求する従業員に、「買い手目線で考えているのか」と厳しい突っ込みを入れます。「古い椅子で代用できるじゃないか。その高さで押入れに届くのか。」
また、出席している女性従業員に「これ、いくらなら出す?」と、あくまでも買い手目線です。

その姿には、工場閉鎖と従業員解雇を招いた過去のイケイケどんどん経営を二度と繰り返すまいという思いを感じました。永遠に存在することを目指し、お客様の不便の解消に業界最速のスピードで従業員とともに取り組み続ける「アイリスオーヤマ」さん。企業理念に基づいて経営されているスゴさに感動しました。

●この内容は、TV東京カンブリア宮殿の放映のfoxryo感想です。
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人の心を測る究極の設問 2010年2月18日(木)

年度末は、この一年間を振り返る、意識調査の時期です。
毎年実施している調査だと、「設問も経年比較をしたいから同じ質問にする」という本来の目的でないところが落としどころになっちゃうことがあります。
なにを調べたいのか。

「誇りを持てる企業であったか」と思うか
という設問では、少し不十分な気がして。 “誇り”ってどこに潜んでいるかわからない、楽しげなやつです。
“誇り”を感じたという前年のフリーコメントを反映して、もっと声を取れるようにするか・・・。

では、どういう設問が十分なのか。
ある役員が、“誇り”は2種類あると述べてました。
  • 1つ目は、
    自分自身の仕事に達成感があること
  • 2つ目は、
    その仕事を通じてステークホルダーに役立つ存在であること
んでも、これを総合満足度にするかどうかは微妙。

従業員意識調査であれば、
  • 「私は誰に対しても、“この会社で働いている”と笑顔で言える」
    もしくは、
  • 「私の家族にこの会社で働くことを勧めたい」
ってのはどうかな。

経営層のリーダーシップについての調査であれば、
「私はこのリーダーが好きだ」
なんてのもいいかも。

outputよりoutcomeを見る方が的確な数字に表せるのかもしれない。人の心を測るのはほんとに難しい。

いずれにしても、「なにをもって結果とするか」「アクションにつなげられるか」という観点から考えることによって見えてくるものが変わるんですよね。チェックは大切だけど、質問恐るべし。
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守破離 2010年2月8日(月)

茶人 千利休が茶道を学ぶ心得を弟子に伝えた、

「規矩作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな」
という句。道を究める人たちに「守・破・離」という短い言葉で語り継がれています。
最初は、自分の考えを捨て、鵜呑みにして型や作法を守る。要は基礎作り。基礎ができたら、次は応用。学んだことを実践して失敗や成功から学ぶってとこです。そして、揺るぎない軸を確立し、独自の型を編み出す。それが「離」。師匠から独立するっていう意味では「自立」といえるのかもしれません。

先週、グループミーティングで、「組織の成熟度」について話合いをしていた時に、なんとなくこの「守破離」を思い出したんです。

ビジョンに向かって価値前提で活躍している「個々人」の集まりでなければ、トリプルAはありえない。誰か一人だけがリーダーシップを発揮し続けるのであれば、その人はカリスマだし、その人が抜けてしまえばBのまま止まってしまう。ただし、カリスマの言うなりに動く社会的手抜きな集団でなければ、Aはいけるのかも。

個人的に「離」までイケてるだけじゃだめで、そこにはビジョンや価値前提が必要。「離」だけだと、プロダクトアウトなんですよねー。スキルと人間性は別物かぁ。

企業は一つの人格のように表されるけど、同じ人の集まりでは創発は起こりえない。「離」の段階の人が自由に活躍できる環境を作っている企業が学習する組織をつくるのかも。

●組織の成熟度
  • D: 気づかない
  • C: 気づいて行動してるけど個人に依存
  • B: 組織的に対応できる仕組みがある(ルール・マニュアル化、標準化、教育)
  • A: 現状の仕組み・やり方を「改善」できる
  • AA: そもそもの目的から考え(合目的)、仕組みを更新・改廃できる
  • AAA: 学習を繰り返し、AAレベルを常態化している

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お客様と社会をtwitterで 2010年2月4日(木)

などなど、使い方いろいろ。個人的には、ソフトバンクの孫さんが従業員に対して使うってのが天晴れだと思うし、パナソニックのイベントとしても情報収集としても非常にうまく使ってるのがスゴイと思う。
もっともっと面白い使い方している企業もあるんだろうな。特に海外。

twitterの可能性って、「瞬時に人と人を結びつける」ってとこだけど、「深くはない」わけだし、「本音」かどうかもわかんないし。

でも、企業にとって、お客様と社会をつなぐコミュニケーションツールとして成り立つかもしれない。ツールはツール。やはり目的持って、なんのためにどんな情報を集めるのか、仮説が必要ですね。
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規制と支持 2010年1月30日(土)

トヨタ、アメリカで大規模リコール 中古車店で販売中止も GMは乗り換えに補助金
というニュースを聞き、「ちょっとやりすぎですよね。アメリカは経済鎖国化政策か???」とミスターに言うと、「それは違うな」と。
そもそも日本だって、「エコカー減税」と称して、日本の車がクリアしていて、外国車がクリアしていない性能に対して減税をしてるんだから。欧州でも自国のメーカーが対応できている基準値をクリアできないと輸入を許可しないなんてこと、いくらだってある。

問題はそこではなくて、その国の求める基準やお客様の支持を得られるものを作れるかどうかだ。
  • お客様の使い方が悪い
  • マニュアルに注意書きが書いてある
  • 一部の体型の人にしか起こらない
  • アメリカでしか起こらない
というのは、それは企業側の論理。事故が起きた、お客様はその事実を知っている。99%大丈夫だといくら企業から言われても安心はできない。
1%でも起きる可能性があれば、その可能性は事前に検討し、なくしておかなければならないだろうね。それらを踏まえたモノづくりができなければ、お客様の支持は得られない。そういうことだよ。ひょっとすると、事業の設計を含めた現地化と拡大によって、検討や検証・改善を行う人材が不足していたのかもしれないね。
相変わらず、At your side.(顧客本位)でモノゴトを捉えていらっしゃるミスター。 指を相手に向けるのではなく、自分に向けることの大切さを私はついつい忘れていました。 お客様のハートをわしづかみにする商品をつくる。企業の原点と永続の鍵は、そこにあるんですよね。
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仮説力を上げる 2010年1月22日(金)

今日はアセッサー認定更新研修。私にとって一年に一回の鱗を落とす日です。自分流で済ませたり、凝り固まった視点で見たり、深く考えなかったり、といった日常を断ち切るというか。

今日の講義の中で、大切だなと思ったのは、「仮説力を上げる」ということ。

「優れた組織では、
 仮説力を上げる、
 そのために検証をする。
 ということを習慣化している。」
これは野中先生がおっしゃっていた、「アクチュアリティを直感する能力」を高めていく。まるでその場にいるかのように感じ、その事象に対して取るべき意思決定や行動をすることができる。これって洞察力と言い換えられるかなぁとも思います。

たとえば、HONDAさん。自動車ショーで展示されている他社の車の外寸を設計者に測らせます。このサイズであれば、どんな構造なのか、どんな部品やエンジンを採用しているのかといった仮説を立てる。そんなまどろっこしいことしなくても、他社の車を買って分解いすれば簡単じゃん、と思います。でも、そうしない。何故なら、目的はそこにはなく、仮説の力を上げるためだからです。自分がこの外寸で設計したとしたら・・・。様々な仮説が立ちそうです。

アセスメントにおいても仮説力は非常に重要です。「申請書に書いていないからわからない/取り組みや仕組みがない」ではなく、「与えられた情報すべてを総動員してこう判断した」ということを相手に伝えられなければなりません。先ほどあげたHONDAさんの例にしても、彼らが習慣化して「当然だ」と思っているので、申請書には記述しない可能性だってあります。
今日のケーススタディで、「この企業の提供している価値とは」というお題があったのですが、自分の立てた仮説は、まだまだアクチュアリティ足りませんでした。ケースの会社の社長になったつもりで考えないと。お客様が誰なのかというところが、ありきたりでした。仮説力をあげるために、仮説をたてる癖をつけなきゃ。検証も忘れずに・・・。
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見えないところ 2010年1月16日(土)

優れたものや組織では、見えるところと見えないところの差がない。
大久保寛司さんが厳島神社に行き、裏側を見た時、「ここまでするのか」と思ったそうです。作業や効率では、見えないところは生まれない。職人さんのどんな思いで仕事をしているのか、どんな思いで生きているのか、それが現れてくる。まさに大聖堂の石切り職人の話だと思います。

そうしてみると、今は、はりぼてのようなお店って多いですよね。表や内装だけ立派で裏から見ると貧相。効率やコスト優先。人はおいてけぼり。飲食店なんかだとトイレを見ればそのお店のレベルがわかる、なんてこともいいます。

もう一つ、
あまり優秀ではない経営者やマネージャーは「人手が足りない」という。それは自分がやりたいことをやるための手が欲しいだけで、“人”を求めていない。頭はいらないわけです。能力を活かそうという気持ちはないんですね。
そういう組織では、人の自立性も自律性も自主性も育たない。人を人としてみていないわけですから。そして、そんな組織では、見えないところはボロボロになる。「言われたことだけやっていればいい」と言われればそうなります。

 では、企業での「見えるところと見えないところの差がない」のは、どういうことなのか。

企業にとっての「見えないところ」というのは、お客様にとっての価値をどこまで考えているかだったり、長期的な思想やビジョンをどれだけの従業員が持って取り組んでいるかです。そして、それは、従業員の自立性も自律性も自主性をどれだけ高め、能力の発揮につながっているか、ではないでしょうか。その結果、受け手にとっての価値を超えるものが提供でき、安心だったり、信頼だったり、感動を生む。

