日本バンタム級新王者に輝いた山中慎介
「日本バンタム級タイトルマッチ」(20日、住吉区民センター)
KO決着必至の強打対決は、「山中の左」に軍配が上がった。挑戦者の山中慎介(帝拳)が7回TKOで王者・安田幹男(六島)を破り、6連続KOの快進撃で日本バンタム級王座を奪取した。
序盤から一進一退の攻防が続く。左構えで5連続KO中の山中が強烈な左ストレートを繰り出せば、右構えで16勝中13KOの安田は右ストレートで対抗。6回終了時の採点は2‐1と割れ、山中がリードしていたものの差はわずかだった。
7回開始直前、WBC世界Sバンタム級王者・西岡利晃が青コーナーに歩み寄った。「もっと自分から手を出せ」。あこがれの同門王者の厳しい声に、山中の目が覚めた。猛然と襲いかかると、ロープ際で左ストレートをたたき込んで安田をなぎ倒す。立ち上がったところを詰め寄り、一気にレフェリーストップまで持ち込んだ。
「(西岡のゲキが)効きましたね」と満面の笑みを浮かべ、「技術はもちろん、精神面もすごく参考にしています」と“師匠”に感謝した。WBC世界バンタム級7位の安田を倒したことで、世界ランク入りは確実。「夢は世界チャンピオン。世界に挑戦できる権利ができたので頑張りたい」と意気込みを語った。
西岡利晃の話「(ゲキを飛ばしたのは)相手を見ちゃってたから、少しもどかしくて。言った通りに手を出して倒してくれたのでうれしい。パンチもあるし、センスは抜群。世界を取ってほしい」
(2010年6月20日)