阿武松親方親方ショック！賭博仲介は２９歳床山…警視庁が複数回事情聴取

部屋前で謝罪会見する阿武松親方

　大相撲の野球賭博問題で阿武松部屋の３４歳の幕下力士と力士のまげを結う床山の床池（２９）＝本名、池田太＝が関与を認めていたことが１９日、分かった。中でも床池はすでに複数の関係者の証言で大関・琴光喜らと暴力団関係者とみられる胴元の仲介役を務めていたことが発覚している。角界の野球賭博汚染の大本がこの床池とみられ、警視庁も重大な関心を持って複数回にわたり事情聴取していることも判明した。

　琴光喜から端を発し大嶽親方（元関脇・貴闘力）ら師匠にも広がった野球賭博汚染。根源は阿武松部屋の床池だった。千葉・習志野市の部屋で師匠の阿武松親方（元関脇・益荒雄）は関与の事実は明かさなかったが「このたびは大変、ご迷惑をおかけしまして心からおわび申し上げます」と謝罪した。

　床池はこの日までに野球賭博に関与したという上申書を協会に提出した。力士のまげを結う仕事の床山は特等から五等の階級に分かれており現在は三等。知人によると「若い頃はまじめだったが、６～７年ぐらい前から暴力団関係者と交際していたようだ。それから外出するときの服装とか態度がガラっと変わった」と証言する。

　野球賭博もこうした黒い交際をきっかけに数年前に相撲界に持ち込んだものとみられる。役割は暴力団関係者とみられる胴元の仲介役だ。床池が発信源となり、警視庁の調べで関与が発覚した琴光喜、大嶽親方、時津風親方（元幕内・時津海）へ広がっていった。

　警視庁は今回の角界の野球賭博汚染の中心人物としてすでに２回以上にわたり事情を聞いている。また、同庁はこの日、協会の調査で関与が判明した幕内の豊ノ島、豪栄道、豊響を含む力士らから事情聴取したことも判明。３人も床池を通じた賭博への関与が濃厚で今後は立件の可否が焦点になる。

　床山に加えて関与が発覚した幕下力士は、十両まで昇進した経歴を持つ。この力士の兄（３８）も仲介役を務めていた一方で、琴光喜から約３００万円を恐喝した容疑で立件が進んでいる元力士の暴力団関係者。幕下力士は床山と同様に警視庁は、全容解明のカギを握る人物として事情を聞かれているようで今後の動向が注目される。

　野球賭博の中心人物がいた阿武松部屋。親方の関与は認められていないが他の弟子も関与が発覚すれば部屋が賭博の温床だったともいえる。弟子の管理、監督責任という意味で今後、協会の理事会で降格を含む厳罰は避けられない。

　◆阿武松部屋　１９９０年名古屋場所限りで引退した元関脇・益荒雄は年寄・錣山を襲名し、所属する押尾川部屋の部屋付き親方となった。９２年９月には年寄・阿武松に名跡を変更し、独立を師匠の押尾川親方（元大関・大麒麟）に申し出たところ激怒されたため、大鵬部屋に移籍。９４年１０月に独立し阿武松部屋を創設。９５年４月に千葉・習志野市に部屋が完成し、部屋開きが行われた。現在は力士数２０人、床山１人が在籍している。主な力士は若荒雄、大道ら。かつては元幕内・片山、元十両・小緑らが在籍した。

　◆床池（とこいけ）本名・池田太。１９８１年３月８日生まれ。２９歳。北海道・札幌市出身。９７年１１月に阿武松部屋へ入門。現在は三等床山。血液型Ｏ。