アメリカ南部メキシコ湾で流出が続く原油の除去作業に当たっている大手石油会社BPのトップがイギリスのリゾート地で休暇を楽しむ写真が報じられ、アメリカ政府や被害地域の住民から批判の声が上がっています。
アメリカの主要なメディアは、イギリスの大手石油会社BPのヘイワード最高経営責任者が、週末、自分のヨットが参加するレースを楽しむため、イギリス南部のワイト島を家族とともに訪れたと伝え、その写真も報じました。これについて、ホワイトハウスのエマニュエル大統領首席補佐官は、20日放送されたアメリカ・ABCテレビのインタビューで「被害地域の人々が日常生活を取り戻せていないことを重視すべきで、大きな過ちだ」と批判しました。さらに、ルイジアナ州など被害地域の住民からも、事故発生から2か月たった今もBPが原油の流出を食い止められないだけに、「あまりに無神経だ」などとして批判の声が上がっています。これに対して、BP側は「ヘイワード氏にとって、事故発生以来初めての休暇で、数時間家族とともに過ごしただけだ」として理解を求めています。しかし、ヘイワード氏の今回の行動は、アメリカ議会の公聴会で流出事故を謝罪し、「解決まで全力を尽くす」と約束した直後だっただけに、アメリカでBPに対する風当たりがいっそう強まることも予想されます。