国際通信社３社が結婚式報道取りやめ

　国際通信社のＡＰとロイター、ＡＦＰは１９日、スウェーデン王室が同日行ったビクトリア王女の結婚式の映像取り扱いに関して、撮影した同国の公共放送、ＳＶＴが提示した条件が理不尽だとして、結婚式に関するすべての報道を取りやめた。

　ＳＶＴは王室からストックホルム教会での結婚式の映像取材を独占的に行う権利を得ており、各国のテレビ局や３通信社と交渉していた。

　ＡＰなどによると、ＳＶＴは通信社側に対し、結婚式の映像の使用を２日間しか認めず、スウェーデン国外のテレビ局への映像配信についても厳しい条件を突き付けたという。ロイター通信の幹部は、王室の結婚式という歴史的な行事を民間企業が行うイベントと同じように扱うべきではないと非難した。

　一方、ＳＶＴの報道担当者は「通信社の対応には驚いている。ほかの外国のテレビ局は提示した条件を受け入れている」と反論した。

　スウェーデン政府職員は、ＳＶＴの交渉の進め方に問題があったとの認識を示し、国を挙げたイベントにけちがついたことを嘆いた。

　ストックホルムに取材に訪れた日本のテレビ局関係者は、ＳＶＴの条件は「同様のイベントに比べてかなり厳しいものだった」と語り、１９日夜の時点で結婚式の映像を入手できていないと話した。

　ビクトリア王女は王位継承順位１位。結婚式には日本の皇太子さまも出席された。（共同）

　［2010年6月20日22時1分］