【ハノイ共同】ベトナム国会は19日、南北高速鉄道(約1570キロ)建設計画に関する決議案を否決した。政府は日本の新幹線方式の採用方針を決めていたが、影響が出る可能性もある。計画は今国会で承認され、日本の協力による事業化調査に進む見通しだった。
共産党独裁体制の同国で、国家的な事業計画が国会に否決されるのは異例。否決後、グエン・ドク・キエン国会副議長は、政府に対し計画をより慎重かつ詳細に再検討し、次期国会に報告するよう求めたと述べた。
新幹線方式自体への異論は目立たなかったが、総額560億ドル(約5兆円)とされる巨額の事業費調達や採算性への懸念などから、国会審議で反対論や慎重な意見が相次いだ。
毎日新聞 2010年6月21日 東京朝刊