つまり、見えないところにこそ、「ホンモノ」が宿る。見えないところが厚みを重ねるっていうか。だから、見えないところが堅牢な会社は、不況な時代に輝くことができる。

トヨタ系列 顧客満足度No.1、全国の新車販売が落ち込む中、前年比UP!が続くネッツトヨタ南国では、お客様から「買わなくて大丈夫?」と心配して言われるのだそうです。これって、お客様に「なくてはならない会社だ」と思われてる証拠ですよね。そしてそれは、「車を売る」という見える時だけではなく、見えない時に見えないことを積み重ねている結果です。人間性尊重の経営しかり、ナンカツTVしかり。これ、見えないところが見えてるところより上回ってる事例ですけど。もう感動の領域です。

●これは、BLOCKSさんの「人が幸福になる経営」DVD見て書いたコラムです。
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顧客価値を見つける 2010年1月13日(水)

「郵便物を未来に届ける」という新しいサービスを中国のtaobao.comがはじめたそうです(narinari.com 11/12のニュースより)。

「忘れないように今のうちに友人へ誕生日カードを送っておきたい」「これから手術を迎える友人に(手術の成功を信じて)お祝いの言葉を送っておきたい」「これから生まれてくる赤ちゃんに言葉を残しておきたい」
というお客様に価値を届けるわけです。
葉書って、日本国内だと翌日に届くことは珍しくないし、メールならすぐ届いちゃうし。欧州なんかだと、何十年も前の手紙が偶然届く、なんていうビックリニュースがあったりしますが、基本的に、「早い」ことに価値を置いてサービスが進化してきています。chatやtwitterのようにつぶやきにさえ瞬時にレスポンスがある。

一方、このサービスは、「遅い」というところに価値を置いてる。お客様の「自分が届けたい時に配達して、相手を喜ばせたい」という要望に応えるサービスです。メールの「時刻指定」みたいなもんですけど、「何年も先」でもOKというのが特徴です。5年後の自分に郵便物を送る、なんてのも面白そうですよね。

今までなかった顧客価値を見つける。そのためには、どんなお客様のために「何を作れば良いか」を考え、どんな技術で対応・実現できるかを考える。
この「カタツムリ郵便局」、ちゃんとお客様の期待に応えていけるかな?

ちなみに、葉書だけでなく、カードや日本でいう電報の台紙みたいなのとかケーキとか、いろいろあるみたい。葉書だと9元。それに保管・配送の手数料が加算される形。1年以内に発送だと8元、それ以降1年ごとに1元。

●taobao.com サイトURL:http://shop59751812.taobao.com/
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社会との調和、その先 2010年1月8日(木)

ネッツトヨタ南国、またもスゴイコト始めてました。2009年12月25日、「ナンカツTV」なる動画サイトをオープン。

正式名称「南国生活ドットコム」は、「行きたくなる! 帰りたくなる! 食べたくなる! 逢いたくなる!」がコンセプト←違。ではなく、高知の未来を描こうとする、大原さんや小松さんをはじめとするネッツトヨタ南国の皆さんの思いが詰ってる。コンセプトに書かれている大原さんの言葉、

田畑を耕し、海や川で魚を捕り、山に入って木を育てながら、今日までこの地を支え続けてきた生産者の皆さんに焦点を合わせ、地域で生き続けるために、地域を守るために、大切な人、大切なことを大切にするために懸命に取り組んでいる生き様を紹介して参ります。このサイトを通じて何かを感じていただき、理想の社会について一人ひとりが考え、行動を起こしていくきっかけのひとつとなれれば幸いです。
もう、一企業の枠を超えています。

高知本氣フォーラムで大原さんがお話されていたことがどんどん実践に移されている、しかもこれ、社内の一つのプロジェクトで、です。これだけではなく、「まなともネット」という高知で働くことの素晴らしさを発信するサイトも始まってます。

経営品質の4つの基本理念のひとつ「社会との調和」。その地になくてはならない企業として認められる存在であること。ネッツトヨタ南国は、地域との共生だけでなく、もっとその先を見つめている。そう思います。

それにしても、「ナンカツTV」、素人とは思えないつくりです。見たら笑顔になること請け合い。面白くて予告編から第二弾まで見続けてしまいました。菊池さんや窪田さんコンビはいい味出してるし、小松ディレクターのつっこみ文字がサイコー。菊池さんのエンディングテーマソング「感謝します♪」、これまたいいです。あー、高知、またいってみたいなぁ。

●ナンカツTVサイトURL:http://nan-katsu.com/index.html
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働くことで得られる幸せ 2009年12月29日(火)

あの子達はどうして嫌なことがあっても翌日何もなかったように出社できるのか−

この問い掛けに、あるお寺の住職が次のようにお答えになったそうです。

当たり前ですよ。

人が感じる幸せには、4つあります。

愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること。

この中で“愛される”以外の3つは、働くことで得られる幸せなのです。
これが、日本理化学工業の大山会長が50年にわたって知的障がいをもった従業員とともに全員で幸せになる経営を歩み始める第一歩となったお話です。

仕事納めの今日、グループミーティングでテレビ番組「ルビコンの決断」の映像をロバートから見せて頂きました。

自分自身が「なぜ働きたい」と考えるのか、と同時に、自分が周りの人に対してこの3つをメッセージできているかなぁと改めて考てしまいました。どうしてかというと、自分の姿勢・発言・行動次第で、周りの人が幸せだって感じることがひょっとしたらできるかもしれない、って思ったからです。 そう考えていくと、「思いやりと感謝と信じる」という、心の「広さと深さと高さ(志す)と長さ(長い目?)と強さ(勇気)」が鍵になるのでは。

傍を楽にする=働く、ということは、自分がそうするというだけでなく(At my side)だけでなく、相手がそう感じる(At your side)の両方を満たすということなんですよね、きっと。それができているチームや組織の可能性は無限大、なのかも。

実際、日本理化学工業では現在従業員の70%程、知的障がいの方がおられますが、働く人の幸せを考え続け、誰でも出来るやり方を工夫したことでの作業効率向上や、画期的な新製品の開発などに取り組み、50年にわたり、売上・利益をあげ、会社を存続させているのです。実例ってインパクトありますね。

P.S. 日本理化学工業のこのお話は昔々コラムに書いた気がするのですが、改めて掲載させていただきました。
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Happy - Happy 2009年12月23日(水)


 「“Win-Win”って嫌いだな」

とコースケさんは言いました。

 「勝たなくちゃいけないの?。

  “Happy - Happy”なんじゃない?」

うん。そうかも。

 「それって、“三方良し”ってことだよね」

と誰かが言う。

 「良し悪し、かなぁ。
  やっぱ“Happy - Happy”だよ」


地球環境問題も含め、いま、社会的な課題に対応していくためには、業界で協働すべきことも多い昨今。

 「お互いに成長しあう」

というのも違うかもしれない。

“成長”って自分自身ではわからない。“自分の成長は、後輩の成長でしか測れない”って名言もあります。でも、後輩の成長って、どうやって測るんだろう。企業であれば、売上や従業員や事業内容などで測ることができるといえばできるかもしれない。何をもって成長とするかによりますよね。そして、最近、「成長」という言葉は人に対しては使えなくなってきました。その尺度はやっぱり個々人で違うから。人の成長をいえるほどの人間でもないし。あ、また横道逸れました。

 “Happy - Happy”かぁ。

てことで、流行の言葉や流行の手法や、何気なく使っている言葉や固まった思考を解き放つことができる場を意識的かつ組織的に持たないとな、と思った出来事でした。


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習慣へと高める 2009年12月17日(木)

昨日は東京出張。帰りに「ザ・リッツカールトン東京」へ立ち寄る。「娘が婚約して10月にリッツ大阪で両親顔合わせをするから、思い出に残る日にしたい!」という依頼を同僚から受け、いまは東京にいらっしゃる桧垣さんにコンタクト。
後日、同僚から「素晴らしいひと時だった」とのメールが届きました。その時、大阪のスタッフをご紹介頂いた御礼も兼ねてリッツ東京に突撃(?)。

アポなしで伺ったのですが、運よく桧垣さんいらっしゃいました♪

レストランやお部屋からは東京の夜景がとても綺麗に見えます。東京タワーもバッチリです。立地がいいんですね。また、大阪は国内のお客様がメインでここ東京は海外のお客様がメインということで内装もかなり違います。東京はモダンでスッキリ、ちょっと和風というか金箔ぽい感じ。

スタッフはしっとりした、というか大人(?)な雰囲気。大阪は笑顔が素敵で、東京は微笑でハイソな雰囲気なのかな。ホテル内を案内いただいている時など、桧垣さんとスタッフの接し方をしっかり(?)見ている中で、さりげない気遣いをお互いがされているのに感動しました。やっぱり、“We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentleme.”だなぁと思うのです。どうしてこういうことができているか。桧垣さんはひと言、

習慣にまで高めることですよね。
モットーや言葉を覚えることが目的なのではない。リッツで求められる行動をして、その結果、お客様に価値を届け、それが自分たちの誇りにつながっていく。
16のサービスバリューは、「私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。」を実感するためにすべきことなんですよね。大切にすべき価値観を日々の習慣としていれこんでいく。
自分のグループでは自社の価値観に基づいた行動ができているかについて、1週間に1回振り返ることをしています。リッツのように毎朝価値観に基づいた自身の行動を話すわけではないこともあって、時々振り返るのを忘れてしまいます。なので、課題は、習慣にしていくためにはどうしたらいいのかってところですよね。習慣というのは何も考えなくてもそのようにできるわけで。そんな風土を作っていくには近道はないのでしょうね。

あ、20のベーシックが16のサービスバリューに変わったことについて聞き忘れましたぁ。どういうきっかけで、そして何を目指したのかなぁ。こんど伺ってみようっと!
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信頼を積み重ねる 2009年12月13日(日)

2日間のエコプロダクツ展で学んだこと。それは「信頼を積み重ねる」ことの難しさ。
「50人の中のお一人に、是非なっていただけませんか?」

紙を大量に使用する製品を提供する会社の責任の一つとして、岐阜にある元スキー場を森に還す取り組みをしています。今回のイベントでは、50人の方にエコ宣言をしていただくことができると、1本の樹が植えられ、森へと一歩ずつ進めることができることをお伝えしました。

