無言で外出する武蔵川理事長=東京都荒川区(撮影・開出 牧)
大相撲の賭博問題は外部の手に委ねられることになった。21日の理事会へ向けて武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)、陸奥生活指導部長(元大関霧島)ら協会幹部が19日、両国国技館で緊急会議を開き、21日の理事会で発足が承認される外部調査委員会に、処分内容を判断する権限を与える方針を固めた。外部の力による“賭博仕分け”で、協会のウミを出し切ることになる。
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いくら賭けたのか。暴力団がかかわっていたのか‐。賭博問題の悪質さを左右する線引きは、外部委員会が行うことになった。外部委員会には当初、参加が想定されていた陸奥親方ら親方衆は参加せず、協会事務員を除き外部の人員だけが入る。理事会は独自に処分を下すことができなくなった。
この日は土曜日のため協会は休日だったが、続々と首脳が集結。望月浩一郎弁護士を加え、外部調査委員会などについての話し合いをもった。望月弁護士は賭博仕分けについて、「まず、野球賭博でなければいいというわけではない。その上で胴元が誰なのかということで意味が違う。線引きは外部で判断します」と説明した。
外部調査委員会主導で調査が進められることになった。すでに理事会メンバーである3人の外部役員の参加が内定しており、残りについても選考を進めており、望月弁護士は「一番いいメンバー、公正中立に第三者から見てもこのメンバーだったらきちっとやってくれるという人を調整中です」とした。
暴力団を胴元とした野球賭博への関与が疑われる琴光喜と、花札など仲間うちによる賭博だけだったとされる雅山とでは、大きく処分に差が出ることも考えられる。この日も武蔵川理事長は報道陣の問いかけに無言だったが、処分についても口を挟めなくなる。
(2010年6月21日)