こうした取り組みを従業員からご説明させていただくことで、「あっても良い会社」というイメージは作られていくのだと思います。
ただ、自分自身が自社の取り組みをうまくお伝えすることができず、信頼を失うこともあるわけです。たった一人の人に対してうまく伝えられないのであれば、多くの人に伝えることはできないのですよね。相手に合わせたコミュニケーションは難しいです。

それでも、誰かから自社についての「信頼を得る」ための前提には、「自社のことを知っている」ということが一番重要だと学びました。曖昧な答えは、曖昧なイメージしか生みません。

企業の信頼は、製品からだけではなく、人(従業員)からも作られていきます。従業員が会社を知る、誰かに伝えられる、ということは、仕事をする上でも、組織的能力を向上させる意味合いからも、そして、社会からの信頼を得られるということからも、企業の社会的責任の一つなんではないだろうか、とぼんやり思ったのでした。


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気づく組織をつくる 2009年12月10日(火)

企業が成長していくためには、従業員の気づきが大事、気づく人材を育てたい、気づく組織をつくりたい。でも、気づきってどうしたら磨くことができるのか−

日々の仕事の中で、感動は落ちてない。
だから感受性や気づく力を磨くためにイベントを開催する。
でも、そこには落とし穴がある。
「楽しかったぁ」とか、「お客様が喜んでくださった」で終わってはならない。

お客様が喜んで終わりではなく、皆が成長したかどうかを見るのがリーダーの努め。

イベントは、「そこまでするの?」というくらいやる。コントやダンスの振り、何回も何回もやる。「その先に何があるの?」と後輩たちは思う。

そしてイベントが終わると、みんな抱き合って泣く。
感動の共有を臨場感を持ってできるのがイベントなのだ。 共有する場を、100名を超えた組織では、あえてつくって産まないと平凡な人が入ってくる。

感動の共有を通して、自信と成長を積み上げていく。普段の何気ない声掛けや「ありがとう」が増え、コミュニケーションも良くなる。そして、「そこまでするの?」というところ、つまり、細部にこだわることは、仕事のプロセスを考えることへもつながっていく。
というようなことを、ネッツトヨタ南国の小松さんがおっしゃっていました。 うん、さすがネッツトヨタ南国♪
イベントがただのイベントではないんです。気づきや感受性や感謝、そして企業風土を築き上げるプロセスだったんですね。うん、やっぱ、すごいや。

●これは、ブロックスさん主催の「日本を元気にするセミナー」DVDからのfoxryo気づきです。
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シャツ対決 2009年11月25日(水)

思わず、2枚買ってしまう綿シャツ。
何年も前に買ったことがあったシャツメーカー。結構長い間お気に入りで着ていました。先日、週間ダイヤモンドの記事をhideが教えてくれて久しぶりに思い出し、行ってきました。

そのうち1枚を昨日着ていたら、肌触りがとてもいいんです。そしてデザインもシンプルかつ上品。その上、1枚4900円(税抜き)。この生地の品質、縫製の品質(日本で縫製)でこの価格というオドロキがこの「メーカーズシャツ鎌倉」の売り。そしてそれがクチコミで関東圏に広がっているのです。

一方、もう一つのシャツ専門メーカー「SCHIATTI」(スキャッティ)。こちらも私が以前、2枚一度に買ってしまったシャツ屋さん。鎌倉シャツより少し価格帯は高めで、ボタンが可愛かったり、スレンダーなシルエットのものが多く、いまどき感があるシャツです。こちらは日本で生地から織り、縫製をしています。レーベルが設けてあり、コンセプトや価格帯がそれぞれ違います(私が買ったのはホワイトレーベル)。トップレーベルの「コンブリオ」は東京下町の職人さんが熟練の技で仕上げるということで、なかなか手には入りません。SCHIATTIは、鎌倉シャツの高品質低価格路線一本とは違い、幅広くシャツにこだわったメーカーです。

中国へ工場を移すアパレル業界とは一線を隔し、日本での縫製にこだわったシャツ作りに取り組む2つのメーカーが成長し続けている事実。特に鎌倉シャツはバブル崩壊後に創業し、業界のしがらみもなく直売によって低価格を実現し、お客様の支持を得てここまで成長しています。ここからも学ぶべきものがあるように感じています。


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本当に価値あるもの 2009年11月22日(日)

街中にはLED、一人きりの三連休・・・(違)。
今日、東海仕事人列伝では豊浜の干物職人を取り上げていました。

 「ふるさとの魚のおいしさを大勢の人に知ってもらいたい。
  そして、漁師も、職人も、お客さんも幸せになれたらいいと思ってる。」

近江商人の「三方良し」の考え方と同じです。本当に価値あるものって、関る一人ひとりにとって価値があり、それがつながり、積み重ねられている。

獲れたての魚と太陽の恵みと海風と、魚を選ぶ目、干物づくりのノウハウの数々。毎日三度の食卓には必ず自分の干物を食べて味を確かめられているのも印象的でした。それは自分のためとか自己満足なのではなく、At your sideで「お客様が美味しい」と言ってくださる姿を描いているのでした。

きっと、本当に価値あるものは、すべてのプロセスにおいて、At my sideではつくることができないのです。漁師←職人←お客様。お客様の声が職人の腕を磨き、お客様の声を受け取った職人が漁師の腕を磨く。そんなフィードバックプロセスも働いているかもしれません。

イルミネーションはキレイで魅かれるのに、どこかがAt my sideな気がするfoxryoなのでした。


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多様な人材とビジョン 2009年11月17日(火)

この先行き見えない経済環境の中で収益を上げ、未来永劫に働く人に職場と働く楽しみを、お客様の欲しいものを提供し、社会からも信頼される会社であることを続けていく、というのはますます難しくなってきています。それでも、前へ進んでいくためには、何が必要なのかな。

やっぱり私はビジョンや夢、そしてブレることのない価値観を従業員が共感・理解し、意思決定や行動に結び付けていくことがますます重要になってくると思う。これまでは、従業員は日本人だけ、その中でも出る杭は打たれる傾向にある社会であったけど、これからは人材のグローバル化や多様化がどんどん進んでくる。それはまるで右肩上がりの大量生産時代から多品種少量どころか限りなく「個」に向かっていくのと同じ感じ。働く人も変わらなければならない。

そんな中で、ビジョンや価値観の浸透ができていくのだろうか。二人の優秀な経営者からビジョンの浸透について伺った。

「ビジョンや使命を2年に1回見直していた。従業員に見直しのチャンスを与え、門戸を開く。それが企業の使命である永続性を再確認するチャンスとなる。」

「ビジョン、事業戦略を業務レベルまでおろしていくことで徐々に浸透していく。 本当に浸透させるのであれば、年がら年中、ビジョンを言い続けることくらいか。」
いずれにしても、「ビジョンの浸透は難しい」とおっしゃっていました。名経営者と言われる方々であればこそ、また、実際にビジョンの浸透に取り組んでいらっしゃったからこその言葉は、感慨深かったです。事業規模が大きくなればなるほど、伝えたつもりでも伝わったかどうかを経営トップが確認できるわけではない。私だって周りの人に事実として「伝えた」だけで、相手から「どう伝わったか」なんて検証しませんから・・・。

ビジョンや価値観に触れる機会を設けること、そして言い続けること、この2つを事務局としてサポートしていくことにします。
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うめさんの秘伝書 2009年11月9日(月)

 豊浜に行ったら「まるは食堂」でエビフライを食べる

っていうのが名古屋近辺に住む人たちの常識(とまではいかないけど、結構、いくと思う)。

そんな、まるは食堂は、豊浜を出て、2005年に中部国際空港セントレアに出店、その後、栄のラシック、りんくう常滑へ出店と、拡大路線を走っています。シルバーウィークに、妹家族とりんくう常滑店に行ったところ、お客さんがほとんどいない・・・。大丈夫なのかなぁ。セントレアやラシックのように交通の便がよいところではなく、りんくう店は「わざわざ」そのためだけに行く、という立地が集客に影響しているようです。海は目の前にあるんですけどね。

その後、hideと、豊浜の「まるは」へわざわざ行きました。やっぱりこっちの方が「まるは」らしくて好きです。今は亡きうめさんがいつもニコニコしながらお客さんに声を掛けていたのを思い出すからかもしれません。
途中で立ち寄ったお魚市場に「まるは秘伝書(ぱーと弐)」なるものが置いてあったので、持って帰ってきました。そこには、創業者の「うめさん」の言葉がたくさん記されています。セントレアの出店、やっぱり反対だったんだなーなんて思いながら、読んでいました。なぜ、反対だったか。うめさんの言葉を読めば、皆さんにも、きっとわかるはず。

魚を買いに来たお客さんに魚が食べたいという人がおった。大将が刺身を切って出した。
焼き魚、蟹を茹でて出した。
望む人には飯をよそって出した。
「人に喜んでもらえることをせにゃいかん」
自分の畑で採った大根を漬物にして出した。
そのうちにお酒を飲みたいという人がおった。
一升瓶でお酒を好きなだけ飲んでもらった。
地元の衆に好かれんといかん。
事情を一番知っとるもんが、まるはをええって言ってくれんといかん。
「蝋燭はわが身を削って周りを照らす」
幼い頃に母から教わった大切な言葉だ。
だから安く出せるものは安く出す。
十分納得いく値段なら、次もまたきっと来てくださる。
戦後は大変な時代だったからたくさんの人が助けてくださった。
いろんなことを教えてくださった。
だからわしは恩返しだと思っとる。
新鮮でおいしい魚を食べて、お酒を飲んで、
眠くなったら泊まってくださればええ。
そして、気に入ってもらえたら、また来てくださればええ。
今日も、感謝感謝感謝で日が暮れる。

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ヤマザキパンの地域との共生 2009年10月25日(日)

愛知県は車上荒しや車の盗難の発生率全国No.1。特に名古屋市、春日井市は、県内でも多発する地域です。その対策として名古屋市のある地区で考えられたのが、深夜の車での巡回。夜中の1時から5時までの間に見回り、特にマンションの陰になった駐車場などは車を降りて見回ります。

とても効果的だけど、いったい誰が夜中にそんなことをしてくれるの? 地域住民が交代で? でもそんなの無理だよね。警備会社に委託? それも費用が掛かるから、車を持っていない住民からクレームがきそう。では、いったい誰が???

「わたし、今日、当直なんですよ」
30分の巡回を終え、車が入っていった先は、工場。
なんと、ヤマザキ製パンさんでした。24時間稼動の工場で、管理職の皆さんが順番に巡回を担当されているのだそうです。

どうして、そのようなことを一企業が引き受けたのでしょう。この話をヤマザキさんに持っていったのは住民代表の方。「自分たちでやろうにも年寄りばかりで夜回りはできない。」そこでヤマザキさんに相談に行ったのだそうです。でも、だからって、普通、引き受けませんよね。

2000年9月、東海豪雨で比良西地区は浸水で大きな被害がありました。ヤマザキの工場も沢山の機械が水に浸かりました。
「あの時、住民の皆さんがこの工場内に溜まった水を掻きだすために、排水用のポンプ機を持って集まってくださったんです。自分たちの家も被害にあわれているというのに・・・。」
地域と企業が共に支えあっている姿に感動。そして、今回、「困っている住民の皆さんの声に応えよう」と意思決定したであろう、名古屋工場のトップのリーダーシップもカッコいいです。

そして、車上荒しの発生率は? 
この巡回が始まった時を100とすると、開始早々5程度に激減したのも素晴らしい結果です。そこには時間やルートを決めずに毎日巡回されているヤマザキの管理職の皆さんの真摯な行動があります。

経営品質の基本理念のひとつに、「社会との調和」があります。まさに、そんな事例。ヤマザキさんは地域社会からなくてはならない企業だと思われているのですよね。
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価値を考える 2009年10月19日(月)

ここもだ・・・。あるレストランでも、「お得」なディナーメニューが10月になってお目見えしていました。foxryoがよく立ち寄るお店の4割はなんらかのサービスメニューを企画しています。
残り6割は、そのまんま。それはどういうお店かというと、小さいお店でこれ以上お得にはできない、というところもしくは、差別化した高級路線店です。「お客様にこういうものを召し上がっていただきたい」という明確な目的がある。そういうお店が「ホンモノ」なんじゃないかな。一見プロダクトアウトに見えるかもしれませんが、それを美味しいといってくださるお客様がいるから提供しているんですよね。

一方で、サービスメニューを企画しているお店は、お客様の要請・期待に応えているようで、実は大人数が入らないと経営が成り立たない、という理由があったりするんですよね。お客様にファンになってもらうのではなく、そのビジネスモデルから、とにかく集客する、目先の利益を追うというところに目線がいかざるを得ないわけで。お客様がそのお店に行く理由は、「安いから」「なんとなく」・・・。「どうしても行きたい」という理由が語られることはないです。

自社の価値は何か。自分たちの組織の技術・スキル・ノウハウ、そしてお客様から見た価値を考え抜く。そうして「ホンモノ」を提供できる企業は、お客様や従業員から信頼され、長期的な成長を続けることができるのです。


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テレビショッピングも双方向 2009年10月5日(月)

以前、中国の湖南テレビの通販番組でクライスラーのPTクルーザーが飛ぶように売れていくのを見て驚きましたが、その手法は、斬新ながらも一方通行。唯一、売れた数をテレビ画面にライブで表示しているのは、すごいなぁと思いました。そして日本にはそれよりすごいライブが・・・。

それは、ジュピターショップチャンネル。

  • 電話で入ってくるお客様からの問い合わせに即答える
    お客様の質問をディレクターがつかみ、司会に「答えさせる」のではなく、実感を持ってもらえるように「紹介する」。たとえば、タートルネックの首の部分が縫い目がなく伸縮性があることを、引っ張ったりして「見せる」。
  • 電話注文されたお客様の声をライブで聴く
    コールセンターにかかってきた電話をテレビにつなぎ、なぜ選んだのかを答えていただく。たとえば、そのお客様がリピーターだとわかると、テレビを見ているお客様の信頼度はUP!
  • 在庫数が少なくなるとテレビ画面に即表示
    たとえば、「白は残りわずかです」といったように。売り切れれば、「Sold Out!」を表示。
  • 商品開発者、生産者が登場
    商品がどのように作られているのか、その価値を提供側から直接お客様に余すことなく伝える。
これを、深夜もやってるんです。24時間365日ライブ放送! しかも、一番売れる時間帯は深夜0時から1時。注文は、電話だけでなく、ケータイからも可能。テレビショッピングは進化しています。そして、毎月20万円買ってしまうお客様も!

なぜ、そこまで売れるのか。ジュピターテレビショッピングが扱う商品は、不要不急で、テレビショッピングでしか買えないもの。非常に自分たちが価値提供するものを、はっきりと認識しています。そして、商品を探し出す力がこれを支えています。デパートが最近低迷する理由がわかります。今、デパートってどこのデパートに行っても買えるブランド、商品の多いこと。「ここでしか買えない」というものが減っているんですね。
これが重要成功要因の一つ。これを「独自性」としなかったのは、インターネットショッピング楽天とのイベントを試みているから。ここは重要ですが固執していない、ここよりも、「ライブで双方向」というお客様とのコミュニケーションにおいて独自性を追求している。

お客様が「あったらいいな」と思うものを探し出し、お客様に双方向で価値を伝える。そこには、お客様のやりとりとともに、ディレクターにリアルタイムに情報発信できるコールセンターの存在がある。バイヤーは、自分で企画提案できる商売人、司会者は、元アナウンサーや、司会業、コールセンターはホテル接客などの経験者。重要成功要因の2つ目は、この常に緊張感ある戦場のような組織。そして、それを束ねているリーダーである社長の篠原さん。

「ライブで双方向」を目指すのは、「どこにもないショッピングの楽しさをお届けします」という企業使命を掲げているからなんですね。

☆このコラムは10/5放映のカンブリア宮殿の内容からfoxryoが考えたことです。
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M&Aと組織的能力 2009年10月2日(金)

M&Aの仲介会社、コンサルティング会社、弁護士・・・。 いま、M&Aは企業の競争力の強化や事業継続に向けた戦略の一つになっています。
M&Aとは、“Mergers and Acquisitions”の略で、企業の合併と買収。そこにコンサルティング会社が必要なのは、買収される側にとってもする側、どちらににとって合意できる「事業の継承」と「価値観の共有化」をソフトランディングしていくノウハウが必要だからなんだろうと推測します。

個人と組織の能力向上という観点で考えてみる。もし、自分が買収される会社の従業員だったら・・・。自分たちの価値観を受け入れてもらえるのか、ブランドは残るのか、勤務地はどうなるのか、異動があるのか・・・・つまり、「いまのまま」受け入れてもらえるか=変化への恐れが心を占めるのだろうな。

アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)では、M&Aされる会社の従業員から、「JJに買われるなら安心」と言わしめるすごさがあります。また、JJは、新しい技術や研究をしている小さくて優れた会社を先見の明で見つけ、吸収していく小さな会社の集合体。では、どうやって一体感を培っているのか。根幹には、彼らの価値観である、「クレド(わが信条)」があります。彼らは何よりクレドを大切にしていて、それを実践しています。この価値観を共有するためには何をしているのか。リーダーがクレドの実践を率先垂範することを強く求めます。たとえば、クレドを実践していなければ経営トップにはなれません。もちろん、クレドについての教育の機会もありますが、リーダーシップの次に大きな要因は、「なぜ、クレドが必要なのか」ということを議論し続けていることだと捉えています。P&Gのように、語れる伝説がいくつもあるというのも大事ですよね。

クレドの文面を通して、企業の社会的責任、事業の成長と永続性が浮かび上がってくる。そして、買収された会社の経営トップに事業のすべてを任せる。これらが「JJに買われるなら安心」(=変化を受け入れる)という状態を作り上げているのでしょう。

ということは、筋の通った納得できる価値観と事業の継続実績がM&Aには必要なのかなぁ。みなさんだったらどんな会社になら、M&Aされたいですか? M&Aする会社だって、どんな会社をM&Aするかってほんとに重要ですよね。価値観が違いすぎる会社に自分たちの価値観を押し付ける形になるのは全くうまくないわけですから。

なんか自分の中でM&Aに抵抗感というか、悪い印象を持ってしまう要因はやはり「価値観」の共有なんだろうな。いまの自分たちの事業を確実に成長にもっていけたら、こんなこと考える必要もないんでしょうね。


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目の前の仕事 2009年9月28日(月)

ドラッカーの5つの重要な問い

・われわれの使命(仕事)はなにか?
・われわれの顧客は誰か?
・顧客は何を価値あるものと考えるか?
・われわれの成果は何か?
・われわれの計画は何か?
優れた組織ではこの問いが習慣化している、と以前、このコラムで紹介しました。

目の前の仕事が積み重なり「仕事」ではなく「作業」化してきたら要注意。
人は、仕事の目的や一歩先を見て現在を考えないでいると、すぐに作業化してしまう。作業化したら、工夫や知恵は生まれません。

海外のグループ会社とのやりとりで考えたことは、押し付けではなく、「こうありたい」という未来をともに考える、というスタンスでないとポジティブになれないということ。作業化してしまえば、目の前のことをやりさえすればいい、となってしまい、議論したとしても、方法論の違いのみに終始してしまうなぁということ。

そして、もう一つ。見える化をして、GOALはどこで、いま自分たちがどこにいるのかということもお互い認識できているといいのだろうなぁ。
そういうやりとりができるようになるには、目の前の仕事をただこなすことではなく、常に5つの問いを意識し、自分に問いかけ、相手とのコミュニケーションをとることが必要なんだろうな。
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究極の「いつも美味しい」 2009年9月14日(月)

 いつ、どこのお店に行っても 
 お客様が毎日食べられる価格で
 同じ美味しさを提供する
サイゼリアってそういう考え方。

「お店で手作りする方が美味しい、だから工場でつくると美味しくなくなる」というが、それは全くの間違い。お店で作ると味にばらつきが30〜40%でてくる。それは「美味しい」なのか、ってことです。「常識」といわれるところに、「それは本当なのか」というところだけでなく、「どうしたら美味しい料理が提供できるのか」という根本的な問いがあって、合理的かつ論理的に解決に向けて食い込んでいくのがすごいな、と。

また、
食材の原価を下げるのではなく、自分たちの行動に無駄がないかを減らしていく。
というところには、ビジネスパートナーとのWin-Winの考え方もそうですが、美味しいイタリアンを安く提供することへの飽くなき挑戦を感じます。メーカーだったら小さな本社作りになるのかな。
すべて工場で整えられ、レストランの調理場では包丁を一切使わない。一人で調理できてしまう。究極の一人セル方式みたいな感じ。しかも、スタッフが効率的に動くことを楽しいと感じているようでした。

また、食材に関しては、「種から考える」ってのもすごい。ここにも常識ではなく、自分たちがやりたいことから考えてる。
「美味しければ高い、まずければ高いが常識。
 美味しいから安いものは難しい。
 だからこそ、種から考える。
 でかくて真四角なレタスができたら運び易いでしょう。」
トマトも、収穫しやすいように背丈を種から変えてました。

「できない」ではなく「できるようにすべてが揃っている」と捉えて、合理的なシステムを生み出し続けてきたサイゼリア。正垣会長のお話を伺っていて、やっぱり、トップの志と姿勢が大切だなぁと思いました。
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人はブランド 2009年9月9日(水)

 料理とデザートを注文したら、デザートが先に出てきた。
 店内は、空いています。

あなたは、こういうお店にどういう印象を持ちますか?

私はスマートなサービスは期待できないなぁと思ってしまいます。そして、30分ほどしてもお料理が出てこない。ここで、すでに相当接客の悪いお店という印象が固まってしまいます。お料理が出てくるまでと、本を取り出し、読んでみる。お腹が空いててもデザート食べずに我慢。限界がきたので、意を決して、言ってみました。

 「あの、お料理まだですか?」

すると、オーダーが通っていません。あぁ、もうお腹が死ぬ・・・。

それからは急展開。

  • 店長さんらしき人が慌てて出てきて、「食後のデザートにご注文されたのですね。そうですよね。あとでお持ちしますので、一旦、さげさせていただきます。すぐにお食事の用意をします」
  • スタッフが料理と一緒に突き出しを持ってきて、「料金は頂きませんから」とヒトコト。
  • 食事を終えると、店長が出てきて、「中国茶はお好きですか?」とメニューから中国茶を選ばせ、デザートと一緒に出してくれる。
  • オーダーを聞き逃したスタッフは一切出てきません。
  • レジは店長が立ち、「今日は申し訳ありませんでした。これ、割引券です。次回ご利用ください。」
  • 店の外でオーダーを聞き逃したスタッフが立っていました。
    「ありがとうございました」
さて、あなたの不満は解消されたでしょうか。

foxryo的にはつっこみどころ満載です。満足レベルまで戻すのがいかに難しいかというのを実感しました。オーダーを誤ったスタッフに「ごめんなさい」とひとこと言われたらそれでよかったんです。そしたら「こちらもデザートが先に出てきたときに言えばよかったね」と会話できたかもしれないのに。それがなかったので、不満のまま、終わってしまいました。「問題が起きたら、店長が対処すればいい」、と店長さんが思っていたんでしょう。男の人だったらそうかもしれませんが、女性で「ちょっと、店長呼んできて!」っていう人いるのかな。

たった一人の言動や行動が、そのお店の信用やブランドをつくるんですよね。自分も他の部門や他社の人とのコミュニケーションの中で信用やブランドを作っているんですよね。
「作業」ではなく、目的に立ち返って相手目線で「価値ある仕事」をしなければ。

宮ア本店の社長がよく品質についてこうおっしゃっていました。
「工場の中では100本の中のたった1本の品質不良かもしれない。
 お客様から見たら、その1本がすべてなんや。いうたら、100%不良やで」
商品も人も「サービス」というくくりで考えてみたら、どちらもブランドを作りだすものなんですよね。100本の中の1本の不良にならないように顔晴ろっと。個人と組織の能力向上って、本当に重要。
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戦争か協働か 2009年9月6日(日)

うちのやり方が参考になったのであれば嬉しいですね。
居酒屋業界も不況といわれてますが、一緒になってこの業界全体を盛り立てられたらいいですよね。
居酒屋さんって最近リーズナブルなところが増えてます。2900円くらいで飲み放題付きってところ、多くなってるような気がします。

そして、そんな名古屋に乗り込んできたのが、280円均一メニューの居酒屋「鳥貴族」さん。全国展開なんだそうです。
このお店を徹底研究して作られたのが名古屋で飲食店を営むオーナーによる居酒屋「満点どり」さん。

280円戦争勃発か?!

と思いきや、鳥貴族さんの発言は全く違いました。お客様を取られる、ではなく、280円居酒屋を業界として増やすことで、自分たちも繁盛しようという考えなんですね。つまり、価格競争はしない、ってことだと思います。それをやってしまうと業界全体が負のスパイラルに陥ります。WIN-WINで、お客様を呼び込み、収益をあげていく。
鳥貴族さんにはきっとスゴイ経営者がいるんじゃないかと、サイトをみたところ・・・。ありました。経営理念に、このヒトコト。
目指すものは、永遠の会社と飲食業界全体の地位向上。
最初の台詞は、社長さんが言ったんじゃないんですよ。全員が、理念を大切に実践している会社なんですね。鳥貴族、ちょっと行ってみたいです。誰か連れてってー。

●鳥貴族サイト: http://www.torikizoku.co.jp/about/index.html
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伝説 2009年8月31日(月)

パナソニックの創業者 松下翁の伝説っていっぱいありますよね。たとえば、以前書いたコラム(ここをクリック)

「価値観を共有できる」という観点で見たときに、人にまつわる伝説って、古今東西たくさんあるけど、商品にまつわる伝説って、何かあるかなぁ。今日、お風呂に入っていて、「どうして石鹸って使い終わりは泡立たなくなっちゃうんだろう・・・」って思ったら、P&Gを思い出しました。

「マーケティング論」という概念が生まれた背景には、1837年創業のアメリカ オハイオ州にある P&G(プロクター&ギャンブル)のアイボリーという名前のついた石鹸が大きく寄与したといわれています。以前、岡本先生にうかがったお話をもとに、紹介します。

この「アイボリー(象牙)」という石鹸は、ある事故によって偶然作りだされたものでした。
ある日、石鹸槽係が、攪拌機のスイッチを切り忘れ、昼食に出掛けてしまいました。工場に戻った係員は、攪拌しすぎて石鹸液に余分な空気が大量に混入したのにびっくりしたものの、“捨ててしまうにはもったいない”と、型に流し込んで、いつも通り石鹸を作ってしまいます。良品でないものを発送して売ってしまったんです。そんなことしたら、いまだったら、社内で大変な騒ぎになりますよね。

その事故後、お客様から問合せが殺到します。

 「また前のように水の中に沈む石鹸に戻ったじゃないか。
  私は、ちょっと前に買った、あの水の上に浮く、泡立ちのいい石鹸が欲しいんだ!
  あれを売ってくれ!」

調べてみると、それはあの事故の日に製造した石鹸だったのです。

それから社長のプロクターさんは早速攪拌時間を長くするように指示を出し、あの時の石鹸を再現しました。と同時に、この石鹸の商品化に向けて、石鹸の純度の分析を化学者に依頼します。
そんなある日、プロクターさんは教会に行きました。そのとき牧師が読んだ聖書の言葉に閃きを覚え、この偶然の事故とお客様の要望から生まれた新しい石鹸の名前を「アイボリー」と決めました。

後日、科学者からの報告書が届き、そこには「不純物0.56%」という結果が書かれていました。純度100%ではない・・・。しかし、これを正直にお客様に伝えるには? 
プロクターさんは石鹸会社として初めて純度の表示を行います。

 「石鹸純度99.4%」

これをアイボリー石鹸のスローガンとし、その品質や特徴を新聞やバスの乗車券で宣伝、また、サンプルの配布をするなど、当時では考えられなかった大規模で革新的な広告活動を展開し、市場を驚かせたと言います。

このアイボリー石鹸が誕生したのは1879年10月。その後、「アイボリー」はP&Gの価値観「正直と誠実」を表すようになります。そして、象徴的に「アイボリー」という言葉を脈々と伝承しているのです。
自社の価値観を確かなものにした商品の伝説。自社の物語の中から伝説を探し出して共有することって、価値観を共有する上で、重要です。
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どこで勝つのか 2009年8月25日(火)

誰もが憧れる他社の参入障壁の高い「ブルーオーシャン」。デフレに向かいつつあり、誰もが価格で差をつけようと、まさに「レッドオーシャン」的になってきているような気がします。

お客様が「高くても欲しい」と思うもの。それは新技術だったり、ブランドだったり、パーソナルサービスだったり。「独自」、つまり「そこにしかない」ものですよね。マスマーケットでもいけそうなのは前者2つだけ。
まだまだマスマーケットで勝負しようとするなら、意外な組み合わせで流行を狙う、か、低価格で利益を出せる体質にするか。

名古屋の「ひつまぶし」という鰻の食べ方の元祖で、とっても有名な蓬莱軒。ここは、値段めちゃ高いし、すごい待たせるし、接客は普通(邪険な扱いの時さえあります)。他にも「ひつまぶし」を普通の値段で、待たせず接客のいいお店はたくさんあります。
規模の経済性、投資、仕入先、チャネルの確保、コスト面、政府の政策、参入への報復なんかの障壁は全くなく、あるとしたら、製品の差別化のみ。ていうか、これが参入障壁の中でも大きなウェイトを占めているのだと思います。ある意味、「ブルーオーシャン」なのかもしれません。彼らは規模の急激な拡大は求めてなくて「ひつまぶし」というカテゴリーの中で勝っていればいいんですよね。

あまり参入障壁が高いわけでもないのに、それでも、すごい人が集まってくる。そこには圧倒的な「ここにしかない」があるからなんですよね。そう、やっぱり蓬莱軒のひつまぶしは、高くても、待たされても、接客良くなくても、美味しいから食べたいんですよね。焼き方、タレの味、お米の味、浅葱と新鮮な山葵と刻み海苔。その中で独自能力と言えるのは、焼き方とタレでしょうね。そしてここまでくると、ブランド化されている、というのもあります。それでも、私にとってはやはり「ここでしか食べられない美味しさがある」というのが一番のリピーター要因なんですけど。

商品の値下げをせず、リピーターで居続けていただく、もしくは新しくお客様になっていただくために、今何をするのか。やはり、自社の「ここにしかない」ものを見つけ磨いていくことなんでしょう。どこで勝つかを見極めて、そこに限られた資源を使っていく。ちょっと先のニーズを掘り起こして、市場を創造していけたらいいのにな。


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お客様はネコ? 2009年8月9日(日)

「チャリ、チャリ、チャリン」

ん? 私、吊るしてある服を見ようとしただけなのに???
不思議に思ってよく見ると、各ハンガーに直径3センチほどの大きな鈴がついていました。

そのデパートの他の階の服屋さんにいってみてもそれは同じ。この鈴が鳴ると奥から店員さんが出てくる、という仕組み。私の場合、買おうかな、と思うまでは店員さんに近づいて欲しくないタイプ。なので、このやり方は引きました。みなさんだったらどう思います???

目的はなんだろう。目の届かないところにいるお客様を見つけるため? もしそうであれば、それって怠慢です。
以前、ホンダカーズ中央神奈川の相澤会長が、トイレに造花を飾ることや店内にポスターを貼ることを手抜きだと怒っていらっしゃったことがあります。「お客さんはね、わかるんだよ」 造花ではおもてなしの心は伝わらない、ポスターでは車の良さは伝わらない。

おそらくこのデパートでの鈴作戦の目的はコストダウンでしょう。店員さんを減らせますからね。そして、目の届かないところでの万引きも防げるかもしれません。
でも、相澤会長がおっしゃっていたように、「お客さんは、わかっちゃう」んですね。二度と行かないです。お客さんがいないから、鈴でいいんです。鈴だからお客さんがこないんです。
手軽な改善ではなく、根本的に投資をして、目が届くレイアウトにするとかできたらよさそうです。リソースの分配を最適にする。そのことに気づかない限り、あのデパートの売り上げは伸びないんじゃないでしょうか。


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共通言語を持つ 2009年8月4日(火)

CS(顧客満足)経営の推進を目指した2000年から数年、管理職層を中心にセルフアセッサー教育を進めていました。その背景には、経営をフレームワークで捉えることはもちろん、「共通言語」を持つということもありました。

 共通言語を持つ。

つまり、言葉の意味・解釈は皆が認識している。そのメリットとは、 言葉の意味を話し合うときに説明しなくていいので、端的にできる、他の言葉とのつながりも理解できる。パソコンでいうと、OS(Operation system)があって、それでアプリが動いてる、って感じです。
一方で、デメリットは。「推論のはしご」を登りやすくなる=考えずに、「こうだったら、こういう結論になる」という固定観念に走る可能性がある。また、言葉の意味・解釈が正しく理解されていない場合、議論がかみ合わず、最適な結論が出ない可能性がある。その言語を知らない人は対話に参画しにくい。英語で話してる人に日本語で話しかけている、って感じですかね。

この5月からグループミーティングで勉強会が始まりました。その中で、自分が感じていることの伝え方、物事の捉え方、会議の進め方などをみんなで学んでいます。その中で学んだ言葉はやはり共通言語になります。
「価値前提から考えるとこれってどうなんだろう」、「いまのって、Iメッセージだよね」、「PRAMで進めましょう」、「今回はワールド・カフェで意見を発散しようか」、「KJ法で整理しようか」、「あれ? 推論のはしご、登ってない?」、「いまの発言はCP出ちゃってるよねー」などなど

うん、やっぱり共通言語を持つことは「持論」ではなく、意味合いやロジックがあるから、「客観性」が生まれる気がする。自分や人を攻めるのではなく、ちょっと離れたところからの意見になるから言い易くなります。要は、共通言語を持つと、建設的な対話がしやすくなる、ってのが一番のメリットなんでしょうね。対話の質って考えたとき、共通言語を持つことは効率的と効果的、の両面があるとしても、目的意識や価値前提での対話でない限り成果は生まれない。共通言語を持ち、価値前提で建設的な対話ができたら、すんごい組織になれると思います。


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お客様を選ぶ 2009年8月2日(日)

「なんでも○○円」ショップ。100円ショップを模して各地にさまざまなお店がありますよね。で、最近感動した2つの「100円ショップ」をご紹介。
1つは「キャン★ドゥ」。もう1つは「ナチュラルキッチン」。
「キャン★ドゥ」は、元祖100円ショップ「ダイソー」よりもオシャレ。扱うものは生活用品全般で、色やデザインにこだわっています。しかも便利グッズがオシャレなんです。便利グッズって、機能優先なのに、ここのはそれに一手間加えてあります。
たとえば、これ。色が綺麗だから買った、コードのまとめピンチ。しかも、100円で2個入り♪ PLUSの「消しポン」もどきも、100円で売ってました! いろいろ発掘するのが楽しいお店です。
店舗は愛知県内に20以上あります。立地は駅近くやショッピングセンター狙い。そうそう、中国のグループ会社名がイカしてます。感動(上海)商業有限公司! 

お次は、「ナチュラルキッチン」。こちらはインテリア小物(雑貨)と食器。私的には、食器がかわいい♪ 「え? これほんとに100円なの?」っていうものばかり。しかも、どれもオリジナルで作っているんです。籐製品もあるんですよ(!100円なのに!)、カゴ類は、中国山東省東南部、コースターなどの刺繍類は、ベトナムで作っています。店内にいると、あれもこれもとカゴに入れている若い女性でごったがえしています。
本店は、大阪で、名古屋には名鉄百貨店ヤング館 5階にあります。ファッションビルの中にあって、ちょっと異質ですが、ターゲット層の集まる場所を選んでいます。コンセプトは「あなたをおうち好きにするお店」。だから、デザインや色にもこだわってるんですよね。

ということで、上記2つのお客様は、だーれだ。
foxryoが考えるに「キャン★ドゥ」は、ダイソーはちょっとオシャレじゃないな、と思っている若い女性を中心とした層。「ナチュラルキッチン」は一人暮らしの若い女性。

両社とも、とってもうまく女性のハートをつかんだビジネスモデルだと思います。

●キャン★ドゥwebサイト:http://www.cando-web.co.jp/
●ナチュラルキッチンwebサイト:http://www.natural-kitchen.jp/index.html


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支援の範囲 2009年7月30日(木)

テラ・ルネッサンス代表の鬼丸さんがおっしゃっていたこと。

僕たちが支援している元少年兵たちは、被害者であると同時に加害者である。
だから、彼らの自立支援だけでなく、地域社会の人々への支援も行う。おそらくみなさんは不思議に思うでしょうね。でも、出身村の人から見ると元少年兵たちは大切な身内を傷つけたり殺したりした人たちの仲間、なのです。いくら誘拐されて少年兵になったとしても。だから、元少年兵たちを支援していると、村人からすると「なぜ、彼らを支援するのか?」と思ってしまうのです。

私たちはお客様を、「贔屓(ロイヤルカスタマー)」や「一見(ビジター)」と分け、その人たちにあった戦略をたて商品やサービスを提供しています。前出の話からすると、地域社会にとっても企業がどう貢献するか、ってことなのかも。

そして、テラ・ルネッサンスのみなさんは、元少年兵や村の人たちとの関りの中で、自分たち自身が成長していくことも大切にしています。
これも、CSR(企業の社会的責任)から捉えなおすと、従業員も含め、すべてのステークホルダーとの関係が、「拡大」ではなく、「成長」というキーワードで考えるべきなのではないかとふと思ったのです。そういう組織は、なくてはならない人となくてはならないリーダーと、なくてはならない価値という資産を持ち、未来永劫に続いていくのではないでしょうか。
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浸透の仕方 2009年7月16日(木)

  1. リーダーが「やる」と決めて、徹底的に支援する
  2. 浸透したい考え方ややり方を各社・部門で「自分たちの会社・部門に置き換えるとどうか」を全員で対話し、具体的な行動が結論として出てくるまでやる。
  3. 結論を各自が掲げる
  4. 実践する
なのかなぁ。先日、異業種交流会で「最初はトップダウンだったけど、3年経って、いまではボトムアップ的に盛り上がっている」ということを伺いました。 その時に思ったのが上記の3点。

一番大切なのは、「2」かなぁ。これがないと何も前に進まないような気がしてきました。どこかで他人事だと思わないようにするには、「自分たちの組織にとって何を意味するのか、組織メンバーはどう行動することなのか」を具体的にイメージできるようにする。この「具体的」っていうのが鍵ですよね。抽象的ではいつまでたってもお経のままになってしまいます。「毎日、輪読しています」だけでは具体化していきません。それとか「教育受けました」では一過性で終わってしまいます。

 「自分のものにする」

それを導き出すプロセスが明確にわかれば、そのセオリーに則って浸透がある程度うまく進んでいきそうに感じます。そのプロセスには、リーダーシップの発揮や対話方法、その組織の文化・モノゴトの捉え方を変える、、、など、いろんな側面を考える必要があるんだろうな。

リッツの高野さんが「経営理念は作ってはいけない。組織内部から湧き出るものでなければ」といつもおっしゃいます。それでも、「作ったもの」であっても、それを自組織に捉え直すことによってうまくいった事例を実際に聞いたからには、やり方次第、ということだと思います。「すでにあるもの」を、より浸透につなげる方法を模索したいと思います。
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マスマーケティングの崩壊 2009年7月14日(水)

大量生産大量消費。量の恩恵に預かることができる時代が終わりを告げ、さらにこれまでアメリカが確立してきた「マス・マーケティング」のビジネスモデルも終わりを告げることになる。
つまり、新商品ができたら広告代理店にすべて任せて広告を作ってもらい、テレビで流したらその商品がどんどん売れる、というビジネスモデルは終わったのです。景気の低迷、市場の縮小、消費者のニーズの多様化、媒体としてのネット通販という新たなビジネスモデルの台頭・・・。

では、現在のデフレという状況で何をすればいいのか。デフレに合わせて値段を下げすぎると経営は当然崩壊する。環境に振り回されるのではなく、広告代理店に依存するのでもなく、自分たちがお得意先、馴染みの固定客を大事にして、品質とコミュニケーションを大切にする。これからは御用達の時代。お客様を一軒、また一軒と広げていく。良い評判を広げていくということが大切。いいものは必ず広がっていきます。
と、藤原先生がおっしゃっていました。当たり前のことといえば、当たり前かもしれません。それでもこれからの時代は他力本願ではなく、自分たちがステークホルダーとの関係性の中で切り開いていかなくてはならないんだなぁと改めて思ったfoxryoでした。
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チームで経営 2009年7月11日(土)

録り貯めたテレビ番組を立て続けに見て一日過ごしたfoxryoです。
カンブリア宮殿で2週特集を組まれていた「メガネ21」。日本全国どこ探してもそんな経営してないんじゃないだろうか、ということをしていました。本当に型破りというのはこういうことをいうんだと思いました。
内部留保もなく、利益はお客様(販売価格の値下げ)、従業員の給料、出資者へすべて分配。不足するであろう資金は、社員からの出資を募る。いい時も悪いときも経営者と社員が一体となって経営しているんです。それができている背景の1つに、すべての情報がイントラに開示されていることがあげられます。すべて、というのは、経営状況も評価も給与明細も稟議も相談ごとも配置転換の希望も、全員分開示。社長は交代制でフツーの社員と一緒に営業してるし、管理職はいないし、人事部はないし。
不思議な会社ですが、このやり方を生んだ背景は、創業者 平本さんの体験。地元の大手メガネ販売店からリストラにあう前に電算室で内部留保の額の多さに驚いたこと。「これを社員に分配すればいいのに」と思われたそうです。またこの時の経験から上司とそりが合わなければ合わないと宣言できる仕組みも作られたように思いました。会社に関るすべての人がWIN-WINになるしくみを何年もかけて確立されてきたのでしょう。まさに全員に自由裁量と権限がある全員経営を。

メガネ21のサイトをたった数分みただけでも面白い。トップページには「カンブリア宮殿を見られた視聴者の疑問ベスト5」なるものがあり、きっちり答えていること。 そして、なぜこうやって質問に対する答えを開示しているか、という理由も天晴れな感じです。経営の合理化、値下げや賞与に還元できる・・・ここまで言い切れるってスゴイですね。↓以下、サイトから引用

株式会社21は今日まで多くのマスコミ・税務官・公取・医師・学生さんから 多くの質問を受けています。 その質疑応答を公開すれば法令遵守が確立できると考えています。
多方面からの問答を公開していますので参照して頂ければ(株)21の合理化に役立ち値下や賞与で還元できます。 ご協力賜りますようお願い申し上げます。
●メガネ21サイトURL:http://www.two-one.co.jp/a21/
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健全な危機感 2009年7月9日(木)

ジョン・コッターの「変革の8つのステップ」

  1. 危機感を生み出す
  2. 変革プロセスを主導できるだけの強力チームをつくる
  3. ビジョンを掲げ戦略を立てる
  4. ビジョンと戦略を全員に徹底する
  5. 社員がビジョン実現に向けて行動するように、現場に任せる
  6. 信頼を勝ち取り、批判を鎮めるために、早い時期に成果を出す
  7. 手を緩めず、変革を成し遂げる上でのより困難な課題に挑む
  8. 新しい行動様式を組織文化の一部として根付かせる
2000年頃、お客様第一の組織づくりに向け、社内の研修で講師が引用していました。
先日、タビオ(靴下屋)の越智会長のポッドキャストを聴いてたら、「“変える”といったらすぐ変えるんや。」という強い発言がありました。これはトップの「こうした方がお客様への価値提供のためにええやん」という強い思いがあってのこと。そしてヒトコト「わしはどうやったらできるかわからんから任せるんや。なんででけんの?」
一気に5までいっちゃう感じですね。

千房(お好み焼き屋さん)の中井会長も同じようなことをおっしゃっていました。卓越した経営をされているリーダーは、みな使命感から出る危機感を社内に伝えるのがうまいのだと思います。

さて、経営品質のアセスメントの折に書く「組織プロフィール」。そこには、その組織の「あるべき姿」に加え、顧客・市場、競合他社の動向などの外部環境も整理して書きます。企業の成長にとって危機感を醸成するための外部環境の情報は重要です。
ということで、今日は藤原塾で藤原先生のお話を久々に聴いてきました。藤原先生は私たちの胆を鍛えるために、いつも危機感を煽るお話をされます。今日のお話の中で一番印象に残ったのは、これ↓(他にもいっぱいあるんですけどね)

 世界各国は経済において「鎖国化」する

英米が世界経済の表舞台から去って、英米法で秩序化されている取引がなくなり、すべてBRICs諸国や資源国のいいなりになる。いいなり、というのは、突然為替レートなどの条件を変えられても、ロジックも説明もなく、「取引したくないならいいよ」と言われること。英米法はまるでラテン語のようなものになってしまうかもしれない。となると、まともな貿易は難しくなる。
では、どうするか。日本国内でクオリティを高め、付加価値をつけ、小さな信頼を積み上げていき、「この会社にしか出来ないよね」といわれることを追究する。もしくは、それをどこかの国で骨を埋める覚悟でやるしかない。

と、藤原先生から伺った話を、私がさらに煽って書いてるかもしれません。それでも、世界や日本がこれからどう動くか、それらを視野を広げてみていくヒントになります。だからこの情報は、「健全な危機感かな」、と思うfoxryoなのでした。
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経営には公式はない 2009年7月2日(木)

ただ、決断があるだけ。そして、何を言うかではなく、何をするかが重要。

経営、というとサラリーマンには関係ないと思いがちですがそうではないということを、千房の中井社長のご講演を伺って思いました。

15歳で大阪の乾物屋に丁稚奉公に出た。 最初の仕事は、出汁に使うじゃこを肥料か商品にするかを網でふるいにかけることでした。 それはとても単調な仕事で、毎朝、山のように積まれているじゃこを前に、「じゃこなんか死んじまえ」と思っていました。死んでるんですけども(笑)。
あるとき、その網に、じゃこの顎が引っかかります。おまえたち、もうちょっと大きくなったら商品になることができたのに。今回だけ、おまえたちを商品にしてやろう。それ以来、網の後ろが気になるようになり、ひっかかってるじゃこを商品に入れるようになりました。

そうです。私はこの時、社長をやってたんです。
つまらない仕事だと思っていたけれど、
 「じゃこの運命、オレが握ってる」
と思えるようになったのです。これをきっかけに、商品も大切に扱うようになりました。ただ、今思うと、お客様には随分ご迷惑をかけたわけですけども(笑)。
目の前の仕事は確かに単調でつまらないかもしれない。でも、考え方が変わったとたん、自分で「どないでもなる」と思えるようになる。嫌な仕事が楽しくなるんです。すべては捉え方1つなんですよね。
「本社部門にいるからお客様が見えにくい」「自分はこの機能のこの部分だけを担当してるから全体がわからない」・・・。不平不満や、愚痴。果たしてそうなんでしょうか、ということです。

実はどんな小さなことでも自ら決断を下していく、ということが、経営そのものなのだと思うfoxryoなのでした。
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伊那経営フォーラム 2009年6月28日(日)

1泊2日の「伊那経営フォーラム」に行ってきました。
昨年、ご紹介したように、このフォーラムが始まって5年。今年は1000人もの人が集まりました。だんだん「いい会社をつくろう」「いい地域をつくろう」という輪が広がってきていると感じています。
高知本氣フォーラムしかり、です。来年は鬼丸さんが京都で主催???

これ、仕事で行ってるわけでなく、個人的に行ってます。この場は、名だたる経営者のみなさんのお話を聴くことができる非常に良い機会であり、私にとっては、自分たちの会社をもっといい会社にできるヒントを集める、自分自身の行動を振り返って変える、という思いからです。でも、根っこにあるのは、参加すると「自分が笑顔になれる」っていうことだったりします。

さて、「人と絆を強さに変える経営」をテーマにしたフォーラムのトピックは、何といっても、千房の中井社長のご講演。ものすごいインパクトでした。今回のレポート(?)は「ヒトコトでいうと」でまとめると心に決めていたので、顔晴ってみます。

  • 全体を通して: 人との関わりの深さを追求すること
  • 中井社長: 商売は人柄。原点に返る(考え方、人生観といった、根っこが大事)
  • リッツ 高野さん: 「リッツだったら大丈夫だと思って」(新型インフルエンザ騒ぎでレストランが満席になった理由。お客様の声から)
  • 大久保さん: 本物は360度。いつどこから誰がみても本物。
  • 炭焼き職人 原さん: もっと迷惑かけあおう。目の前の人を幸せにしよう。
  • 菓匠 清水さん: チーム一丸となり、お菓子を通じて世界中の家族の絆をつなげたい。
  • 香取さん: 目の前の仕事を好きになる努力をする。そしたら最幸になる。
  • 加賀屋さん: 出会いを大切にする。
  • バグジー久保さん: 長く怒らない(それが自分にとっても相手にとっても、組織にとっても良い結果を生む)
  • 伊那食品 塚越会長: どうしたら社員のためになるかを常に考えてきた。
  • ネッツ南国 横田会長: 相手が間違っていても、相手が「自分が正しい」と思っていたらいわなくていい。なぜコミュニケーションをとるかというと相手のレベルアップのため。教えられても相手は喜ばない。
  • 四国管財 中澤社長: 採用はその人の夢をサポートすること。
うーん。結局、「ヒトコト」ピックアップ集になってしまいました。やっぱり私はヒトコトで「まとめる」という修行が必要ですね・・・。 というのはおいといて、この他にも志を持った方々の思いを伺いました。 最後に、フォーラムの運営に携われた皆さん、有難うございました。

ということで、この2日間で得たものが消化しきれず、全くまとまりのないコラムとなりました。ちゃんちゃんっと。それではまた。
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異文化の刺激 2009年6月26日(金)

会社の風土が違うなぁと感じることは多々ありますが、ここまで違うと思ったのは初めてです。リーダーシップを成長の根幹に据えて、それを「当たり前のこと」と信じて当たり前にやる。
社長に聞いたって、従業員に聞いたって、小学生に聞いたって、「リーダーシップって大事だよね」といいますよね。そして、「リーダーシップとは何か」の分析をして、そして「こういう資質を高めていこう」というところまでは合意できると思うのです。

「当たり前にやる」というのは、「いつまでに、なにを、どうする」と行動に落ちるまで「具体的」にして、ある意味パターン化、しくみ化して、それを徹底「している」のです。この考え方はかなり刺激的でした。

そして、

仕事はたとえればゲームのようなもの。「こういうリーダーシップを発揮してくれ」とはいうけど、人格まで変えてくれといってるわけではない。ポーカーなんかやると人格が変わるよね。それと同じように、出社したら会社のvalueを実践して、ゲームに勝てるやりかたをしようよ。
と言い切るすごさ。そしてこうして包み隠さず話していただけるのは、もう完全な差別化要因となっているから。誰にも真似できない域に達している自信。


さて、ここはどこの会社でしょー。なぁんて、実はまだこのコラムの内容がこなれていないので、ごまかしてるだけだったりするんですけど。自分たちの組織との違いを実感すると同時に、なにをしていけばいいのか、確信が持てずにいます。
ということで、伊那フォーラム、いってきまーす。
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イメージが広がる 2009年6月16日(火)

スゴイ言葉シリーズ(?)第二弾。今回は、ABCマートの野口社長。

統計によると一人の人が1年間に買う靴は「3足」といわれています。
つまり、4ヶ月間、お客様に憶えておいていただけるようなサービスを目指さねばならないということです。
とおっしゃっていました。
単に「お客様満足度(のポイント)を上げよう」というスローガン的なものではなく、「4ヶ月憶えておいていただけるサービス」を目指すっていうのが、考えるだけでワクワクします。
ただ、もし出来たとしてもそれを毎日毎日続けるというところは厳しいんじゃないの? と思われるかもしれません。
それはシステムでカバーしています。他店に比べ、1店舗あたりの店員さんの数を多く配置、店内、店舗間で健全な競争を奨励(データを即日ITで共有。歩合制はとらず、年1回表彰)、などです。
そして、接客だけでは売れません。接客で入手したお客様の声を即取り入れて自社開発しています。設計するそばからこれまたITを活用し、webカメラで海外の工場とのやりとりを行い、リアルタイムでモノ作りをしています。もちろん、トップ自身が折に触れ、こういう発言を何気なくされているのではないかなと思います。

 1人の人に次も買っていただく接客をする。
 そのために「4ヶ月憶えておいていただけるサービスをする」

そんな取り組みにチャレンジしているABCマート、なんかいいです。
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すごいヒトコト 2009年6月7日(日)

我々の意識が世の中の変化に対してズレていることが、(業績低迷の)一番の原因だね。
これは、イトーヨーカドーを創り上げたセブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO 鈴木敏文さんのヒトコト。

なんかこのヒトコトにしびれました。何気なくおっしゃっていたので、テレビ映像では金言的な扱いをされてませんでしたが、これこそ重要な言葉だと私は思いました。こういう考えの持ち主だからこそ、変革ができるのだと思います。常にお客さまを見ていて、やり方をどんどん変えていけば結果はついてくる。従業員の能力(アビリティ)を信じているからこそ言える言葉でもあります。

「価格競争はしない」といってたのに、激安路線のスーパーを始めた理由も、世の中への変化対応。価格で競争するのではなく、お客様への価値提供を追及するということなんです。そのために、「内部のやり方」を変える。軸のぶれない鈴木会長の意思と行動、やっぱりすごいですね。
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高知本氣フォーラム レポート 2009年5月30日(土)

昨年11月に高知経営品質協議会が主催された「高知本氣フォーラム」
メインスピーカーは、炭焼き仙人の原さん、無酸素単独登頂アルピニストの栗城さんのお二人、そして、ディズニーといえば、香取さんと加賀屋さん、あのバグジーのノブさん、「地球倫理推進賞」を受賞されたテラルネッサンスの鬼丸さんです。

ネッツトヨタ南国の横田会長の開会挨拶から、夢を追い続ける6人の講師のみなさんのお話、バグジーの久保社長やICPEの鬼澤さんがコーディネータ役のパネルトークなど、余すことなく「本氣とは」をお伝えします。
私はこのフォーラムに参加して、感動しましたし、笑顔になれたし、元気にもなれました。「本氣」って、案外○○○○○かも。みなさんにもその感動をお伝えできたら嬉しいです。

それでは、こちらからどうぞ! ↓ 
 ★★高知本氣フォーラム レポート★★

ご感想は、掲示板まで♪ 
 →http://8411.teacup.com/fox01ryo/bbs

☆ピックアップ版だけ読んでみたいという方は、ここをクリック

なお、このレポートは昨年12月まではただのメモでした。でも、もうただのメモではありません。なぜかっていうと、高知本氣フォーラム塾長の大原さんに全体を通して編集いただいたこと、そして何より、メインスピーカーの原さんにも校正をご協力いただき、レポートとして完成できたからです。
ということで、超パワーアップした「全文」のレポートがお勧めです。


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小山社長、12年目の告白? 2009年5月22日(金)

武蔵野の小山社長から、これから経営品質向上プログラムに取り組む企業へのアドバイス。

まず、「やるぞ!」と決めて人に言う。対外的に言うとやめられない。「2004年に報告書を出します」と有言実行。

次に評価レポートをもらってからの進め方。社長である自分の目線と審査員の目線が違うので、評価レポートもらって読むと、「許せない!」と思う一方で、「そうだよなぁ」とも思う。改善領域で示された課題は易しいところから先にやった方がいい。うちは難しいことに取り組んで損した。ついつい、難しい方がいいと思っちゃうんだよね。チャレンジする会社はそれなりに成績出してるし。でも、あの時、自社の強いところをさらに強化する方にいけばよかったと、今では思っている。

それからもう1つ、ベンチマーキングに現場社員も連れて行くこと。現場にしか真実はない。管理職だけでは伝わらない。年3回アセスメントをしているけど、実行計画、経営計画書の作成には、アルバイト、パートも参加。230名が全員でやる。自分の意見が会社の政策になるからいろんなことが早く進むようになる。

うちがJQAに取り組み始めたのは「やってみないか」と言わたから。ほんとはやりたくなかった。しかも、チャレンジしていく中で3回やめたいと思った。
とはいえ、JQAで役立ったことは、社長として楽になったこと。まさかこんなに楽になるとは思ってなかった。「利益が出る」とか「儲かる」とか「体質が変わる」(※)なんて嘘っぽいと思った。だけど、12年間やり続けて、自信持って「本当だ」と言える。途中で中途半端にやめると今までやってきたことが無になる。愚直にやり続けるのが役立ったこと。それと、武蔵野にチャレンジしない社員はいなくなったことだね。

※新卒の定着率 12年前15%→現在85%。ここ3年は辞めた人ゼロ。
※※この内容は、2008年度経営品質賞報告会でのメモを編集したものです。


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ワールド・カフェで発散 2009年5月22日(金)

集団で新たなアイディアを生み出すための発想方法というと、最初に思い浮かぶのは、ブレイン・ストーミング。ルールは4つ。批判厳禁、自由奔放、質より量、連想と結合。
そして、もう1つはHONDAの「ワイガヤ」。言葉どおり、ワイワイ、ガヤガヤと自由に意見を言える環境をつくるだけでなく、明確なルールが1つあります。それは「何らかの問題解決につながるまで決して議論を終わらせない」ということです。
ブレストもワイガヤも、効果的な質問ができるファシリテーター役を必要とします。そういう有能なファシリテーターがいなくても全員参画でどんどん意見を積み重ねていける対話方法って? 

んでは、そろそろタイトルの「ワールド・カフェ」(のロバート版)。
これ、ちょっと前に体験した対話方法です。ワクワクしながら対話を進められるのでとってもいい感じです。
やり方はこんな感じ。
チームに分かれ、各自お題について意見を言いながら、B紙に自分の意見を書き込んでいく。一人が意見を言い終えたら、チームメンバーはすかさず、「それ、いいね!」と本気でいう。メンバーの意見を一切否定せず、とにかく続けていく。すると不思議なことに意見がどんどんでてくるんですね。否定されないから、機嫌よくできちゃうんです。

あらかじめ決めた時間が来たら、メンバー替え。各チーム一人を残してすべての人が別のチームに旅立っていきます。
そこで最初にやることは、残った人がこれまでの意見を、新たなメンバーに共有すること。そこからはまた同じように「それいいね!」で意見をどんどん出していきます。他のチームから来た人は、残ったメンバーから共有された内容からも発想できるし、前のチームで話されていたことを追加したりと、新たな意見がどんどん発散できます。
「これとこれって、つながるよね」(丸で囲んだり線を引いたり)、「それだったら、こういうこともいえるよね」(矢印と意見を書く)「それってどういうこと?」・・・。とにかくどんどん言ってどんどん書く。それが発想を広げていくような気がします。それに、どんどん紙面が埋まっていくのも楽しいものです。発想力を鍛えるにはとても楽しくて有効なやり方だと思いました。

ただ、このワールド・カフェも、ブレストもワイガヤの場も、意見が出るかでないかは、メンバーの貢献意欲次第。「なぜ、やるのか」を明確にし、メンバーの納得・共感を得るという、チーム・ビルディングができていることが前提なんじゃないでしょうか。って、普段の仕事もそうですね。常にワールド・カフェのような状態だったら・・・。スゴイ会社かも!


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きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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